マンション外壁の種類と特徴を解説! 外壁補修工事の流れや費用は?

マンションの外壁には広大な面積が広がり、その外観だけでなく耐久性やメンテナンス費用なども検討が必要です。

さまざまな要因を考慮しながら外壁の素材を選ぶことが求められますが、その主な選択肢としてタイル、吹き付け塗装、ALCパネルの3つが挙げられます。それぞれが持つ特性や塗り替えタイミング、費用、工期などが異なるのです。

そこで、この記事ではマンションの外壁素材の種類に焦点を当て、それぞれの特長や補修工事の進め方などを解説していきます。

この読み応えあるガイドを通じて、マンションの外壁選びや補修に関する知識を深めてみませんか。興味がある方は、ぜひご一読ください。

  1. マンション外壁の種類と特徴
  2. マンション外壁の種類と補修
  3. マンション外壁補修工事の流れ
  4. マンションの外壁塗装ならオフィスチャンプ
  5. マンションの外壁に関してよくある質問

1.マンション外壁の種類と特徴

まずは、マンション外壁の種類と特徴をチェックしておきましょう。

1-1.新築マンションに多い「タイル張り」

近年の新築マンションに使われることが多い外壁の種類がタイルです。タイル張りは高級感が漂う仕上がりになり、外壁材には必要不可欠な防水性・耐久性・耐候性に優れています。外壁は雨風にさらされやすい部分なので、見た目だけでなく機能性に優れている種類を選ぶことが大切です。

紫外線・雨風・気温の変化・二酸化炭素などの変質や劣化に強い素材となるため、大規模修繕の際にも外壁塗装を行う必要がありません。高圧洗浄で汚れを落とすだけなので、メンテナンスコストが削減できるでしょう。しかし、タイル張りはほかの種類よりも建築費が高くかかる点がデメリットです。

1-2.軽量で断熱性と耐火性に優れている「ALCパネル」

ALCは、軽量気泡コンクリートのことで、正式名称をAutoclaved Lightweight Concreteといいます。軽量気泡コンクリートは、コンクリートに発泡剤などを加えて気泡を発生・硬化させたものです。

そのため、水に浮くほどの軽量で断熱性と耐火性に優れています。そして、ALCパネルはALCを板状にしたもので、タワーマンションの外壁などに使われることが多いのです。ALCパネルは1枚ずつつなぎあわせる必要があるため、樹脂のコーキング材で埋めます。

ただし、コーキング材は劣化し雨水などが浸入しやすくなるので要注意です。定期的なメンテナンスが必要になるでしょう。

1-3.建築費を安く抑えることができる「吹き付け塗装」

タイルが使用される前は、吹き付け塗装がマンション外壁の主流でした。吹き付け塗装は吹き付けタイルともいい、樹脂とモルタルを混ぜたものを外壁に吹き付けていきます。

吹き付け塗装の主なメリットは、建築費を安く抑えることができる点です。吹き付けるだけなので工期も短期間で済むでしょう。ただし、外壁表面に凸凹ができやすく、仕上がりが悪いと汚れが付着しやすく、ひび割れも起きやすい傾向があります。

大規模修繕を行う場合は、塗り替えが必要になるのでメンテナンス費用が割高になりがちです。

1-4.外壁の種類選びのポイントは2つ

マンションの外壁を選ぶ際のポイントは、コンクリートを守る力とメンテナンスのしやすさの2つです。それぞれの特徴について解説しましょう。

1-4-1.コンクリートの力を高めるならタイルが最適

外壁は、美観だけでなく建物のコンクリートを守る役割も担っているのです。コンクリートは強く頑丈なものと感じるかもしれませんが、紫外線・二酸化炭素・雨風などにさらされ、鉄筋がサビるとひび割れの原因になります。コンクリートの強度を高めたい方は、塗装よりもおおいかぶせるタイルのほうがいいでしょう。

1-4-2.メンテナンスのしやすさに注目しよう

マンション外壁の種類選びは、メンテナンスのしやすさにも注目しておきたいポイントです。外壁の塗り替えは大規模修繕工事になるため、メンテナンスの頻度が増えると準備や時間だけでなくコストもかかってしまいます。住民にとっても、大きな負担になりかねません。

