外壁の塩害とは? 外壁に起こる問題や塩害対策をチェックしよう!

鉄筋が腐敗していたり、外壁材が剝がれたりしている場合、塩害が外壁に多大な影響を与えている恐れがあります。外壁に塩害の影響を受けやすいのは、海辺にある家でしょう。塩害を放置してしまうと建物の耐久性が低下するため、早めに対処しなければなりません。しかし、どのように対処すればいいのか悩んでいる方は多いでしょう。

本記事では、外壁の塩害について詳しく説明します。

  1. 外壁の塩害とは?
  2. 塩害によって外壁に起こる問題
  3. 塩害の被害を受けやすい外壁は?
  4. 外壁の塩害対策について
  5. 外壁の塩害に関してよくある質問

この記事を読むことで、外壁の塩害対策なども分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.外壁の塩害とは?

まずは、外壁の塩害がどのようなものなのか、基本情報をチェックしておきましょう。

1-1.塩分を起因とする被害

塩分を起因とする被害のことを塩害といいます。外壁が塩害の影響を受けると、外壁塗装が剝がれたり、塗装が劣化したりとさまざまな症状が現れるのです。海は多くの塩分を含んでおり、この塩分を含んだ水が蒸発して空気に塩が混じります。塩分が混ざった空気が風をとおして建物に付着し、塩害が発生するというわけです。特に、海沿いの建物は塩害被害に遭(あ)いやすいので、しっかりと塩害対策を施さなければなりません。

1-2.金属に穴が空く怖い塩害

塩害はとても怖い被害です。屋根・外壁・玄関ドア・アルミサッシなど建物のあらゆる場所に塩分が付着することで、腐食を進行させてはサビ・建物の劣化を促進させることになります。塩害で金属のサビや腐食を促進させてしまうと、金属に穴が空いてしまうのです。塩害は金属に穴が空くほどの怖い影響力を持っているといえるでしょう。空いた穴から雨水が入り込み、そこからさらに劣化してしまいます。つまり、塩害を未然に防ぐためには早めの対策が必要なのです。

2.塩害によって外壁に起こる問題

ここでは、塩害によって外壁に起こる問題を解説します。

2-1.金属が腐食する

塩害によって引き起こされる外壁の問題といえば、金属の腐食です。前述したように、塩分は金属を腐食させてしまうほどの影響力を持っています。特に、トタン・アルミといった金属の外壁は腐食が進行しやすくなるでしょう。金属がサビていたり、茶色に染まっていたりしている場合は、腐食していると思ってください。金属の腐食は早めに対処しなければ、どんどん劣化が進行してしまい、雨漏りの原因になってしまいます。また、建物の耐久性も急激に下がってしまうでしょう。

2-2.外壁材が剝がれやすくなる

外壁が塩害の影響を受けると、外壁材が剝がれやすくなります。外壁の表面に付着している塗装が劣化しやすくなり、外壁の内部が表面にさらされてしまうのです。内部が表面にさらされてしまっている状態では、そこも塩害に遭ってしまう恐れがあります。外壁自体を劣化させてしまい、これもまた建物の耐久性に大きく響いてしまうのです。たとえ、塗装をする必要がないコンクリート外壁だったとしても、塩害を受けると表面が剝がれてしまう危険性があります。

2-3.塗料の劣化スピードが早くなる

塩害によって外壁が受ける影響は、劣化スピードと耐用年数にも関係してきます。一般的な外壁の耐用年数は約10~20年といわれていますが、塩害が発生しやすい地域では使用する塗装の寿命が2~5年ほど短くなってしまうのです。その結果、早めに塗装を塗り直さなければならなくなったり、補修をしなくてはならなくなったりと費用がかかってしまうでしょう。塗料の劣化スピードが早くなるからこそ、塩害のリスクがある地域では耐用年数が長い塗料を使うことが推奨されています。

2-4.ドアやサッシも腐食する

塩害の影響を受けるのは、外壁だけではありません。屋根やドア・サッシなどにも塩害の影響を受けることになります。いつの間にか腐っていたり、腐食が進行していたりする可能性があるため、外壁の塗装と同じくこまめにチェックしておかなければなりません。沿岸に建っている建物は、家全体に塩害の影響を受けてしまうということをしっかりと把握しておく必要があります。

3.塩害の被害を受けやすい外壁は?

