外壁工事を行う際に必要な足場の費用や相場は? 使わずに工事は可能?
足場とは、外壁の塗装やリフォームなどをする際に作業員が乗って作業をする場所のことです。建物の周囲をぐるりと取り囲む組む足場を見たことがある方もいるでしょう。足場は、高さ2m以上の場所で工事を行う際、設置することが原則として決められており、外壁塗装工事の総費用の20%が足場の設置代と撤去料と言われています。最近は、「足場費用無料」をウリにしている業者も珍しくありません。しかし、そのような業者は本当にお得なのでしょうか?
そこで、今回は足場の費用や相場、さらに足場を組まずに外壁塗装や工事をする方法を解説します。
この記事を読んでいただければ、足場の相場や知識はバッチリです。これから外壁塗装や工事を行いたいと思っている方も、ぜひ読んでみてくださいね。
1.足場の基礎知識
はじめに、足場を組む意味や種類などを解説します。どのような工事の際に足場は必要なのでしょうか?
1-1.足場とは
足場とは、外壁を塗装したり工事したりする際に、職人が乗って作業をする際に造られるものです。かつては竹を組んで作られていましたが、現在では鉄管を組み合わせたり、その上に板を設置したりして足場を作ります。原則として、高さ2m以上の場所で工事を行う場合は、建築基準法によって足場の設置が義務づけられているのです。足場を造ることによって、職人は安全かつ効率的に外壁塗装や工事を行うことができます。
1-2.足場の種類
足場には、いくつかの種類があります。最も基本的な足場は「枠組み足場」と呼ばれるものです。これは、鉄管や鉄板を組み合わせて職人が自由に移動できる足場を造るもので、地上45mまで設置でき、安全性も高くなっています。業者が「足場を設置します」といった場合は、枠組み足場を設置すると考えてください。
それより簡易型の足場としては、くさび式足場があります。こちらは、凸金具と凹金具を組み合わせて足場を組んでいく方法で、主に低層階で使われるものです。2階建て程度の一戸建てで外壁塗装などをする場合は、くさび型足場が使われることが多いでしょう。
さらに簡易的な足場としては、単管足場や単管ブランケット足場などがあります。これは鉄パイプを組み合わせただけだったり、その上に板を渡した簡易的な足場です。簡単に作れて安価ですが、危険性もあるので「どうしても枠組み足場が組めない」というところにだけ使われることが多いでしょう。
このほかにつり足場や移動式足場などがありますが、一般住宅にはあまり使われることはありません。なお、外壁塗装をする場合は塗料の飛散を防ぐためにカバーをとりつけるため、足場代にはカバーの料金も含まれます。また、建物が大きく高くなるに比例して、足場の設置代も高額になっていくのです。
1-3.足場を組むことの重要性
前述のとおり、足場は職人が安全かつ効率的に作業を行うために必要なものです。簡易的な足場は安価ですが、その分危険性が増します。「とにかく足場代を安くあげたい」という気持ちも分かりますが、価格にこだわった結果、労働災害が起きたり工期が伸びたりしては本末転倒です。
1-4.足場の費用相場について
足場の費用は、1平米あたり700~1,000円が相場です。マンションなどの高層住宅の場合はしっかりとした足場が必要なので、1,200~1,300円程度かかることもあるでしょう。なお、足場は外壁塗装や工事を行う会社が自社で組む場合と、足場を組む専門会社に依頼をする場合があります。専門会社に依頼した場合、自社で組む場合よりどうしても高くなるでしょう。一般的な一戸建て住宅で、20万円前後が相場です。
最近は、足場代無料をウリにしていたり、足場の費用を1平米あたり400~500円にする、という業者もあります。しかし、前述のとおり、足場代は一般住宅でも20万円程度はかかるものです。これをすべて無料にするというのは、とても難しいでしょう。そのため、足場代を無料にした分、塗料代などが相場よりも高くなっている可能性があります。業者が努力をして足場代が安くても利益が出るようになっていることもありますが、費用総額を見たらそれほど安くなかったということもあるので、安易にお得だと思わないようにしましょう。
2.足場を組まずに外壁工事をすることは可能?
前述のとおり、建築基準法では原則として2m以上の高さで工事や塗装を行う場合、足場を組むように定めています。しかし、一定の条件をクリアすれば足場を組まずに外壁工事を行うことが可能です。これを、「無足場工法」と言い、オフィスチャンプをはじめとする専門の業者が行っています。
無足場工法とは、屋上からロープブランコという専用器具を外壁につるし、そこに職人が乗って作業をする方法です。足場を作る費用と手間がすべてカットできますので、工事費用はもちろんのこと、工期も短くすることができるでしょう。また、足場を組む余裕がない住宅密集地などでも、外壁工事を行うことができます。
その一方で、無足場工法を行っている工務店はまだ少なく、業者選びに手間がかかることもあるでしょう。また、建物や工事の内容によっては無足場工法が行えないこともあります。さらに、無足場工法は職人の熟練した技術が必要です。未熟な職人が無足場工法を行うと、工事の仕上がりが施主の満足がいかないものになることもあるでしょう。
3.外壁リフォーム工事について
この項では、足場を組む必要がある外壁リフォーム工事について解説します。どのような工事があるのでしょうか?
