外壁タイルのメンテナンスが重要な理由は? 〜メンテナンス方法など〜

なぜ外壁タイルのメンテナンスが必要なのか、メンテナンスをしなければどうなるのか……など、外壁タイルのメンテナンスなどで悩んでいる方は多いでしょう。きちんと必要な理由を把握しておけば、外壁タイルの魅力を最大限に生かすことができます。また、外壁タイルの美しさを長く保ち続けることもできるのです。

本記事では、外壁タイルのメンテナンス方法などについて詳しく解説します。

  1. 外壁タイルのメンテナンスが重要な理由
  2. 外壁タイルに起こり得るトラブルは?
  3. 外壁タイルのメンテナンス方法
  4. 外壁タイルのメンテナンスを業者に依頼するコツ
  5. 外壁タイルのメンテナンスに関してよくある質問

この記事を読むことで、外壁タイルのメンテナンスが重要な理由や業者に依頼する際のポイントなどが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.外壁タイルのメンテナンスが重要な理由

まずは、外壁タイルのメンテナンスが重要な理由をチェックしておきましょう。

1-1.モルタルの目地・下地の劣化を抑えるため

外壁タイルは石や砂といった無機物が混ざっている外壁材なので、耐候性がとても高いという特徴を持っています。さらに、1300℃近い高温で焼き固められるため、対傷性に優れており、メンテナンスフリーであることが大きな特徴です。けれども、外壁タイルの下地であるモルタルが硬化してしまうため、10年に1度はメンテナンスをしていかねければなりません。モルタルの目地や下地が劣化してしまうと、ひび割れが発生したり、すき間ができて水漏れの原因になったりする恐れがあります。

1-2.目地のコーキングも劣化してしまう

外壁タイルのメンテナンスが必要な理由は、目地のコーキングも大きく関係しています。劣化するのは外壁タイルの下地だけではありません。タイトル同士のすき間を埋めるためのコーキングも経年劣化しやすく、いつの間にかひび割れが起きたり室内に水漏れが発生したりすることもあります。目地に使用しているコーキングの劣化を抑えるためにも、定期的なメンテナンスが必要です。

1-3.耐久性と美しさを保ち続けるため

タイル自体の耐久性や耐候性は優れていますが、永久的なものではありません。紫外線やホコリなどでタイル自体が汚れたり、浮きや剝がれが発生したり、メンテナンスを怠っているとさまざまなトラブルが発生しやすくなります。それらのトラブルを未然に防ぐためにも、定期的な外壁タイルのメンテナンスが必要です。外壁タイルの耐久性と美しさを保ち続けたい方は、10年に一度のメンテナンスを心がけましょう。

2.外壁タイルに起こり得るトラブルは?

ここでは、外壁タイルに起こり得るトラブルをいくつか紹介します。

2-1.タイルの浮きと剝がれ

外壁タイルでよくあるトラブルとして、タイルの浮きと剝がれがあります。ほとんどの原因は自然環境の影響で、昼夜の寒暖差・雨風・熱や吸水による膨張などで浮きと剝がれが起きてしまうのです。特に、寒冷地の場合、浮きや剝がれが発生した場所から水分が浸入してしまい、凍結・融解でタイルが膨張と収縮をくり返します。その結果、タイルの付着力がさらに低下し、剝がれやすくなってしまうというわけです。高所からタイルが落下してしまうと、通行人に当たってケガをしてしまう恐れがあるので注意しておかなければなりません。

2-2.タイル自体がひび割れを起こすことも

耐候性・耐傷性が高いタイルですが、タイルそのものにひび割れが発生することもあります。たとえば、外部からの強い衝撃を受けたケースです。強い衝撃を受けるとタイル自体に欠けや割れが怒ってしまい、そこから水分が浸入してしまいます。前述したように、水分が浸入するとタイルが付着力を失い、剝がれにつながってしまうのです。タイル自体がひび割れを起こしている場合は、早急に補修する必要があります。

