壁が汚れた、穴が開いた!補修や修理方法は?DIYでどこまでできる?
内壁や外壁は、家の印象を決める大切な場所です。
面積が広いので目につきやすく、傷や汚れが目立つと築年数が新しくてもうらぶれた感じを与えるでしょう。
さらに、壁の穴や傷、汚れを放置していると家そのものが傷んでしまいます。
そこで、今回は壁の修理や補修の方法やタイミングをご紹介しましょう。
今はDIYで外壁や内壁を修理したいという方も増えていますが、どこまで素人で補修や修理が可能か、ということもご説明します。
壁の補修や修理はなかなかタイミングがつかみにくいもの。
しかし、この記事を読んで目安が分かれば「ほうっておき過ぎて、家まで傷んでしまった」というような事態を防げます。
そろそろ壁の汚れが目立ってきたというお宅にお住まいの方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.内壁の種類と耐久性について
まず始めに、内壁の種類とそれぞれの特徴や耐久性をご紹介します。
家が建てられた年代によっても、特徴が違うのです。
1-1.壁紙
最もスタンダードな壁です。
下材の上にクロス(壁紙)を張って仕上げるもので、クロスの種類により、耐水性や防臭、防カビ効果も期待できるでしょう。
クロスの種類はビニール、紙、布があり、模様や色もさまざまです。
クロスを張り替えただけで、部屋の雰囲気ががらりと変わるでしょう。
どんな部屋にも合い価格も安価ですが、環境によっては数年ではがれたり、汚れたりします。
クロスごと壁に穴があいたりへこんだりすることも珍しくありません。
ですから、ほかの内壁より修理サイクルが短くなりがちです。
1-2.塗り壁
しっくいや珪藻土(けいそうど)、土壁、ブラスターなど左官塗り工法によって仕上げられる壁です。
一般的に一番上の層に塗る素材(仕上げ塗り)によって種類が決まります。
日本で発達した技法なので、調湿性・断熱性・防火性・防音性にすぐれており、「呼吸する壁」ともいわれているのです。
壁紙と違って継ぎ目ができず、接着に化学物質も使っていないため、健康志向の方にも人気があります。
また、塗り方によって同じ種類の壁でも違った表情が生まれるでしょう。
寿命も壁紙よりは長いです。
しかし、費用が高価で完成までに時間がかかります。
さらに、マンションなど集合住宅では施工が難しいケースもあるでしょう。
1-3.コンクリート
デザイナーズ物件などでよく見られる素材です。
1980年代~90年代にかけて、コンクリート打ちっぱなし物件というのが流行しました。
雑誌などで特集され、あこがれた方もいるのではないでしょうか?
コンクリートは外壁にも使われる素材ですので、長持ちします。
しかし、築25年以上たったコンクリートの内壁物件というのは、中に断熱材が入っていないものが多いのです。
そのため結露がひどく傷みが早いものもあるでしょう。
また、中にはコンクリートの内壁の上に直接壁紙を張り、一見するとコンクリート壁と分からない物件もあります。
1-4.そのほか
水回りの壁に使われるタイル。温かみを感じられる木材などが使われていることもあります。
タイルや木材はとてもオシャレですが、使う場所によっては手入れが大変になることもあるでしょう。
2.内壁に起こりがちなトラブル
この項では、内壁に発生しがちなトラブルについてご紹介します。
放っておくとどうなってしまうのでしょうか?
