ビルの外壁調査が必要な理由は? 主な方法や注意点を詳しく教えます!
「ビルは定期的な外壁調査が必要だと聞いたけど、具体的にどんな目的があるのだろう」「ビルの外壁調査にはどんな方法があるか詳しく知りたい」とお考えではありませんか? ビルの中には、法律によって外壁調査が義務付けられているものもあります。しかし、実際にどんな条件のビルが外壁調査を行うべきか、外壁調査を行う目的は何かなど、よく分からないこともあるでしょう。
そこで今回は、ビルの外壁調査について詳しく解説します。
この記事を読むことで、ビルの外壁調査を行うポイントや注意点などがよく分かります。ビルの外壁調査をお考えの方は、記事を読んでみてください。
1.ビルの外壁調査を行う必要性は?
最初に、ビルの外壁調査を行う必要性について見ていきましょう。
1-1.一定の基準を満たすビルに義務付けられている
ビルの外壁調査は、一定の基準を満たすビルに義務付けられています。具体的には、定期報告対象建築物として建築基準法および都道府県ごとの県建築基準法施工細則で指定されているビルです。たとえば、以下のようなビルが当てはまります。
- 劇場・映画館・演芸場など
- 観覧場・公会堂・集会場など
- 患者の収容施設を持つ病院・診療所など
- 児童福祉施設など
- ホテル・旅館などの宿泊施設など
- 下宿・共同住宅・寄宿舎など
- 学校・体育館など
- 博物館・美術館・図書館などの公共施設など
- 百貨店・スーパーマーケットなどの商業施設など
なお、実際に外壁調査が必要になるのは、さらに以下の2つの条件に当てはまる場合です。
- 新築もしくは前回の外壁改修から10年以上経過した
- 過去3年以内に打診調査を行っていない
1-2.ビルの外壁調査を行う目的
ビルの外壁調査は、以下のような目的で行われます。
1-2-1.外壁の劣化を把握し必要な補修を行う
ビルの外壁調査を行うことで、外壁の劣化を把握し必要な補修を行うことが可能です。外壁の劣化を早めに見つけることで、簡単かつ安価に補修できます。また、補修工事の期間も短く済むでしょう。ビルの外壁補修を早期かつ確実に行うためにも、定期的に外壁調査を行うことが大切なのです。
1-2-2.外壁の劣化による危険を防ぐ
ビルの外壁調査は、外壁の劣化による危険を防ぐも目的もあります。ビルの外壁の劣化を放置すると、状態が悪化して思わぬ危険が発生することがあるからです。たとえば、外壁材が落下して通行人に当たってしまう可能性もあるでしょう。また、外壁の強度が落ちていると、震度5弱程度の地震でも倒壊してしまうことがあります。そこで、外壁調査を行って危険な場所がないか確認し、ビルの安全性を維持しているのです。
2.ビルの外壁調査を行う方法は?