2-3.タイルの汚れと目地の劣化

タイルの汚れと目地の劣化も、トラブルでよくある症状です。先ほど説明したタイルの浮き・剝がれ・破損は劣化症状がみられたらすぐに補修しなければなりませんが、タイルの汚れと目地の劣化は定期的なメンテナンスで補うことができます。タイルは汚れにくい外壁材として知られていますが、それでも10年経過すると汚れがたまってしまうものです。汚く黒ずんだタイルは悪い印象を周囲に与えてしまうため、早めにきれいにすることをおすすめします。また、目地がひび割れを起こしていたり、劣化したりしている場合も補修が必要です。

3.外壁タイルのメンテナンス方法

ここでは、外壁タイルのメンテナンス方法を解説します。

3-1.モルタルの補修

目地や接着面のモルタルが劣化している場合は、モルタルを補修する必要があります。軽度のひび割れを起こしている場合はエポキシ樹脂でひびをふさぐのが基本です。モルタルを打ち増しすることで対処できますが、すでにタイルが浮いてしまっている状態ならピンニング工法を用いることになるでしょう。ピンニング工法とは、浮きが生じたモルタルの剝落を防ぐための工法です。エポキシ樹脂系注入材とステンレスピンを併用し、躯体と仕上げモルタルの接着を行います。ただし、タイル自体が大きく浮いてしまっている場合は、タイルを一度剝がして接着用のモルタルで張り直さなければなりません。

3-2.タイルの交換

先述したように、タイル自体が完全に浮いている・欠けている・割れている・剥がれ落ちてしまったという場合は、新しいタイルへの交換が必要です。コストはかかってしまいますが、メンテナンスをしていなかったケースは全体的にタイルを交換しなければならなくなるでしょう。総張り替えになることもあれば、必要な箇所だけに新しいタイルを張り付けることも可能です。また、下地が傷んでいる場合は、タイル交換だけで補うことはできないため、下地補修も必要になります。

3-3.コーキングの打ち替え

外壁タイルの中で最も傷みやすい箇所になるのが、目地のコーキング部分となります。定期的なメンテナンスを行う場合、傷んでいるコーキング部分を補修しなければなりません。たとえば、ひび割れが起きている場合、コーキングを打ち替えることで元どおりになるでしょう。コーキングの打ち替えは、きちんとした施工をしないとタイルに悪影響を与えてしまうことになります。実際に、施工不良によってコーキングが劣化しやすくなったというトラブルが起きているため、業者選びも大切なポイントです。

3-4.簡単なメンテナンスは高圧洗浄

外壁タイルの簡単なメンテナンス方法は、高圧洗浄です。高圧洗浄は専用機器を使って外壁に付いている汚れやホコリ・藻(も)・カビなどをきれいに洗い流す作業となります。圧力をかけた水が出る高圧洗浄機を活用するため、なかなか落ちない頑固な汚れもきれいに落とすことができるでしょう。外壁タイルのメンテナンス方法の中でも、高圧洗浄は簡単かつ最小限の費用でできる作業となっています。

4.外壁タイルのメンテナンスを業者に依頼するコツ

ここでは、外壁タイルのメンテナンスを業者に依頼する方法やポイントを解説します。

4-1.外壁リフォーム業者に依頼する

一般的に、外壁タイルのメンテナンスや補修は外壁リフォーム業者に依頼することになります。軽度な劣化症状や塗り替えであればDIYでも可能ですが、専門業者に依頼したほうが安全です。自分で補修をした結果、間違った方法でメンテナンスしてしまい、さらに状況が悪化してしまったというケースがよくあります。外壁の状態に合わせたメンテナンス方法が必要になるため、外壁リフォームや補修に長(た)けている業者に依頼するのが安心です。

4-2.外壁調査を行う業者を選ぼう

外壁リフォームを行っている業者はたくさんありますが、中でも外壁調査を行っているかに注目してください。外壁調査とは、外壁が現在どのような状態にあるのか調べる大切な作業です。目視調査のほか、打診調査や赤外線調査などさまざまな方法を用いて、外壁の劣化状態などを把握します。外壁にどのような劣化が起きているかどうかで、メンテナンス方法が変わるため、しっかりと調査を行わなければなりません。外壁リフォーム業者へ依頼する前に、外壁調査を行うかどうか確かめてから依頼しましょう。

4-3.業者選びのポイントをチェック!