2-1.内壁の破損について
コンクリート以外の内壁は、強くたたいたりものをぶつけたりすると破損します。
壁紙の下には隙間がありますので、穴が開いたりへこみができてしまうことも珍しくないでしょう。
また、塗り壁は引っかいたり経年によってはがれ落ちたりします。
コンクリートにも同様のことが起こる可能性があるでしょう。
また、湿度が高い部屋の場合はどんな素材の壁でもカビが生える恐れがあります。
2-2.汚れが取れなくなることもある
内壁は一部を除いて丸洗いなどできませんので、汚れが落ちなくなるときもあります。
汚れというと、壁紙の内壁につきやすいというイメージがありますが、塗り壁やコンクリート、さらに木やタイルも汚れが取れなくなることもあるのです。
2-3.賃貸物件と持ち家の補修方法の違い
持ち家の場合は自分で自由に修理ができます。
賃貸物件の場合は、いくら汚れても壊しても内壁を自分で修理してはいけません。
これをやってしまうと、退去するときに「原状回復」を求められることもあります。
ですから、賃貸物件の場合は、壁に画びょうを刺すのも可能な限り避けましょう。
賃貸物件で内壁を破損させてしまったりカビや汚れがひどくなったりしたら、大家や管理会社に連絡してください。
自分のミスで破損させたり汚してしまったりした場合は実費になりますが、経年劣化による破損や汚れの場合は管理会社や大家の負担で直してもらえます。
2-4.補修とリフォームの違い
内壁の補修というのは、破損した箇所だけ直すことです。
たとえば、壁紙が経年劣化などで一部だけはがれ落ちた、汚れた部分だけ張り替えたいという場合は、補修になります。
自分で補修をできる道具がホームセンターに売られていますし、塗り壁などもごく小さい傷ならば、パテなどで補修が可能です。
リフォームというのは、全面的に内壁を塗り替えたり張り替えたりすること。
コンクリートの壁や塗り壁に壁紙を張る場合もリフォームになります。
素人でもできますが、プロに頼んだ方がきれいに仕上がるでしょう。
3.DIYで内壁はどこまで直せるの?
今は、補修キットなども充実していますので壁紙の補修を自分で行うという方も少なくありません。
手のひらサイズくらいの壁紙のはがれや汚れた部分の張り替えくらいならば、素人がやっても問題ないでしょう。
また、ごく小さい塗り壁やコンクリートの傷を埋めるパテなども販売されています。
補修の仕方の動画なども公開されていますので、それを参考にしてもよいでしょう。
ただし、補修範囲が広くなるほど素人では対処が難しくなります。
また、破損具合から補修で済むのかそれともリフォームが必要なのかは、素人では判断がつきません。
そのため手のひらのサイズを超える傷や汚れ、壁紙のはがれなどはプロの業者に見てもらった方がよいでしょう。
見よう見まねで素人が修復すると、かえって悪化してしまうこともあります。
4.外壁の種類とそれぞれの特徴
この項では、外壁の種類とそれぞれの特徴をご紹介します。
外壁も内壁と同じようにたくさんの種類があるのです。
4-1.モルタル
砂とセメントを混ぜ合わせて、水で希釈した外壁材です。
20年ほど前まではモルタル壁が木造住宅の外壁の主流でした。
今でも築20年以上の物件はモルタル外壁のところが多いでしょう。
耐久年数は8年~10年で、経年とともにひび割れができたり、表面がはがれたりしてきます。
4-2.サイディング
薄いボード状の外壁材です。
窯業系、金属系などいろいろな種類がありバラエティーに富んだ外壁が作れます。
新築一戸建ての外壁はほとんどこのサイディングボードになりつつあるのです。
また、耐久性もモルタルより高く10年~15年は持ちます。
薄い素材を接着剤で外壁に張りつける工法ですので、経年によってコーキング(接着剤)が劣化し、そこから雨水や湿気などが入って劣化することが多いでしょう。
4-3.塗り壁
珪藻土(けいそうど)やしっくいなどは、内壁ではなく外壁にも使えます。
防水性、防カビ性、防湿性にすぐれ、「呼吸する壁」ともいわれているのです。
純日本風家屋や蔵などに使用されることが多いでしょう。
耐久性も高く15年以上持つ場合もありますが、サイディングやモルタルに比べてはるかに費用がかかります。
また、地震などが起こると壁ごとはがれ落ちることもあるでしょう。
4-4.コンクリート
最も強度の高い外壁素材です。通常、マンションや高層ビルなどに使われていますが、コンクリート外壁のデザイナーズ住宅もあります。
15年~25年ほど耐久性がありますが、一度劣化してしまうと大規模修繕が必要になるでしょう。
ですから、コンクリート打ちっぱなし一戸建ては建築費だけでなく維持費もかかるのです。
4-5.そのほかの外壁素材
古い住宅になると、しっくいや珪藻土(けいそうど)以外の土壁、木材、レンガ、タイルなどがあります。
最近はレンガ風、タイル風のサイディングボードが主流ですが、こだわりがある方などは本当のレンガやタイルを使ったりもするでしょう。
この場合は、経年によって接着剤がゆるんでレンガやタイルが落下する危険性があります。
土壁や木材壁の場合は防水機能が弱くなると「壁から雨もり」が起こる心配もあるでしょう。
5.外壁のトラブル
この項では、経年などによって起こりがちな外壁トラブルについてご紹介します。
お心当たりがある方は、できるだけ近いうちに業者に点検してもらいましょう。
5-1.どうして外壁は劣化するのか?
