工場の塗装が必要な理由は? 塗料の種類や無足場工法の利点などを解説
工場や倉庫の塗装は建物を保護し、資産価値を維持するために重要です。しかし、どのような塗料を使用すればいいのか、費用を抑えるにはどうすればいいのかなど、工場の塗装で頭を抱えている方は多いでしょう。工場の塗装に関する知識を習得しておけば、予算内で満足できる仕上がりになるはずです。
本記事では、工場塗装の重要性とコスト削減を実現する最新技術について詳しく説明します。
この記事を読むことで、工場塗装で使用する塗料や無足場工法の利点も分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。
1.工場塗装の必要性とその効果
最初に、工場塗装の必要性とその効果をチェックしましょう。
経年劣化を抑制するため
工場の塗装は、経年劣化を抑制するために必要です。工場の屋根や外壁は常に紫外線や雨の影響を受けているため、建物の中でも劣化しやすい傾向があります。塗装は一度すれば終わりではなく、定期的にメンテナンスを行うことで効果を発揮するものです。つまり、定期的なメンテナンスを行っていない工場の外壁や屋根は、経年劣化によって激しく傷んでいる状態といえます。塗装による保護機能を維持するためにも、定期的なメンテナンスで経年劣化を抑制することが重要です。
工場の美観を維持するため
工場の塗装は、建物の美観を維持する目的もあります。激しく傷んでいる外壁や屋根を放置している工場は、周囲に良い印象を与えません。職場環境だけでなく、周辺の治安や環境も悪化する原因となります。建物の外観は第一印象を与えるほど、重要な要素です。しっかりとメンテナンスされている工場は、周辺住民からの印象が良くなるだけでなく、従業員のモチベーションアップにもつながるでしょう。工場の美観を維持するための塗装は、周辺環境と職場環境を守る役割も担っています。
コストを最小限に抑えるため
できるだけコストを抑えるためにも、工場の塗装は必要な工事です。定期的なメンテナンスを怠っている工場は、著しく劣化している可能性があるため、塗装だけで改善できるとは限りません。建物自体の劣化が激しく、耐久性に問題がある場合は、建材の重ね張りや張り替えといった大がかりな改修工事が必要となります。また、改修工事が必要となれば、工事期間中は工場での作業がストップしてしまう恐れも出てくるでしょう。仕事に悪影響を与えないようにするためには、劣化が進行していない段階で塗装工事を行う必要があります。
資産価値を維持するため
工場の外壁塗装は、建物の資産価値を維持するためでもあります。経年劣化は防ぎようがありませんが、定期的なメンテナンスによって劣化の進行を抑えることは可能です。少しずつ失われていく塗装の保護機能も、定期的なメンテナンスで復活し、工場の劣化を防ぐことができます。劣化を防ぐことができれば、工場や倉庫の資産価値が維持できるようにもなるのです。適切なタイミングでの塗装によって、企業にとっては大きな資産価値となる工場を守ることができます。
雨漏りを防ぐため
外壁や屋根の塗装は、雨漏りを防ぐという役割も担っています。外壁や屋根が劣化するとひび割れが発生し、そこから雨水が浸入しやすくなるのです。その結果、工場のあちこちで雨漏りが発生してしまいます。一般的な戸建て住宅で雨漏りが発生すると日常生活に支障をきたしますが、工場の場合はさらに大きな被害を与えることになるので注意が必要です。大切な製品や原材料が水で濡(ぬ)れてしまったり、生産ラインがストップして顧客に悪影響を与えたりと企業の信用を失うことになります。さらに、工場内での衛生面や安全性にも悪影響を及ぼすので、リスクを防ぐためにも定期的な塗装が必要です。
2.工場塗装で使用する塗料の種類
ここでは、工場塗装で使用する塗料の種類を解説します。
ウレタン塗料
ウレタン樹脂をベースにした塗料で、さまざまな用途に使われています。ウレタン塗料の大きな特徴は、柔軟性・耐水性・耐候性に優れていることです。塗膜が弾力性を持っているため、ある程度のひび割れに耐えることができます。防水性能が比較的高いこともあり、雨風や湿気にも耐えられる塗料です。また、ほかの塗料と比べて価格が安価な点も大きなメリットといえるでしょう。そのため、小規模な工場や予算重視の現場でよく使用されています。なお、ウレタン塗料の耐用年数は約8~10年で、100坪あたりの費用相場は約80万~150万円です。
シリコン塗料
価格と性能のバランスに優れているシリコン塗料は、シリコン系・アクリルシリコン系などの合成樹脂が主成分の塗料です。機能性・耐久性に優れており、ほかの塗料よりも手軽な価格で使用できるという特徴があります。戸建て住宅では定番の塗料で、工場の塗装にも使用可能です。気候変化への対応力が抜群で、汚れを弾く効果もあります。なお、シリコン塗料の耐用年数は約10~15年で、100坪あたりの費用相場は約200万~300万円です。
フッ素塗料
フッ素塗料は、塗料の中でも耐久性の高い塗料として知られています。蛍石を原料に、フッ素を配合しているのが大きな特徴です。汚れを弾く非粘着性、酸性雨に強い耐薬品性、汚れがすべり落ちやすい低摩擦性、紫外線に強い耐候性など、さまざまな面で優れています。特に、フッ素塗料の樹脂はフッ素と炭素の結合が強固なことから、紫外線による劣化や破壊を受けにくいでしょう。耐久性が非常に優れているため、大型施設や工場などでよく使用されています。なお、フッ素塗料の耐用年数は約5~15年で、100坪あたりの費用相場は約240万~270万円です。