ここでは、塩害の被害を受けやすい外壁をいくつか紹介します。

3-1.金属素材全般

基本的に、塩害を受けやすい地域では金属素材全般の使用はNGとされています。外壁でいうと、金属サイディングが代表的です。金属はサビの影響を大きく受けやすい性質を持っており、沿岸部の建物に使用してしまうとすぐに劣化してしまうでしょう。そのため、金属サイディングは沿岸部での施工や塩害による腐食は保証の対象外になっているメーカーがほとんどです。ドアやサッシなどにも金属素材はなるべく使わないほうがいいでしょう。

3-2.窯業系サイディングと鉄筋コンクリート

多くの住宅で使われている窯業系サイディングも、沿岸部の外壁には向いていません。窯業系サイディングは金属に比べて塩害地域でもある程度の耐久性は維持できます。しかし、主成分がセメントでできているため、変形といった変化が生じる可能性があるのです。そして、鉄筋コンクリートは、塩分に弱い特性があります。コンクリートに塩分が浸透してしまうと、内部の鉄筋にサビが生じてしまい、膨張・ひび割れ・剝がれなどの症状を引き起こしてしまうのです。

3-3.耐用年数が短い塗料は避けよう

前述したように、沿岸に近い建物ほど外壁や塗装が劣化しやすい傾向があります。そのため、耐用年数が短い塗料は避けたほうがいいでしょう。代表的な塗料の種類は、ウレタン塗料・フッ素塗料・シリコン塗料・アクリル塗料の4種類です。この中で最も耐用年数が短いのはアクリル塗料で約4年となります。アクリル塗料は価格が安価で費用面を重視する人にとっては魅力的ですが、沿岸部の外壁塗料に使ってしまうとすぐに劣化してしまうので向いていません。金銭面に余裕があれば、塗膜が硬くひび割れがしにくいフッ素塗料がおすすめです。

3-4.塩害範囲かどうかチェックしよう!

塩害の被害を受けやすい範囲かどうか、簡単にチェックできる方法があります。主に、下記の3つのポイントに注目してみてください。

  • 潮のにおいがしない
  • 海から5km以上離れている
  • まわりの家の鉄部にサビがあまりない

なお、塩害の被害が引き起こされる建物は一戸建てだけでなく、マンション・アパート・工場・倉庫・店舗・ビル・事務所など多岐にわたります。また、塩害が引き起こされやすい建物の場所は以下のとおりです。

  • 外壁・屋根
  • カラーベスト
  • スレート瓦・セメント瓦
  • トタン屋根・トタン
  • 玄関・門
  • アルミサッシ
  • シャッター
  • フェンス・門扉
  • ドア
  • モルタル
  • コンクリート壁

4.外壁の塩害対策について

ここでは、外壁の塩害対策について解説します。

4-1.塩害に強い外壁を使用する

塩害対策としては、塩害に強い外壁を使用するのが1番効果的です。塩害に強い外壁といえば、ガルバリウム鋼板・タイル・樹脂系サイディングの3種類があります。それぞれの特徴についてチェックしていきましょう。

4-1-1.ガルバリウム鋼板

金属系の外壁ではありますが、腐食に対しては効果的な素材です。ガルバリウム鋼板がサビてしまった場合、表面成分である亜鉛とアルミ複合メッキが腐食を抑制してくれるでしょう。けれども、表面のコーディングが衰えたり、傷がつくと本体にサビが生じてしまったりするので、まったく塩害の被害を受けないわけではありません。

4-1-2.タイル

塩害に強い外壁材としてよく選ばれているのがタイルです。石や砂などが原材料となっており、金属をまったく含んでいないので塩害の影響を受けないとされています。特に、磁気質のタイルは水を含んでいないため、耐用性が高めです。ただし、タイルを使用するためには接着剤が必要となります。接着剤にモルタルを使ってしまうと塩害の影響を受けてしまうので、陶磁器タイル目地用浸透性吸水防止剤を塗って防水対策をすることが大切です。