外壁は家の外側で雨風から家を守る役割を担っています。
常に雨風にさらされていますから、内壁に比べるとどうしても劣化は早いでしょう。
また、外壁自体に防水効果はありません。
外壁塗料に防水や防塵、防湿などの機能があるのです。
ですから、外壁塗料が劣化するとそのまま外壁が劣化してしまいます。
塗料がはがれているのをそのままにしておくと、外壁劣化が加速するでしょう。
また、前述したようにサイディングの場合は接着剤が劣化すればそこから雨水が入り、劣化が進みます。
さらに、太陽光に含まれる紫外線も外壁を劣化させる原因のひとつです。
つまり、外壁は家が建った瞬間から劣化が始まり、どんなに穏やかな気候の場所であっても、劣化は避けることはできません。
5-2.外壁が劣化すると起こる現象
外壁が劣化してくると、最も起こりやすい現象はひびです。
外壁は温度によって膨張と伸縮をくりかえすので、どうしてもひびは入ります。
外壁塗料だけがひび割れている場合もありますし、その下の外壁自体にひびが入る場合もあるでしょう。
また、前述しているように接着剤が劣化してもひびが入ります。
ひびが入る前に、「チョーキング」という現象が起こることもあるでしょう。
これは、外壁をこすると白い粉のようなものが手につく現象のこと。
これが起こりはじめるのは、外壁が劣化してきたあかしです。
これらの現象をそのままにしておくと、やがて外壁のはく落が始まります。
特に、サイディングやタイル、レンガなどははく落すると大きな被害が出ることもあるでしょう。
5-3.外壁の劣化を放置しておくと……?
外壁の劣化を放置しておくと、外壁の内部までカビが生えたり壁から雨もりが起こったりします。
雨もりというと屋根から発生するというイメージがありますが、壁からも起こるのです。
壁からの雨もりは、じわじわと染みこむように起こるので、部屋にまで雨水が染みこむようになったときには、壁全体が水浸しになっているということも珍しくないでしょう。
ここまでになってしまうと、大規模な修繕が必要です。
5-4.外壁トラブルはどこまでDIYで直せるのか?
最近は、外壁塗料の塗り直しなどもDIYで行う人がいます。
外壁は広いですが平面ですので、塗料を塗るだけなら決して難しくはありません。
ただし、外壁塗料は普通の水性ペンキとは全く違うのです。
外壁塗料は一定の厚みを持たせないと、防水や防湿などの効果を発揮しません。
また、外壁塗装をする際は一度汚れをきれいに落とし、下塗り、中塗り、上塗りと塗装を重ねていかなければならないのです。
ですから、素人が1日で行おうと思っても無理でしょう。
DIYでできる範囲は、コーキングの小さなひび割れをふさいだり、塗料の薄い割れを塗装でふさいだりするくらいになります。
それ以上の劣化は、専門家の手を借りましょう。
ここでお金を節約しようとがんばっても、きちんと対処しなければ後で余計なお金がかかるだけです。
6.外壁補修業者の選び方
外壁補修を行っている業者はたくさんあります。
注意しなければならないのが、塗装業者と補修業者を間違えないこと。外壁塗装だけを行っているという会社もあります。
今は、ホームページを持っている会社も多いですから、業務内容をよく確認してください。
見積もりや点検が無料、もしくは格安というところが多いので、下見や見積もりを出してもらいましょう。
時間に余裕があるのならば、数社比較しても構いません。ただし、契約を急がせるような業者はやめましょう。
今ならキャンペーンで数十万円引き、といってくる業者もいますが、工事費がいくらになるか明確にしていなければ、割高なお金を払わされるかもしれません。
できれば、口コミなども調べておけば完璧です。
また、業者によってはアフターフォローが充実しているところもありますので、そのようなところに依頼できれば、5年後、10年後も安心。
まとめ
いかがでしたか?今回は内壁、外壁を修理したり補修したりする方法をご紹介しました。
壁が家の印象を決めるだけでなく、寿命を左右するとても大切なものです。
劣化してきたなと思ったら放置せず、早く専門業者に見てもらいましょう。処置が早いほど費用も少なくて済みます。