マンションの外壁が劣化しているサインは？ 修繕方法や注意点も解説
マンションの外壁は定期的にメンテナンスすることで長く保ち続けられるものです。メンテナンスや修繕を放置しているとどんどん劣化してしまい、修繕方法や費用も大がかりなものになってしまうでしょう。しかし、どのようなタイミングで修繕すればいいのか・劣化しているサインとはどのような症状なのか、分からずに悩んでいる方が多いはずです。
そこで、本記事では、マンションの外壁が劣化しているサインや修繕が必要な症状などについて解説します。
この記事を読むことで、マンションの外壁が劣化している症状や修繕方法などが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。
1．マンションの外壁が劣化しているサイン
まずは、マンションの外壁が劣化しているサインをチェックしておきましょう。
1-1．外壁のクラック（ひび割れ）
マンションの外壁が劣化するとさまざまな症状が現れますが、中でも特に気をつけておきたいのがクラックことひび割れです。マンションの外壁はほとんどがコンクリートで丈夫に作られています。けれども、コンクリートは永久的なものではなく、打設した後は水分を蒸発させながら硬化が進んでいくものです。水分の蒸発によってコンクリートの表面から少しずつ乾燥し、同時に収縮が起こることでひび割れを誘発します。たった少しのひび割れだとしてもいつの間にか大きなひびとなり、そこから雨水が浸入しては雨漏りにつながるので注意しなければなりません。
1-2．モルタルの浮きや汚れ
マンションの外壁に使用されているモルタルは劣化すると次第に浮き始めます。モルタルの浮きが目立つ場合は、修繕が必要なサインといえるでしょう。そのままモルタルの浮きを放置してしまうと落下事故につながる危険が出てくるので注意しなければなりません。ほかにも経年劣化によって塗膜が剝がれたり、外壁コーキングが劣化していたり、塗装が汚れたりしているのも劣化のサインとなります。
1-3．チョーキング現象と金属部分のサビ
外壁を手で触ってみると白い粉がつくことをチョーキング現象といいます。チョーキング現象が起きている場合、鉄金属の塗装面が紫外線で劣化している可能性が高いでしょう。塗装面が劣化しているからこそ粉末状になってしまうのです。また、マンションの鉄部各所からサビが発生してるケースも劣化のサインといえます。そこから発生したサビが美観を損なったり、さらなる劣化を促進させたりしてしまうので注意が必要です。
2．すぐに修繕が必要な症状は？
ここでは、すぐに修繕が必要な症状について説明します。
2-1．0.3,mm以上のクラック
外壁に0.3mm以上のクラックが起きている場合は早めの修繕が必要です。0.3mm以上のクラックはマンションの防水性が下がっており、さらなるひび割れを誘発してしまう恐れがあります。建物の躯体ともいえる構造部にひび割れが起きている可能性が高く、揺れや振動によって建物にさらに大きなダメージを与えてしまいがちです。0.3mm以下のひび割れはヘアークラックと呼ばれており、早急に修繕しなければならないわけではありませんが業者に相談したほうがいいでしょう。とにかく、ひび割れを見つけた場合は早めに業者へ相談し修繕したほうが安心です。
2-2．鉄筋爆裂
鉄筋爆裂はひび割れや目地などから雨水などが浸入し、内部鉄筋が腐食して爆裂した症状です。すでに、内部鉄筋の腐食が進んでいる症状となるため、早めに修繕しなければなりません。鉄筋爆裂をそのままにしてしまっていると、マンションの耐久性が著しく低下してしまいます。その結果、台風や地震などの災害で倒壊の危険性も高まってしまうのです。さらに、鉄筋爆裂が起きている状態のままでは、そこから鉄筋やコンクリートが落ちている危険性が高まるので注意しなければなりません。
2-3．共有部分の劣化
マンションにはそこで生活している人たちが共有して使う共有部分と居室ごとの専有部分があります。共有部分としてはエントランス・階段・ホール・エレベーターなどが挙げられるでしょう。共有部分の劣化は人が触れる部分が多く劣化しやすい箇所といえます。外壁の劣化症状はもちろんのこと、手すりの部分やコンクリートが剝がれている箇所が共有部分にあればすぐに修繕すべきです。特に、手すり部分が劣化してしまうと住人がケガをする危険があります。大事故が起きないためにも早めの修繕を心がけましょう。