マンションの外壁はタイル塗装が主流なんですね。
はい。以前は吹きつけ塗装が主流でしたが、タイル塗装の方が耐久性が高くなっています。

2.マンション外壁の種類と補修

では、マンション外壁の種類ごとの補修タイミングや費用などをチェックしておきましょう。

2-1.外壁の種類によって異なる補修タイミング

マンション外壁の補修タイミングは、外壁の種類によって異なります。たとえば、タイル張りの場合は1度貼り付けると約30年は耐久性を保ち続けることができますが、約10年ごとにメンテナンスが必要です。

メンテナンスでは、タイルが浮いていないか・欠けていないかなどをチェックします。ALCの場合は、塗装が劣化する約10~15年に1度の補修が必要です。吹き付け塗装も、約10年が補修の目安になるでしょう。補修タイミングを見計らいながら、異常がないか点検することも大切です。

2-2.補修したほうがいいケース

補修タイミングに関わらず、早めに大規模修繕工事を行ったほうがいいケースがあります。特に、注意しておきたいのは、以下の劣化症状が見られたときです。

  • 廊下や外壁にひび割れが起きている
  • 雨漏りが発生している
  • タイルが欠けている
  • 塗装が剝がれている
  • 外壁を触ると白い粉がつく(チョーキング現象)
  • タイルのつなぎ目のコーキング材が劣化している

特に、大きめのひび割れが起きている場合は、早めに修繕しなければなりません。ひび割れを放置すると、そこから雨水が浸入し下地が腐敗してしまいます。また、ほかの箇所にもひび割れが起きている可能性があるため、マンション全体をチェックしたほうがいいでしょう。

2-3.補修方法は劣化症状で異なる

マンション外壁の補修方法は、劣化症状や状態によって異なります。小規模なひび割れの場合、モルタルやシーリング材を使い埋めるだけで補修できますが、大きなひび割れの場合は既存の外壁材を撤去しなければなりません。

そして、コンクリートの中に埋まっている鉄筋の状態を確認し、再度コンクリートで外壁を作り直します。いずれにせよ、ひび割れの状態で補修内容が大きく変わるでしょう。

コンクリート面・タイル目地に発生したひび割れよりも、窓の角・柱・梁(はり)に現れた斜めに走るひび割れは、特に注意しておきたいポイントです。マンションの耐久性に関わるため、早めに補修したほうがいいでしょう。

2-4.マンション外壁補修の工期は約1~3か月

大規模修繕工事は、だいたいのマンションは1か月で済むでしょう。けれども、劣化状態がひどく既存の壁を撤去する必要があったり、大きめのマンション全体を修繕したりする場合は、約3か月かかる可能性があります。

工事は、住民にとって大きな負担になるため、見積もりの際に業者へ入念に確認をとっておいたほうがいいでしょう。また、工期が長くなるほど住民のストレスや負担も大きくなるため、クレーム対応や住民へのケアも必要となります。

種類によってメンテナンス期間が異なるんですね。
はい。ただし、どんな外壁でもメンテナンスは必要です。不要なものはありません。

3.マンション外壁補修工事の流れ

それでは、マンション外壁補修工事の流れや費用などについてチェックしておきましょう。

3-1.工事の大まかな流れを紹介!

外壁補修工事の流れは、一戸建てとほとんど変わりません。ただ、作業範囲が広くなるため、効率よく作業を進める必要があります。基本的に、大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 外壁調査を行い、劣化症状や状態を確認する
  2. 具体的な補修方法を決める
  3. 外壁についている汚れ等を高圧洗浄機で洗い流しキレイにする
  4. ひび割れやコーキングの重填など必要な補修を行う
  5. 塗装を塗り直し、必要なら防水加工など付加価値をつける

以上の流れとなりますが、補修方法や外壁の状態によっては変わる可能性があります。詳細は、依頼先の塗装・リフォーム業者などに確認してください。疑問点や分からない点があれば、依頼前に尋ね、解決することが大切です。

3-2.費用相場は1㎡あたり4,000~5,000円

マンションなど大規模補修工事の場合は、施工内容や範囲などで大きく異なります。あくまで目安ですが、費用相場は1㎡あたり4,000~5,000円でしょう。

ただし、ほかにも、足場の組み立て・養生シートの設置などで1㎡あたり400~700円かかります。

さらに、人件費や材料の運搬費が加わる可能性もあるため、見積額で内訳を確認することが大切です。分からない点があれば、すぐに業者へ尋ねて確認したほうがいいでしょう。

3-3.費用を抑えるポイントは足場

どうしても費用を抑えたいときは、足場の設置をできるだけ減らしましょう。実は、外壁工事などで設置される足場は、全体の費用のおよそ2~3割を占めているといわれています。つまり、足場の設置を少なくすれば、その分だけ費用が節約できるというわけです。