外壁調査の有無はもちろんのこと、ほかにも業者選びで押さえておきたいポイントはたくさんあります。どの外壁リフォーム業者に依頼すればいいか分からなくて悩んでいる方は、ぜひ以下のポイントを参考にしてください。

  • 外壁リフォームや補修の実績があるか
  • ホームページ等に施工事例が記載されているか
  • どのような方法で施工するのか詳しく説明してくれるか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 口コミや評判がいいか
  • 無料相談や無料見積もりを行っているか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか

上記のポイントを踏まえた上で、複数の業者を比較するといいでしょう。複数の業者を比較することで、悪徳業者が見極めやすくなります。

4-4.悪徳業者に要注意!

外壁リフォームは、手抜きしやすい工事だといわれているので悪徳業者とのトラブルに注意しておかなければなりません。実際に、悪徳業者による施工不良でトラブルになったり、後で高額な追加費用を請求されたりするなどの問題が発生しています。トラブルを未然に防ぐためには、慎重に業者を選ぶことが大切です。特に、見積書の内容に具体性がなかったり、きちんと説明をしてくれなかったりする業者は悪徳業者の可能性があるので注意しましょう。

5.外壁タイルのメンテナンスに関してよくある質問

外壁タイルのメンテナンスに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.メンテナンスを放置するとどうなるのか?
A.どんどんタイルやコーキング・目地などが劣化してしまい、耐久性や耐候性の効果が落ちてしまうことになります。見た目が悪くなるだけでなく、外壁タイルの機能が十分に発揮できなくなってしまうのです。マンションやアパートに使用している場合、空室が多くなる危険性もあります。きちんとメンテナンスされていない建物は、周囲に悪い印象を与えてしまうので定期的なメンテナンスを心がけましょう。

Q.外壁タイルのメンテナンスにかかる費用はいくらぐらいか?
A.劣化症状や外壁の状態によって、費用は大きく異なります。メンテナンス方法ごとの費用相場は以下のとおりです。

  • 高圧洗浄:200~300円/㎡
  • コーキング打ち替え:700~1,200円/m
  • モルタル補修:500~700円/箇所
  • エポキシ樹脂:500~900円/箇所
  • モルタル左官:1,000~2,000円/㎡
  • 接着剤:500~700円/箇所
  • タイル交換:500~1,000円/枚

Q.外壁タイルの防水効果を向上させるメンテナンスはあるのか?
A.透湿性防水材を使う方法があります。透湿性防水材は水を通さず、湿気は通す性質を持っているのが特徴です。主に木造建築の外壁かつ屋外側に用いられることが多く、外壁タイルに防水材を塗布する際も採用されます。透湿性防水材を使うことで、表面に塗膜を作らずタイルや目地に浸透し水の浸入を防ぐことができるのです。

Q.無足場工法とは?
A.外壁メンテナンスやリフォームをする際は足場を作るのが一般的ですが、足場を作らない方法もあります。それが無足場工法です。足場を作る費用は、外壁リフォーム全体費用の約3分の1~3分の2を占めているといわれています。つまり、足場を作らない工法を採用することで、費用節約につながるというわけです。オフィスチャンプでは無足場工法を用いて外壁リフォームを行っているので、気になる方はぜひ一度お問い合わせください。

Q.メンテナンス費用を抑えるコツは?
A.無足場工法を用いるほか、定期的にメンテナンスを行うことが大切なポイントです。メンテナンスを怠っているほど劣化症状がひどくなるため、費用が高額になってしまいます。けれども、定期的にメンテナンスをしておけば、最低限の費用で抑えることができるでしょう。メンテナンスを怠っている場合は、早めに専門業者へ相談してください。

まとめ

外壁タイルはメンテナンスフリーの外壁材といわれていますが、下地に使われているコーキングなどは劣化してしまいます。劣化症状を放置しているとタイルの浮き・剝がれ・ひび割れが起きてしまうので、10年に一度のメンテナンスが必要です。こまめにメンテナンスをすることで費用を抑えることができますし、より外壁タイルの性能や魅力が発揮しやすくなるでしょう。

工事費の大半を占めていた足場代をカット!工事費の大半を占めていた足場代をカット!