サイディングの補修方法は? 劣化を放置する影響や業者の選び方も!

「サイディングの劣化が目立つので補修を依頼したほうがよいのか?」「どんな業者に依頼すればよいのか分からない」とお悩みではありませんか? 外壁材に使われることが多いサイディングは劣化するとひび割れや塗装の剝がれ・チョーキング現象などの症状が現れるようになります。放置すると大がかりな補修工事が必要になり、高額な費用がかかってしまうため、そうなる前に対処しなければなりません。

この記事では、サイディングが劣化する原因や劣化を放置する影響・補修方法などを詳しくご紹介しましょう。

  1. サイディングが劣化・破損する原因として考えられるものは?
  2. サイディングの劣化を放置する影響
  3. サイディングの補修方法を紹介
  4. サイディングの補修を依頼する際に知っておきたい注意点
  5. サイディングの補修業者を選ぶ3つのポイント
  6. サイディングの補修に関するよくある質問

この記事を読むことで、サイディングの劣化を早めに補修する必要性や、補修業者を選ぶ際の注意点などが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.サイディングが劣化・破損する原因として考えられるものは?

サイディングはコストパフォーマンスに優れており、多くの住宅に使用されています。しかし、ほかの外壁材に比べて劣化しやすいのがデメリットです。サイディングが劣化したり破損したりする原因には、どのようなものがあるのでしょうか。

1-1.雨風

外壁はいつも雨風にさらされている状態なので、その影響を大きく受けることは間違いありません。雨が降るたびにサイディングは雨水を吸い込み、外壁表面だけでなく内部までもろくなっていきます。そして、もろくなった外壁表面に風が当たることでさらに劣化が進むことになるのです。また、サイディングは水を吸い込むことでわずかに膨張し、雨がやんで日に当たると乾燥して収縮します。膨張と収縮を繰り返すことでサイディングは徐々に変形するため、反りや浮き・ひび割れなどの症状が起こりやすくなるというわけです。

1-2.紫外線

紫外線がサイディングに及ぼす影響も大きなものです。紫外線を長時間浴びると外壁に施されている塗料の塗膜が壊れ、色あせが起こりやすくなります。色あせを発見したら塗膜の「建物を守る」という本来の役割が低下している証拠なので注意が必要です。塗膜の保護機能が失われると、サイディングは雨風や汚れなどのダメージを受けやすくなるため、劣化の進行スピードも早くなります。特に、西側の外壁は日差しが強い西陽が当たるため、劣化が激しいのが特徴です。

1-3.経年劣化

経年劣化とは、年月の経過によって自然に起こる劣化のことです。サイディングの耐用年数は最大で約40年といわれていますが、まったくメンテナンスをしなければもっと早く寿命を迎えることになるでしょう。経年劣化によって起こる症状には、色あせやチョーキング現象・カビやコケの繁殖・ひび割れなどがあります。メンテナンス時期の目安はサイディングの種類にもよりますが、窯業系サイディングは7~10年、金属系サイディングだと10~15年に1回はおこなうとよいでしょう。

1-4.施工不良

施工不良が原因でサイディングの劣化や破損が起こることもあります。使用した塗料の質が悪かった場合や、施工した職人の技術が不足していた場合などに、通常より早く劣化や破損などの症状が現れてしまうのです。たとえば、「塗料を規定より薄い濃度にして使用した」「塗装工事で必要な工程を飛ばした」など、悪質な業者がよくやる手口には十分注意してください。

2.サイディングの劣化を放置する影響

サイディングの劣化に気づいたらなるべく早く対処しなければなりません。もし劣化を放置した場合は、以下のような影響が及ぶことになるでしょう。

2-1.見た目が悪くなる

サイディングの劣化は建物の見た目を悪くします。外壁にひび割れや浮きなどの症状が起きていると、見る人に古くみすぼらしいイメージを与えてしまうことになるでしょう。特に、色あせや変色・カビやコケなどが発生しているとは離れた場所からでもある程度見えるため、住んでいる人としても気になるはずです。また、見た目の悪さは住宅としての資産価値にも影響します。将来、売却することを検討しているなら、こまめに補修して見た目をよくしておくのがおすすめです。

2-2.アレルギーを発症しやすくなる

サイディングの防水性が低下し、壁の内部に湿気がたまるようになると、住人がカビによるアレルギー症状を引き起こす可能性も出てきます。特に、小さな子供やアレルギー体質の家族がいる場合は大変な事態になることもあるでしょう。外壁に原因があることに気づけず、何年も体調不良に悩まされている人も少なくありません。

2-3.建物の寿命が縮む

サイディングの劣化を放置すると、建物の寿命にも大きく影響することになります。ひび割れや反り・浮きなどの部分から雨水が入り込むと、建物内部が腐敗したりサビたりすることもあるのです。また、シロアリ被害にあう可能性も考えられます。そうなると、建物全体が本来の強度を保つことができなくなり、大きな地震が起こると倒壊してしまう恐れもあるでしょう。

2-4.大がかりな補修工事が必要になる

サイディングの劣化を放置すればするほど、大がかりな補修工事が必要になってしまいます。こまめに点検・補修をおこなっていれば少ない費用で直すことが可能ですが、劣化した状態のまま何年も放置すると簡単な工事では対応できない可能性が高いのです。高額な費用と長い日数がかかる工事をしなければならなくなり、大変な思いをすることになってしまうでしょう。

3.サイディングの補修方法を紹介

サイディングの補修方法は、劣化・破損の状況や程度によって異なります。主な補修方法を症状ごとにご紹介しましょう。

3-1.サイディングにひび割れが起きている場合

サイディングボードのひび割れが発生している場合は、ひび割れ部分にシーリング材を充填することで補修します。ひび割れの部分をカッターでV字型に削り、汚れやゴミを取り除いたら接着剤を塗布してシーリング材を充填するという流れです。最後にモルタルで埋め、表面を平らにしてから塗装で保護します。業者に依頼した場合の費用相場は20万~40万円前後ですが、足場の設置が必要な場合はさらに費用も追加になるでしょう。