ただし、マンションの立地や場所によっては、足場が必要なケースがあります。まずは、足場を設置しない無足場工法を手がける塗装業者に相談してみてはいかがでしょうか。無足場工法を得意とするオフィスチャンプも無料相談を受けつけているので、ぜひ1度ご相談ください。

3-4.業者選びのポイント

どの業者に依頼すべきか分からないときは、以下のポイントに注目するといいでしょう。

  • マンションなど大規模補修工事の実績があるか
  • 施工例がホームページ等に記載されているか
  • スタッフの対応がスピーディーかつ丁寧か
  • どのような質問に対しても分かりやすく説明してくれるか
  • 無料相談・無料見積もりを行っているか
  • 口コミや評判がいいか
  • 見積書の内容が細かく記載されているか
  • 無足場工法を採用しているか
  • 工事前に外壁調査を行っているか
思っているよりも工程がたくさんありますね。
はい。ですから、費用と日数がかかります。

4.マンションの外壁塗装ならオフィスチャンプ

マンションやビルの外壁塗装や修理は足場を組んで行うのが一般的です。しかし、マンションによっては足場を設けて外壁塗装を行うのは、難しいことがあります。有限会社オフィスチャンプでは足場を設けない外壁工事や塗装を行っている業者です。

足場を設けない工事方法だと、費用が安くなるだけでなく、工期も短縮もできるというメリットがあります。まずはご相談ください。最適な方法をご提案いたします。

マンションの外壁塗装なら無足場工法のオフィスチャンプ

5.マンションの外壁に関してよくある質問

マンションの外壁に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.サイディングとは?
A.高層マンションは軽量な外壁材が選ばれますが、低層マンションによく使われているのが「サイディング」です。サイディングは商品のバリエーションが豊富で、施工性が高いというメリットがあります。中でも、建材サイディングは耐火性や耐久性に優れているため、リフォームの際に採用されることもよくあるのです。特に、窯業系サイディングは多くの建物の外壁に採用されることが多く、デザインが豊富・耐震性や防火性に優れているというメリットがあります。

Q.外壁が劣化していると、オーナーにとってはどのようなデメリットが?
A.やはり第一印象は外見で決めるため、外壁が劣化していると住民が離れて行ったり入居者が少なくなったりというデメリットが生まれます。また、劣化状態を放置するほど、大規模修繕が必要になり工事費用が割高になってしまうでしょう。メンテナンスを楽にして、費用を抑えるためには、定期的な塗り替えが必要です。

Q.モルタルの特徴は?
A.セメントが主原料のモルタルは、現場で調合し職人さんが直接塗りつける施工を用いるのが特徴です。自由にデザインできる・耐久性が高い点がメリットですが、ひび割れが生じやすく5年〜メンテナンスが必要となるため、マンションには採用されにくくなっています。

Q.マンションの外壁を選ぶ際の考え方は?
A.長期的な考え方で選ぶようにすることです。マンションは外壁面積が大きく、耐候性・耐久性をしっかりと考えて選ばなければなりません。できるだけ費用を安く、と費用面ばかり気にしてしまうと建物の維持が困難になるでしょう。そのため、長期的な考え方で選び、費用・耐候性・耐久性すべてのバランスに優れた外壁が必要です。

Q.住民への告知はいつすべき?
A.一般的に、工事が始まる2〜3か月前に住民全員へ告知します。全面塗り替えは大規模修繕になることがほとんどなので、年次計画として管理組合に提出し、住民説明会などが必要です。住戸が多い場合は住民説明会または掲示板やチラシでの告知、少ない場合は1件ずつ訪問し詳細が記載された通知を渡すといいでしょう。賃貸マンションは、住民への告知が義務づけられているので告知せず工事を始めるのはNGです。

まとめ

マンション外壁の種類は、主に、タイル・吹き付け塗装・ALCパネルなどがあります。それぞれ塗り替え時期や耐久性などの特徴が異なるため、塗り替えや補修前には特徴をきちんと把握することが大切です。

また、マンションの外壁は一戸建てよりも範囲が広くなるため、工事が長くかかります。大規模修繕の場合は、入居者にあらかじめ伝えておかなければなりません。外壁が劣化するほど工期が長くなり、費用が割高になってしまうので注意してくださいね。外壁補修の知識が豊富で実績がある業者へ依頼すると安心できるでしょう。

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