3．劣化したマンション外壁の修繕方法
ここでは、劣化したマンション外壁の修繕方法について説明します。
3-1．高圧洗浄とバイオ洗浄
マンションの外壁にコケや藻が大量発生した場合、高圧洗浄またはバイオ洗浄できれいに落とすことができます。外壁の汚れは劣化スピードを速めてしまう原因にもなるため、定期的に行いたいメンテナンス方法ともいえるでしょう。ちなみに、高圧洗浄は特殊な洗浄機を用いて水を高圧にして出し、外壁のコケや藻・汚れなどを落とす方法です。水だけを使って行う高圧洗浄とは違い、バイオ洗浄はバイオ洗浄液という液体を使います。そのため、高圧洗浄で落ちなかった汚れはバイオ洗浄できれいにするといいでしょう。
3-2．タイルの張り替えやコンクリート補修
マンションの外壁がタイル壁の場合、タイルの欠損・浮き・剥離・ひび割れなどをチェックした後、ダメージがひどい箇所は張り替えによる修繕を行います。既存のタイルを剝がし、新しいタイルを張る方法です。それほど状態がひどくない場合は、浮き部分を固定させたり、浮きや剥離を予防するための工法を行ったりするでしょう。
また、コンクリートのひび割れが起きている場合は、コンクリートの中性化防止のための処理を行うことになります。コンクリートの内部鉄筋や鉄骨のサビを少しでも抑えるための手法です。
3-3．外壁の塗装
外壁の塗膜が劣化している場合は、外壁の塗膜を保護するための塗料を使って塗装を行わなければなりません。外壁塗装のメンテナンス周期は、約10～15年に1回とされています。けれども、建物の周辺環境や使用している外壁材などによっては、もっと早いタイミングで外壁塗装を行ったほうがいいケースもあるので覚えておいてください。ちなみに、マンションの外壁に使用する塗料としては以下のような種類があります。
- アクリル樹脂系塗料
- ウレタン樹脂系塗料
- シリコン樹脂系塗料
- フッ素系塗料
外壁の劣化を防ぐためにも、上記の中ではフッ素系塗料がおすすめです。価格は高めですが、紫外線への耐候性が高い特徴があります。また、伸びる性質を持っている弾性塗料も最適です。
4．マンション外壁を修繕する際の注意点
ここでは、マンション外壁を修繕する際の注意点を説明します。
4-1．外壁のリフォームや修繕に長けている業者を選ぶ
マンション外壁の修繕は劣化症状がひどくなればなるほど大がかりな内容となります。一軒家よりも修繕費用が高額になるからこそ、きちんと正しく修繕してくれる外壁リフォーム業者に依頼することが大切です。外壁のリフォームや修繕は手抜きしやすい工事ともいわれているため、中には間違った方法で修繕を行う悪徳業者も存在しています。悪徳業者に引っかからないように、これまでどのような外壁工事をしてきたのかホームページに掲載されている施工実績をチェックしましょう。
4-2．見積書の内容をしっかりと確認する
マンション外壁を修繕する場合、工事にどのくらいのお金がかかるのか見積書の内容をしっかりと確認することが大切です。前述したように、マンションの外壁修繕は大がかりな内容になることが多く、費用も多大なものとなります。だからこそ、どのような作業にいくらかかるのか・どのような材料を使えばこの金額になるのか、詳細をしっかりとチェックしておかなければなりません。あくまで目安となりますが、外壁修繕費用の目安は以下のとおりです。
- 3階建て：約130万～400万円
- 4階建て：約340万～550万円
- 5階建て：約450万～670万円
- 6階建て：約540万～820万円
- 7階建て：約630万～950万円
4-3．工事前に説明会を開く