4-1-3.樹脂系サイディング

樹脂系サイディングも塩害に強い素材で、塩化ビニル樹脂でできている外壁材です。酸化に強い素材となっており、腐食が起きにくくなる点が大きなメリットとなっています。また、塩害対策ができるだけでなく、紫外線や雨風の耐久性も高いところも特徴です。ただし、日本ではまだまだ普及されていない外壁材ということもあり、外壁業者選びが重要になるでしょう。

4-2.耐久性と耐塩性の強い塗料を使う

塩害に強い外壁材だけでなく、塗料もなるべく塩害対策になる種類を選ぶ必要があります。少し値段は高めではありますが、耐久性と耐塩性の強い塗料を使うことで、コストパフォーマンス的にも抑えることができるでしょう。塩害対策にはフッ素塗料またはアクリルシリコン樹脂系塗料がおすすめです。

4-3.下地処理もしっかりと行うことが大事

塩害対策を徹底するためには、下地処理もしっかりと行うことが大切です。下地も塩害の影響を受けていて劣化している場合、きちんと修繕をしておかなければ塗料の効果が十分に発揮できません。下地処理をしっかりと行うことで、塗料の効果が発揮できますし、外壁材も塩害に耐えることができるでしょう。塗料だけでなく、基本となる下地処理をきちんと行ってくれる外壁業者を選んでください。

5.外壁の塩害に関してよくある質問

外壁の塩害に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.すぐにできる塩害対策は?
A.電気機器を屋内に設置することです。塩分を含んでいる空気は換気扇やエアコンから室内に侵入してしまい、内部から建物が腐敗してしまう恐れがあります。換気口・室外機など屋外に設置しなければならない機器だとしても、海とは反対側に設置することで潮風の影響を最小限に抑えられるでしょう。ほかにも、塩害仕様が施されている室外機を使ったり、換気口用の除塩フィルターを利用したりするのも対策方法の1つです。

Q.コンクリートや鉄部が塩害を受けたときの対策は?
A.主な対策としては、塗料の塗り替えと壁の張り替えがあります。海沿いの地域は内陸部よりも塗装の耐用年数が短くなってしまうため、こまめに塗り替えをしなければなりません。そして、塗料の塗り替えに加えて、壁の張り替えも行いましょう。塩害に強い塗料と外壁材にするだけでも、塩害の影響を未然に防ぐことができます。対策は早めに行うのがベストです。

Q.自分で簡単にできる塩害対策とは?
A.外壁をこまめに掃除することが、自分でもできる塩害対策となります。塩害のもとは塩ですので、屋根や外壁についている塩分をきちんと取り除くことができれば、塩害を最小限に抑えられるはずです。ホースで軽く洗い流すだけでも効果が期待できるでしょう。こまめに掃除する時間がなければ、フッ素といった耐久性の塗料を使ったり、防水性が高い塗料を選んだりしてください。

Q.無機塗料も塩害対策になるのか?
A.無機塗料も塩害対策にぴったりな塗料です。セラミックといった無機材を含んでおり、一般的な塗料に含まれている有機材が入っていません。無機材が含まれている塗料は、有機材を中心に作られている塗料よりも劣化スピードが遅めです。また、無機塗料の耐用年数は約20~22年となっています。外壁に使う塗料の中でも耐用年数が長いので、塩害対策に最適でしょう。

Q.外壁業者を選ぶポイントは?
A.どの外壁業者に依頼すればいいのか分からない方は、以下のポイントに注目してください。

  • 外壁施工の実績があるか
  • 施工事例がホームページ等に掲載されているか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか
  • 口コミや評判がいいか
  • どのような作業をするのか詳しく説明してくれるか

東京と大阪を中心に外壁工事を行っているオフィスチャンプでは、無料相談を受け付けています。塩害対策でお悩みの方はぜひ一度お問い合わせください。

まとめ

外壁の塩害は沿岸部の建物が影響を受けやすく、塩分が含まれている潮風が外壁を傷めてしまう被害です。塩害を放置するほど建物の内部も腐食してしまい、どんどん劣化する恐れがあります。耐久性にも大きく関わるため、早めに対処することが大切です。また、沿岸部の建物はしっかりと塩害対策を施す必要があります。塩害対策になる外壁材や塗料を活用するだけでも、効果は違うでしょう。

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