3-1.外壁リフォーム工事とは?
外壁リフォーム工事とは、外壁塗装を塗り替えたり、劣化した外壁を修理したりすることです。外壁は家を雨風から守ってくれます。しかし、風雨にさらされっぱなしですから、どうしても劣化は避けられません。そこで、10~15年を一つの目安にして外壁塗装を塗り替えたり、外壁の状態を診断して修理を行ったりします。
マンションの場合は、建築後10~15年で大規模修繕を行い、外壁の塗り直しなどを行うのです。
3-2.外壁リフォーム工事の流れ
外壁リフォーム工事を行う場合、まずは業者に外壁の状態をチェックしてもらいます。そのうえで、必要な工事の見積もりを出してもらいましょう。建物によっては外壁だけでなく屋根の塗り直しを一緒に行うこともあります。見積もりに納得したら、正式な契約をしましょう。
外壁リフォームは、
- 足場を組む
- 外壁の洗浄
- 外壁の修理
- 外壁塗装の塗り直し
- 足場の取り外し
という順番で行われます。足場を組んだり外したりするだけでも半日~1日はかかりますので、リフォーム工事全体では2週間以上かかると考えておきましょう。
3-3.リフォーム時期の見極め方
外壁リフォームは、10~15年ごとに行うようにすすめられています。しかし、家が建っている場所や気象条件によってもっと長持ちする場合もありますし、10年未満でもリフォームが必要になることもあるでしょう。リフォームを行う目安としては、
- 外壁に幅2㎜以上のひびが入っている
- 外壁を手で触ると白い粉がつく(チョーキング)
- 外壁にコケやカビが生え、洗っても落ちなくなった
- 大規模な台風などに遭遇した
などがあります。外壁が劣化したまま放っておくと、壁から雨水などが入って壁の内部が劣化し、家自体の寿命が短くなるでしょう。また、外壁に使われているタイルなどがはがれ落ちれば危険です。劣化のサインが現れたら一刻も早くリフォームを行いましょう。
4.工事業者の選び方
外壁リフォーム工事を行う業者はたくさんあります。工事費用の安さをウリにしているところも多いでしょう。確かに、工事費用が安いにこしたことはありません。しかし、それ以外に
- 見積もりが丁寧か
- 工事実績が豊富か
- 施主の質問に真摯に答えてくれるか
- 契約をせかさない
ということを目安に業者を選びましょう。特に、無足場工法で外壁工事を希望する場合は、業者のホームページなどをよく確認して、工事実績が豊富な業者を選ぶとよいですね。なお、前述のとおり、無足場工法はすべての建物で行えるわけではありません。工事を希望する場合は、まず業者に下見に来てもらいましょう。オフィスチャンプでは、見積もり専門の無料ダイヤルを設けているほか、メールでも問い合わせができます。無足場工法を希望している方は、ぜひ一度ご相談ください。
5.足場の費用に対するよくある質問
Q.足場を組む業者を自分で探してきて、足場設置を依頼することは可能ですか?
A.不可能ではありませんが、外壁リフォーム業者は自社と懇意にしている足場設置の専門会社があります。ですから、嫌がられることが多いでしょう。
Q.平屋の建物ならば、足場を組む必要はありませんか?
A.いいえ、平屋でも2m以上ありますので、原則として足場は必要です。
Q.足場が設置できない場所には、どのようなものがありますか?
A.隣家との距離が近すぎる場所や、地盤が弱すぎる場所などは足場が組めません。また、敷地いっぱいに家が建っており、公道にはみ出さなければ足場が組めない場合も難しいでしょう。
Q.無足場工法は、外壁塗装以外にも依頼できますか?
A.はい。外壁をはがすような大工事以外は無足場工法で行えます。
Q.足場設置代が相場よりはるかに高い場合は、詐欺でしょうか?
A.建物の造りによっては特殊な足場でないと組めないこともありますので、一概に詐欺とはいえません。しかし、ごく一般的な住宅で敷地の広さも十分にあるところで、相場より高い足場代を提示された場合は、理由を尋ねた方がよいでしょう。
6.おわりに
いかがでしたか? 今回は足場設置にかかる費用や相場などを解説しました。外壁リフォーム工事は家の周囲全体で行う工事ですので、どうしても設置が必要になる建物もあります。必要経費だと考えて、見積もりに加えましょう。また、無足場工法を行うことができれば、工事費用や工事期間をカットできますので、選択肢にいれておくとよいですね。分からないことがあれば、業者に何でも質問してください。