タイル浮きの症状や補修方法は? 症状別補修方法を解説!
タイルは、内装から外壁まで幅広い場所で使われている外壁素材です。組み合わせによってはオシャレに家を装飾できるので人気がある一方、経年によるタイル浮きに悩まされるケースも珍しくありません。「タイル浮きを補修したいが、業者探しに難航している」という人もいるでしょう。
今回は、タイル浮きの補修方法やタイル浮きの原因や症状を紹介します。
この記事を読めば、タイル浮きの補修にかかる費用や業者の選び方なども分かるでしょう。タイル浮きの補修方法を知りたい人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.タイル浮きの原因や症状
はじめに、タイル浮きが発生する原因や代表的な症状、それによって起こる弊害を紹介します。
1-1.タイル浮きは経年劣化によって起こる
タイル浮きとは、タイルが下地から浮いて剝がれてしまう現象のことです。タイル浮きには2種類あり、タイルが下地から浮くのが「陶片浮き」、下地のモルタルが外壁から浮いているのが「下地浮き」となります。築20年以下の建物は建築方の進化により、下地のモルタルがあるものがほとんどありません。ですから、下地浮きが起きるのは、築20年以上の古い建物です。
一方、陶片浮きは築10年未満の建物でも起こる可能性があります。タイル浮きは、経年劣化で起こることが多いものですが、そのほかに、タイルの破損や災害で外壁にダメージを受けたときに起こることもあるでしょう。
1-2.タイル浮きは外壁で起こりやすい
タイルは、外壁にも内装にも使われます。タイル浮きも内装・外壁供に起こる可能性がありますが、雨風にさらされる外壁に起こることが多いでしょう。特に、ひび割れが入っているタイル外壁はタイル浮きも発生している可能性が高くなるのです。
1-3.タイル浮きが進行するとタイルが剝離する
タイル浮きは、文字どおりタイルが下地から浮いてしまう症状です。この症状を放置していれば、やがてタイルが剝離してしまいます。タイルは、1枚剝がれると連鎖的に剝離が起こりがちです。また、高い場所でタイル浮きが起こると、剝がれたタイルが通行人に当たって怪我をすることもあるでしょう。
1-4.タイル浮きの代表的な症状
タイル浮きが疑われるのは、以下のような症状です。
- タイルがほかの場所より飛び出て見える
- タイルの目地が剝がれてくる
- タイルを押すと動く
- タイルにひびが入っている
このような症状が認められる場合は、できるだけ早くタイルの補修を請け負っている業者に検査を依頼しましょう。
2.タイル浮きの補修方法
この項では、タイル浮きを補修する方法や自分でできることなどを紹介します。
2-1.応急処置ならば自分でも可能
タイルが完全に剝離してしまった場合、連鎖的にほかのタイルまで剝離するのを防ぐために、ホームセンターでタイル用の接着剤を使って貼り付ける応急処置は行えます。ただし、これはあくまでも応急処置です。必ず専門業者に検査と補修を依頼しましょう。
2-2.タイル浮きを調査する方法
タイル浮きの調査方法は、打診調査や赤外線調査などがあります。赤外線調査は、赤外線で外壁を確認し、温度変化から浮きをチェックする方法です。短時間で広範囲をチェックでき、費用も安価な一方で、天気や気候によっては浮きを見逃してしまうこともあるでしょう。打診調査は、打診棒という専門道具でタイルを叩いて浮きを調査する方法です。時間がかかり費用も赤外線調査に比べて高価ですが、打診調査を行えば、浮きがどのような状態で起こっているかまで分かります。築20年以上の建物で、一度も外壁補修をしていないタイル外壁の建物は、打診調査がおすすめです。
2-3.プロの業者が行うタイルの補修方法
プロの業者が行うタイルの補修方法は、以下のようなものがあります。
- ボンド ピンニング工法:タイルとモルタルの間に樹脂を注入する方法。工事が短期間で終わる
- ボンド CPアンカーピン工法:接着剤だけでなく、アンカーピンを外壁とモルタルの間に打ちこんで安定を図る方法。再剝離が起こりにくい
- タイル張り替え工法:陶片浮きに用いる工法で、タイルを貼り直す工法
- ボンド MGアンカーピン工法:特殊なアンカーピンで陶片浮きしたタイルとモルタルを同時に外壁へ留め、樹脂を充てんする工法。タイル張り替え工法に比べて安全性が高い
どの工法を選ぶかは、業者と相談して決めましょう。費用は、樹脂を注入する方法が最も安く、アンカーピン工法、タイルの張り替え工事の順で高くなります。浮きの補修工事は1か所当たり1,000円~が相場ですが、多くの場所で浮きが見つかれば、それだけ費用は高くなるでしょう。
3.タイル浮きの補修業者を選ぶポイント
この項では、タイル浮きの補修を依頼する業者を選ぶポイントを紹介します。
3-1.打診棒調査を行ってくれる業者に依頼する
築20年までのタイル外壁は、陶片浮きしか起こらないことがほとんどですが、築20年を超えるタイル外壁の場合は、タイルと外壁の間にあるモルタルが外壁から離れてしまう下地浮きが起こることもあります。ですから、古い建物ほど打診棒調査を行ってくれる業者に依頼しましょう。
3-2.実績と口コミで業者を選ぶ
いくら費用が安くても、すぐにタイル浮きが再発したのでは意味がありません。業者は実績と口コミで長期間にわたりよい評判がある業者に依頼しましょう。アフターケアが充実している業者もおすすめです。可能ならば、複数の業者から見積もりを取り、内容を比べてみてください。補修費用の相場が分かります。極端に費用が安い業者や見積もりの作製がいいかげんな業者は依頼しないほうがいいでしょう。
3-3.足場を組まなければ費用が節約できる
タイル浮きの補修は、多くの業者が足場を組んで行います。足場を組んで壊すのだけでそれぞれ1日かかるほか、足場をたくさん組むほど費用がかかるでしょう。オフィスチャンプが行っている足場を組まない工法ならば、費用が節約できるだけでなく、足場を組めない場所のタイル浮き補修工事も行えます。費用を節約したい人におすすめです。
4.タイル浮きに関するよくある質問
この項では、タイル浮きに関する質問を紹介します。
Q.タイル浮きははっきりと症状が出るようになってから業者に補修を依頼しても大丈夫ですか?
A.タイル浮きは場所によっては分かりにくいので、症状が出てからやっと気づくことも珍しくありません。外壁高所のタイル浮きは、できるだけ早く業者に連絡し、剝離に備えて対策を取りましょう。
Q.どんなに広範囲にタイル浮きがあっても連続した場所なら1か所とカウントされますか?
A.いいえ。タイル1枚が1か所に当たります。
Q.タイル浮きの補修工事はどのくらいの期間で終わるのですか?
A.浮きの範囲にもよりますが、何か所もあるなら1週間は優にかかるでしょう。
Q.足場を組まなければどのくらい費用が節約できますか?
A.マンションならば、数十万円の節約になるでしょう。
Q.タイル浮きは築何年くらいから起こりますか?
A.一概には言えませんが、10年前後から起こる確率が上がり、築15年の建物になると軽度なタイル浮きが見られる可能性が高まるでしょう。また、台風などの自然災害が起こると築浅の建物でもタイル浮きが起こりやすくなります。
まとめ
今回はタイル浮きの原因や対処方法を紹介しました。個人でできるのはあくまでも応急処置です。タイル浮きが疑われる場合、できるだけ早く業者に連絡し、剝離が起こる前に対策を行いましょう。