マンションの管理会社やオーナーの責任として、工事前には必ず住人に対して説明会を開かなければなりません。外壁補修の工事を行っている間は、居住者の日常生活にさまざまな影響を与えてしまう恐れがあります。たとえば、洗濯物を干すことができなかったり、ベランダの片付けができなかったり、騒音や悪臭騒動が起きたりするなどです。これらのトラブルを未然に防ぐためにも、工事前には説明会を開き、工事中の注意事項をしっかりと伝えておきましょう。質疑応答を行いつつ、全体の工事期間や工事箇所についても明示することが大切です。
4-4．外壁リフォーム業者選びのポイント
外壁の状態をチェックし正しく修繕をするためには、外壁リフォーム業者選びが大切なポイントとなります。しかし、どの外壁リフォーム業者に依頼すればいいのか分からずに悩んでいる方は多いでしょう。そんな方は、以下の業者選びのポイントをぜひチェックしてください。
- 外壁リフォームやマンション修繕の実績があるか
- スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
- 工事前に外壁調査を行ってくれるか
- 見積書の内容が具体的に記載されているか
- どのような方法で修繕をするか説明してくれるか
- 口コミや評判がいいか
東京と大阪を中心に外壁工事を行っているオフィスチャンプでは無料相談を受け付けています。マンション外壁の劣化や修繕でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
5．マンションの外壁に関してよくある質問
最後に、マンションの外壁に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q．外壁が劣化してしまう原因は？
A．経年劣化が主な原因ですが、紫外線や雨風によって少しずつ外壁は劣化するものです。だからこそ、10～15年に1回は外壁のメンテナンスや修繕が必要だといわれています。また、地震や台風がやってきた後にも外壁が激しく損傷してしまう可能性があるでしょう。自然災害に見舞われた後は外壁の状態をなるべくチェックするようにしてください。
Q．マンションの外壁補修が必要な理由は？
A．マンションの外壁は気温の変化に晒（さら）されながらも膨張と収縮を繰り返しています。見た目はまだ大丈夫そうに見えていたとしても、内部の鉄筋が腐ってしまったり、経年劣化を起こしたりしている可能性もあるのです。劣化症状を放置していると、タイルなどが剝がれ落ちてしまい通行人にケガを負わせてしまう恐れがあります。そのような危険を防ぎ、マンションを長持ちさせるためにも外壁補修が必要です。
Q．コンクリートの中性化とは？
A．コンクリートの代表的な劣化です。高アルカリ性のコンクリートが年月とともに空気中の炭酸ガスと反応し、少しずつアルカリ性が低下しては中性化します。コンクリートの劣化は強度が低下するというわけではなく、中性化することで鉄筋がサビてしまうことなのです。コンクリートの中性化が内部の鉄筋にまで影響を及ぼすと、爆裂する危険が高まるので注意してください。
Q．修繕費用を抑えるコツは？
A．なるべくマンションの修繕費用を抑えたい方は、早めに修繕することが大切です。気になる症状が外壁に見られた場合、そのまま放置するのではなくすぐに業者へ相談しましょう。対応が遅れるほど劣化症状が悪化してしまい、修繕費用も高くなる恐れがあります。また、足場を組み立てない無足場工法を用いることで費用を抑える方法も可能です。その際は、無足場工法に長けている業者を選ぶことが大切なポイントとなります。
Q．大規模修繕の種類は？
A．マンションの大規模修繕には以下のような種類があります。
- 鉄部塗装工事
- 外壁塗装工事
- 屋上防水工事
- 給水管工事
- 排水管工事
大規模修繕は建物自体の性能を回復することが大きな目的です。一方、小規模修繕はマンションの一部や設備・部材などに劣化が生じた際に修理や交換などを行います。
まとめ
マンションの外壁が劣化していると、ひび割れが起きたりチョーキング現象が見られたりします。少しでも異変を感じた際には、早めに外壁工事を行っている業者へ相談するのがおすすめです。マンションの外壁劣化を放置すればするほど修繕が大がかりなものとなり、費用も割高になってしまいます。正しい修繕を行うためにも、きちんと外壁調査を行ってくれる業者に依頼してください。
