家庭にも地球にも優しい。外張り断熱リフォームを検討してはいかが?

住まいを外側からすっぽり包んで断熱する外張り断熱工法。断熱性能の高さが理解されて、近年、日本でも徐々に増えてきています。外張り断熱にすれば、どんな効果があるのでしょうか、従来の断熱工法と、どう違うのでしょうか。外張り断熱工法のこと知ると、「なるほど」とうなずける利点がいっぱい。住まいのリフォームに合わせて、あなたも外張り断熱工法を検討してみませんか?

  1. 外張り断熱工法とは
  2. 外張り断熱工J法のメリット
  3. 外張り断熱工法の注意点
  4. 外張り断熱工法の費用相場
  5. 外張り断熱リフォームをお考えの方に
  6. まとめ

1.外張り断熱工法とは

1-1.木造住宅向けの外断熱工

建物の断熱工法には、2種類あります。外断熱工法と内断熱工法です。外張り断熱工法とは、主に木造住宅における外断熱工法のことをいいます。住宅の壁の外側に断熱材を切れ目なく貼り、その上からサイディングなどの外装材を施工していく工法です。
アメリカなどの住宅では外断熱工法は古くから採用されてきました。一般的な断熱工法です。しかし、日本では内断熱工法が主流になっています。でも、最近、北海道などの寒冷地で普及してきました。断熱性能が内断熱工法より高いからです。

1-2.高い断熱性能で地球環境にも優しい

外張り断熱工法による一番の効果は、断熱性能が高いので省エネルギーになる点です。地球温暖化防止対策を始め、地球環境に優しい工法といえるでしょう。省エネ効果以外にも、さまざまなメリットがあります。一方、外張り断熱工法にする場合、注意すべき点(デメリット)もあるのも確かです。以下、内断熱工法と比較しながら紹介します。

2.外張り断熱工法のメリット

2-1.省エネ環境に優れた住まいになる

魔法瓶のように住宅の外側を断熱材で覆うので、夏は涼しく冬は暖かい住まいになります。その分、冷暖房費が安くなり、光熱費も軽減されるでしょう。家計にも地球にも優しい省エネ住宅です。

2-2.結露を防ぎ住まいの耐久性が高まる

外張り断熱工法は、壁・柱の外側で断熱するので、夏・冬を通じて室内と壁の中の温度差が少なくなります。このため、内断熱工法のように壁の中に結露が生じる可能性が低くなり、柱の腐食の心配もほとんど不要です。したがって、住まいの耐久性が高めることができます。当然、資産価値も上がるでしょう。

2-3.健康で快適な住宅になる

結露が原因でカビやダニが発生し、アトピー症状やぜん息などの健康被害を受ける住まいが増えているといわれています。外張り断熱工法にすることで、快適で健康的な生活を取り戻すことが可能です。実際に外張り断熱でリフォームしたことにより、こうした健康被害が改善されたという例も増えてきました。

2-4.空間の有効利用になる

従来の内断熱工法は、柱と柱の間に断熱材が入っています。外張り断熱だと、従来はデッドスペースだった柱と柱の間を有効利用でき、空間を自由に使うことが可能です。収納や棚などに利用するといいでしょう。室内空間も広がります。

2-5.気密性が高まる

外側から隙間なく断熱できるので、簡単に気密性を高めることができます。内断熱だと、一般的に柱や梁(はり)に断熱されていません。気密性を高めるには、限界がありました。外張り断熱工法は、ボード状の断熱材を外側から貼り、継ぎ目に気密テープを張るだけで気密施工が完了するので、隙間が開いて湿気が壁の中に入る可能性を軽減できます。

3.外張り断熱で注意すべき点

3-1.通気や換気対策を十分にすること

メリットとしてあげた気密性の高さは、同時に室内に湿気がたまりやすいという一面をもっています。このため通気や換気のことを十分に考えることが大切です。ただし、外壁を2重にして通気を確保する工法などが開発され、対策は進んできています。

3-2.外装材選びに気をつける

外張り断熱工法に使われる外装材には、窯(よう)業系サイディングや金属系など。外装材をビスなどで留(と)めて固定するのが一般的です。ところが、重い外装材では、経年変化による老朽化や地震でビスがゆるみ、落下するという事故も起きています。外装材選びは慎重にしましょう。

3-3.外張り断熱工法にも性能の差がある

外張り断熱工法の断熱性能が高いのは事実ですが、すべて同じ性能ではありません。設計や施工の仕方によって、大きく変わってきます。優秀な外張り断熱工法の住宅があれば、及第点に届くか届かないような住宅もあるということです。性能は、使用する素材を間違えたり、工程の方法がよくなかったりすると変わってきます。思ったほど断熱の効果が得られなかったり、あとで外装材が落下してしまう事故につながったりすることも。十分に注意してください。

4.外張り断熱工法の相場

外張り断熱工法は、外側に断熱するため施工工程が増えて、内断熱工法より割高になります。この点が、外張り断熱がまだ少ないことの一因です。
あるメーカーの外張り断熱工法の場合、延べ床面積110㎡の木造住宅で、断熱材の材料費は約97万円。実際には材料費に加えて施工費や仮設費用などがかかります。すると、100万円をはるかに超えるでしょう。また、外壁リフォーム会社によると、「工事規模にもよるが、200~400万円程度は見ていただきたい」とのことです。相場は明確にいえませんが、内断熱工法より10%~20%くらい高くなるといわれています。

5.外張り断熱リフォームをお考えの方に

外張り断熱工法は、内断熱工法より事例が少ないこともあり、熟練した職人や施工できる会社が少ないのが現実です。重要なことは、チラシなどに迷わされず、施工実績が豊富なリフォーム会社に依頼すること。施工がきちっとしていれば、省エネ性能が高い快適なリフォームができるはずです。
リフォーム会社には、工事の際に足場をかけずに外壁リフォームができる技術をもった会社もあります。足場をかけないため、その分、工事費を安くすることができるのは魅力的です。それに、足場をかけないのですから、工事中に眺望・採光・通風が阻害される心配もありません。外張り断熱リフォームをする際、業者選びのポイントの1つです。

6.まとめ

外張り断熱工法には、どんな効果があり、これまでの断熱工法とはどこが違うのかを5つのメリットを中心に紹介しました。
メリットは次の5つです。

  • 省エネ環境に優れた住まいになる
  • 結露を防ぎ住まいの耐久性が高まる
  • 健康で快適な住宅になる
  • 空間の有効利用になる
  • 気密性が高まる

また、注意すべき点としては以下の3つがあります。

  • 通気や換気対策を十分にすること
  • 外装材選びに気をつけよう
  • 外張り断熱工法にも性能の差がある

外張り断熱工法と内断熱工法。どちらが優れているとはいいきれません。それぞれにメリットとデメリットがあります。断熱性能なら外張り断熱工法ですし、割安に仕上げたいという場合は、内断熱工法でしょう。いずれにしても、大事なことは、きちんと施工できる会社選びをすることです。もし、できるだけ快適で省エネの住まいにしたいというのであれば外張り断熱工法、そして外張り断熱工法の実績が豊富な会社をおすすめします。

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