3-2.チョーキング現象や塗装の剝がれが起きている場合

チョーキング現象が起きている場合や塗装が剝がれてきている場合は、塗装工事によって補修します。塗装工事をすることで外壁の防水性がアップするため、劣化症状が目立っていなくても10年に1回はおこなったほうがよいでしょう。費用は塗装する面積や塗料の種類によって大きく変わります。最もよく使われているシリコン系塗料は耐用年数が10~15年で、1㎡当たりの価格が2,300~3,000円とコストパフォーマンスに優れており、おすすめです。

3-3.サイディングの反りが起きている場合

サイディングに反りが起きている場合は、サイディングそのものを新しくする必要があります。劣化の程度によって「重ね張」と「張り替え」のどちらで対応するか決めることになるため、しっかり点検・調査してもらうことが大切です。重ね張り工事は150万~200万円、張り替え工事は200万~300万円が費用の目安となっています。

3-4.シーリングが劣化している場合

目地のシーリングが劣化している場合は、「打ち替え」または「打ち増し」という方法で補修します。打ち替えはもともとあったシーリングを取り除いて新しいシーリングに取り換える方法で、打ち増しはもともとあるシーリングの上から新しいシーリングを充填する方法です。打ち増しのほうが費用は安く済みますが、再発する恐れを考えると打ち替えのほうが安心といわれています。

4.サイディングの補修を依頼する前に知っておきたい注意点

サイディングの補修を依頼するにあたって、いくつか知っておきたい注意点があります。業者を探す前に確認しておくとよいでしょう。

4-1.費用相場を把握しておく

サイディングの補修工事にかかる費用は、劣化や破損の状況によって異なります。さらに、業者ごとにも異なる料金体系が設定されているため、しっかり比較しておかなければなりません。工事の大まかな費用相場を把握するために、複数の業者に無料見積もりを依頼してみましょう。費用相場が分かっていれば、業者から提示された金額が妥当なのかが分かるはずです。

4-2.DIYでの補修はおすすめできない

サイディングの劣化や破損を発見したとき、「節約のために自分で補修できないのか?」と思う人もいるでしょう。劣化状況や程度によっては、ホームセンターで材料や道具を買ってきて補修することが可能な場合もあります。しかし、サイディングが本来の役割を取り戻すためには専門的な知識や技術が必要であり、自分でおこなうと失敗する可能性が高いでしょう。また、高所の作業には危険も伴うため、おすすめはできません。

4-3.悪徳業者の存在を知っておく

補修業者を選ぶにあたって、悪徳業者の存在についても知っておかなければなりません。外壁補修工事は相場が分かりにくいこともあり、実は悪徳業者が多いといわれているのです。実際に、「見積もりにはない高額な追加料金を請求された」「完全な手抜き工事だった」などの被害例が年間何件も報告されています。このようなトラブルに巻き込まれないためには、業者選びを慎重におこなうことが大切です。業者選びの際にチェックすべきポイントを次項でご紹介するのでぜひ参考にしてください。

5.サイディングの補修業者を選ぶ3つのポイント

補修業者を選ぶ際は、以下のポイントを必ずチェックしてください。

5-1.ホームページに詳しい記載があるか

まずは、業者のホームページを細かくチェックしましょう。特に、施工実績が掲載されているか確認してください。具体的な施工内容例が写真とともに掲載されているかどうかは、業者を選ぶ上で判断材料の一つになります。また、会社概要や事業内容、無料見積もりフォームなど、ホームページの内容が充実している業者だと安心です。

5-2.見積書の内容は明確か

見積書の内容も確認が必要です。中には、「工事費用一式」という記載と合計金額だけが書かれている見積書を提示してくる業者も存在します。その内容だと何にいくらかかっているのかが分からないため、いくらでもごまかすことができてしまうのです。見積書にきちんと詳細が記載されているか、追加料金についての説明があるかなど、細かく確認しましょう。

5-3.保険や保証は充実しているか

保険や保証の充実度についても確認しておきましょう。万が一、工事中にトラブルが発生した場合はどのように保証してくれるのか、施工後はどのようなアフターフォローがあるのかなど、チェックしてください。手厚い保証を用意してくれている業者だと安心です。

6.サイディングの補修に関するよくある質問

「サイディングの補修について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.シーリングの耐用年数はどのくらいですか?
A.一般的には5~10年といわれています。

Q.外壁の状態は自分でもチェックしたほうがよいですか?
A.はい。劣化や破損をいち早く見つけるためのも、定期的にチェックしたほうがよいでしょう。半年に1回、できるだけ天気のよい日に外壁の状態を確認してください。

Q.外壁塗装工事は何日くらいかかりますか?
A.30坪前後の2階建て住宅の場合で7~10日が目安です。

Q.外壁塗装工事の費用内訳を教えてください。
A.足場代・高圧洗浄代・養生代・飛散防止ネット代・シーリング代・塗装代・廃棄物処理代などに分けられます。

Q.悪質な外壁補修業者とのトラブルはどこに相談すればよいですか?
A.国民生活センターの窓口に相談することをおすすめします。

まとめ

サイディングの劣化や破損を放置する影響や補修を依頼する際の注意点などを詳しくご紹介しました。サイディングの劣化や破損を放置すると建物の寿命を縮めることにもつながります。なるべく早く対処することで補修費用を安く済ませることができるため、普段からこまめに外壁の状態をチェックしておくとよいでしょう。

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