外壁塗装に使われる塗料。艶あり、艶なしの特徴や違いとは?
外壁をぬり替える際、「艶ありと艶なしのどちらにしようか?」と悩む人も多いです。
艶ありの外壁塗装も艶なしの外壁塗装もそれぞれにメリット・デメリットがあります。
そこで、今回は外壁塗装の艶ありと艶なしの違いについてご説明しましょう。
いったいどちらを選んだ方が見栄えがよいのかということや、耐久性についてもご説明します。
さらに、両方のいいとこどりをしたい、という方向けの塗料の選び方もご紹介しましょう。
外壁塗装の塗り直しを考えている人や家を建てる人は、ぜひこの記事を読んでみてください。
目次
1.外壁塗装の艶あり艶なしとは?
外壁塗装に使われる塗料には、艶ありと艶なしがあります。
車に使われる塗料も同じですので、車にこだわりのある方はピンときやすいでしょう。
艶ありのことを「グロス加工」艶なしのことを「マット仕上げ」という言い方をする場合もあります。
グロスとは、化粧品のグロスです。
口紅の上からグロスを塗ると艶が出ますね。
あれと同じです。
つまり、艶ありの塗料を塗ると、つやつやピカピカの仕上がりになります。
逆に、艶なしの塗料を塗ると落ち着いた感じに仕上がるのです。
2.艶あり・艶なしのメリット・デメリットは?
では、艶ありと艶なしのメリット・デメリットは何でしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。
2-1.艶あり塗料で外壁塗装をした場合
前述したように、艶ありの塗料を使うとつやつやピカピカした仕上がりになります。
新築の家の外壁が光沢あるように見えるのは、塗料のおかげです。
「新品である」という感じも出ますし、きれいに見えるでしょう。
また、つるつるしていますから汚れなどもつきにくいです。
しかし、あまり光沢がありすぎると色によっては下品に見えるでしょう。
また、艶あり塗料のメリットは、多少塗り方が雑でも塗料の光沢のおかげで気づかれにくいのです。
でも、塗料の艶はいつまでも持ちません。3年くらいで艶なしと同じ状態になるでしょう。
そうなったときに、塗りむらが目立つ場合があります。
2-2.艶なし塗料で外壁塗装をした場合
艶なし塗料で外壁塗装をした場合は、落ち着いた感じに仕上がるでしょう。
また、和風建築によく使われる漆喰(しっくい)や砂壁のような外壁は、艶あり塗料は似合いません。
さらに、築年数が古く、それが魅力のひとつになっている建物も艶あり塗料を塗ってしまうと、雰囲気を壊してしまうでしょう。ただし、艶なし塗料は艶あり塗料に比べて耐久性がありません。
というのも、艶なし塗料は艶あり塗料に「艶消し剤」というものを入れて作ります。
ですからその分耐久性が下がるのです。
また、艶がない分汚れもつきやすいといわれています。
ですから、艶あり塗料よりも寿命が短くなる可能性が高いでしょう。
幹線道路沿いや砂ぼこりが舞うむき出しの土地の近くなど、外壁が汚れやすい立地条件に建つ家の外壁を艶なし塗料にした場合は、頻繁に塗り直す必要が出てきます。
2-3.3分艶・5分艶という塗料もある
- 艶がありすぎると上品ではなくなるから、できるだけ艶のないものを使いたい。
- でも、できるだけ耐久性の高い塗料が欲しい。
という場合は艶を3分、5分だけだした塗料もあります。
艶を抑えて上品さが出るので歴史ある建造物や汚れやすい場所に建っている和風建築の外壁塗装でも使えるでしょう。
ただし、このような艶を少しだけ残した塗料というのは、価格が高価になりがちです。
また、どんな業者でも扱っているわけではありません。
ですから、艶をある程度消した塗料を使いたい場合は、業者とよく相談しましょう。
また、呼び方にも注意が必要です。
3分艶という場合、大抵3分だけ艶を残した塗料という意味でとらえてくれます。
しかし、業者の中には3分だけ艶を消した塗料ととらえられてしまうのです。
ですから、意志の疎通はしっかりさせておいてください。
3.外壁の素材によっても塗料を使い分けよう
外壁には、モルタルや漆喰(しっくい)、サイディングなどがあります。
サイディングはものにもよりますが、外壁素材自体がつるつるしたものであることも多いです。
そんなサイディングに艶あり塗料で、しかも明るい色にぬってしまうと余計に光沢が出てつやつやした感じになってしまいます。ですから、サイディング素材の外壁は暗い目の色にするか、艶をある程度抑えた塗料を塗りましょう。
逆に、モルタルは元の素材がざらざらしていますから、艶あり塗料を塗ってもそれほど目立つことはないでしょう。
4.外壁塗装で失敗しないコツとは?
では、外壁塗装で失敗しないコツはあるのでしょうか?
この項では、外壁塗装で失敗しないように気をつけるポイントをご説明します。
4-1.艶ありは暗めの色、艶なしは明るめの色を選ぶとよい
つやつやてかてかした素材の代表といえば、エナメルを思い浮かべる人も多いでしょう。
エナメルは靴などに利用されることが多いので、カラーバリエーションも豊富です。
エナメルを色別に見た場合、ピンクやベージュなど薄くて華やかな色ほど艶があるように見えます。
というわけで、艶あり塗料を使い薄い色で仕上げると、艶が増して見えるでしょう。
外壁素材がサイディングならなおさらです。
ですから、艶あり素材で仕上げるならできるだけ暗めな色に。
艶なし塗料で仕上げるなら明るめな色を選んでください。
ただし、真っ黒は光沢が増して見えるので注意が必要です。
また、日本では薄いブルーや紫といった個性的な外壁の色は好まれない傾向にあります。
そのような色でしかもつやつやした塗り上がりになってしまった場合は、ご近所から苦情が来るかもしれません。
4-2.必ず大きい見本を見せてもらおう
外壁を塗り直す際、どの業者も見本を持参します。
しかし、色というのは大きな面積に塗るほど明るく見えるのです。
「前の外壁が暗めな色だったので、今度は明るめの色にしたい」と思っても、希望よりも一段階暗い色調のものを選んでください。
外壁に塗ればちょうどよくなります。
また、艶による光沢の効果も忘れずに。
真っ白でつやつやピカピカした家などになってしまうと、なんとなく安っぽく見えるでしょう。
落ち着いた艶あり加工に仕上げたい場合は、ブラウンやグレーなどがお勧めです。
特に、ブラウンの艶ありは上品な仕上がりになります。
おわりに
いかがでしたか?
今回は外壁塗装に使われる塗料の、艶あり・艶なしの違いについてご説明しました。
まとめると
- 艶ありの塗料で仕上げると、つやつやピカピカした仕上がりになる。
- 艶あり塗料は新品のような感じに仕上がるが、光沢がありすぎると下品に見える。
- 艶なし塗料で仕上げると、落ち着いた感じになる。
- 艶消し塗料は塗り直したかどうかが分かりにくいうえ、寿命が短くなる。
- 3分艶、5分艶といった艶を抑えた塗料もある。
ということです。
しかし、光沢がありすぎる場合も3年もすれば艶なしの塗料と大差がなくなります。
ですから、色塗りの失敗よりもダメージが少ないでしょう。
しかし、技術が未熟な業者に依頼すると、今度はむらが目立つかもしれません。
ですから、外壁塗装はできるだけ実績のある業者に依頼しましょう。
そうすれば、時間がたって艶が落ちたからといって極端に古びて見えるということはありません。