ビルの外壁調査を行う方法について、詳しく解説します。
2-1.目視調査
ビルの外壁調査の一つとして、目視調査が挙げられます。目視調査とは、調査スタッフがビルの外壁を直接目視して問題の有無を判断する方法です。高所などの見づらい部分は、双眼鏡を使うこともあります。なお、目視調査だけでは外壁内部の劣化を正確に判断するのが難しいため、そのほかの調査方法を併用するのが一般的です。
2-2.クラック幅調査
クラック幅調査とは、ビルの外壁に発生したクラックの状態を専用のスケールなどで調査する方法です。クラックの状態を判断することで、外壁の劣化具合や補修の必要性を判断することができます。中でも、幅0.3mm以上・深さ4mm以上の構造クラックが発生している場合は、耐震性の低下や雨もりの原因になるため、早急に補修が必要です。
2-3.シーリング調査
シーリング調査では、タイル外壁やサイディング外壁などのシーリング材が劣化していないかチェックします。シーリング材が劣化していると、タイルやサイディングが落下したり、雨水や汚れが外壁内部に入り込んでしまったりすることがあるからです。シーリング調査で劣化が見られた場合は、シーリング材を補充したり新しく入れ替えたりして補修する必要があります。
2-4.打診調査
専用の打診棒を使い、外壁を直接たたいて調査する方法が、打診調査です。打診調査では、外壁の打診音により外壁の異常をチェックします。実際に外壁を打診して調査するため、精度が高いことがメリットです。一方、高所などを調査するためには、足場を組んだりゴンドラを下げたりする必要があり、手間やコストがかかるなどの点がデメリットになります。
2-5.赤外線調査(赤外線サーモグラフィー使用)
赤外線調査も、外壁調査の方法の一つです。赤外線調査では、赤外線サーモグラフィーを使って外壁の表面温度に微妙な差が発生していないかチェックし、問題がある場所を探ります。赤外線調査のメリットは、足場やゴンドラが基本的に不要でコストを抑えられること、広範囲を短時間で調査できることなどです。デメリットとしては、打診調査と比較すると精度が低いことなどが挙げられます。
2-6.赤外線調査(ドローン使用)
最近では、ドローンを使って赤外線調査を行うケースが増加中です。ドローンを使う場合、高所なども安全に調査することができます。また、足場やゴンドラ使用する必要がないため、費用を抑えられるのもメリットです。ただし、ドローンを使った赤外線調査では、天候に左右されやすい、ビルの立地条件などによってはドローンを使えない場合もあるなどのデメリットもあります。
3.ビルの外壁調査に関するよくある質問
最後に、ビルの外壁調査に関する質問に回答します。それぞれ参考にしてください。
Q.ビルの外壁調査はどんな業者に依頼すべきか?
A.以下のポイントを満たす業者に依頼すると安心です。
- 外壁調査および外壁工事の実績が豊富にある
- 高い技術力と豊富な専門知識を持っている
- 現場視察や見積もりは無料
- リーズナブルな料金システム
- 希望の日程で作業してもらえる
- スタッフの教育が行き届いていて感じがよい
- 顧客からの評判がよい
- 工事保証やアフターフォローが手厚い
なお、当オフィスチャンプでも、ビルの外壁調査をお受けしています。まずは、お気軽にお問い合わせください。
Q.ビルの外壁調査で指摘されたらすぐ補修すべきか?
A.なるべく早く補修するのに越したことはありません。特に、ビルの耐震性や強度などに影響する場合など、指摘された内容を放置することでリスクが高い場合は、すぐに補修することが大切です。
Q.新築後5年程度のビルでも外壁調査すべき場合は?
A.たとえば、外壁の劣化が目視だけでも明らかである、雨もりなどが発生しているなどの場合です。外壁調査を行うことで、外壁が劣化している場所や原因などを特定でき、適切な補修を行うことができます。また、ビルを貸し出したり売却したりしたい場合も、外壁調査を行って必要に応じて補修すれば、よりよい条件で取り引きできることもあるでしょう。
Q.必要な外壁調査を行わなかった場合はどうなる?
A.建築基準法違反と見なされ、100万円以下の罰金刑が科されることがあります。また、ビルの管理が不適切だと判断され、社会的な信用を失う可能性もあるでしょう。
Q.外壁調査の費用を抑えるコツは?
A.明確な根拠があってリーズナブルな料金システムを実現している業者に依頼するとよいでしょう。ただし、単に金額が安いだけでは、悪質業者の可能性があるので注意してください。たとえば、当オフィスチャンプでは、足場を設置しない無足場工法を取り入れており、外壁調査の費用をグンと抑えています。まずは、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、ビルの外壁調査について詳しく解説しました。建築基準法により、公共施設や商業施設などで一定の条件を満たしたビルは、外壁調査が必要です。外壁調査を適切に行うことで、劣化を早期に発見し補修できるほか、外壁材の落下や外壁の倒壊などを防ぐことができます。なお、ビルの外壁調査は、この記事を参考にし、信頼できると判断した業者に依頼するとよいでしょう。