無機塗料
無機塗料は、ケイ素やセラミックなどの無機物を主成分としている塗料です。ほかの塗料と比較して寿命が長く、高い耐候性を誇っています。無機物は紫外線の影響を受けにくい特徴を持っているため、外壁塗装の問題である紫外線による塗膜の劣化が解決できるでしょう。また、不燃性を持ち、カビやコケが発生しにくいメリットもあります。ただし、ひび割れしやすい点がデメリットです。なお、無機塗料の耐用年数は約15年~で、100坪あたりの費用相場は約170万~230万円となります。
機能別の塗料を紹介
工場の塗装で使用される塗料には、さまざまな機能が備わっているタイプもあります。主な機能別の塗料は、下記のとおりです。
- 遮熱塗料:紫外線を反射する機能が備わっているため、建材の温度上昇が抑制できる
- 防水塗料:塗膜が弾性を持っているため、建材のひび割れや雨漏りを防ぐことができる
- 防汚塗料(低汚染塗料):汚れがつきにくく、付着した汚れを雨水で洗い流してくれる
- 防カビ塗料:防カビ剤が配合されている塗料で、カビや藻(も)の発生抑制に役立つ
塗料を選ぶ際は、建物の使用目的や環境に合わせた機能を選ぶのがポイントです。また、近年では、環境への配慮も重要視されているため、環境にやさしい水性塗料や低VOC(揮発性有機化合物)塗料を選択する企業も増えてきています。
3.無足場工法の利点
ここでは、無足場工法の利点を解説します。
コストが大幅に削減できる
無足場工法の大きなメリットは、コストが大幅に削減できることです。前述したように、足場の設置と撤去は、工事全体の3分の1を占めるほど高額な費用がかかります。足場の設置と撤去が必要ない無足場工法なら、大幅なコストが削減できるというわけです。大規模な工場になるほど塗装費用も高額になるため、できるだけ費用を抑えたい方は無足場工法を採用するといいでしょう。
安全性が向上する
無足場工法を用いることで安全性が向上するのも、大きなメリットです。足場を設置すると、設置作業だけでなく解体作業も必要となります。足場の設置と解体で事故が起きるリスクを、無足場工法は抑えられるのです。また、工場に侵入されやすくなるというリスクも防ぐことができます。足場をつたって侵入される恐れがありますが、無足場工法ならそのような心配もありません。安全性はもちろん、防犯性が高まるのも無足場工法のメリットです。
工期が短縮できる
無足場工法は足場の設置と撤去作業が不要になるため、工期が短縮できます。一般的な工場の塗装は、数日から数週間で完了するケースがほとんどです。塗装面積が広いほど作業にかかる時間も長くなり、塗装費用も高額になります。工事がスケジュールどおりに進むことができれば、工期短縮と同時に費用の節約にもつながるでしょう。スケジュールどおりに塗装工事を進めるには、事前の計画が不可欠です。
工場の操業に影響を与えにくい
無足場工法は足場を設置する必要がないため、作業スペースが狭い状態でも塗装を進めることができます。工場の生産ラインや設備を稼働させながら、隣接する部分で塗装が行えるのも無足場工法の大きなメリットです。また、無足場工法は作業の柔軟性にも優れているため、工場の状態や立地などに合わせて作業を進められるメリットもあります。作業員が移動する際の金属音も抑えることができるため、稼働中における生産活動への影響が抑えられるでしょう。
無足場工法ならオフィスチャンプへ
どの外壁塗装業者へ依頼すべきか悩んでいる方は、ぜひオフィスチャンプへご依頼ください。オフィスチャンプは、ビルやマンション・工場などをメインに無足場後方による外壁工事を行っています。工場の塗装は戸建て住宅とは異なる部分に注目する必要があるため、大規模修繕に慣れている外壁塗装業者に依頼するのがベストです。なお、オフィスチャンプでは、遠方からの出張工事依頼も受け付けています。近くに依頼したい外壁塗装業者が見つからない方も、ぜひ一度ご相談ください。
4.工場の塗装に関してよくある質問
工場の塗装に関する質問を5つピックアップしました。
Q.工場の塗装を行うタイミングは?
A.塗料の種類にもよりますが、約10~15年に1回を目安にして塗装を行いましょう。ただし、工場の周辺環境や立地によっては、早めのタイミングで塗装を行ったほうがいいケースもあります。たとえば、車道に面していたり、海に近い場所にあったりするケースです。10~15年に1回を目安にしながら、塗装の剝がれや亀裂を見つけた際はすぐに対処してください。
Q.塗料選びで押さえておきたいポイントは?
A.工場の塗料選びで押さえておきたいポイントは、工場の特徴をしっかりと理解することです。たとえば、湿気や温度変化など外部環境にさらされることが多い場合、耐候性に優れた塗料を選んだほうがいいでしょう。金属部分が多い工場の場合は、サビを防ぐための防サビ塗料が不可欠です。また、火災リスクのある工場なら、防火性能や発火点の高い塗料を選択してください。
Q.無足場工法のデメリットは?
A.作業できる範囲や高さに制限があることです。無足場工法は屋上からロープで吊(つる)された作業員が、上下に移動しながら塗装を進めることになります。無足場工法は左右への移動ができないため、広範囲な作業には不向きです。また、14階以上といった非常に高い場所での作業は安全面に欠けます。
Q.塗装作業中に注意すべきことは?
A.塗装作業エリアを適切に囲い込むことです。塗料の飛散や転倒などの事故を防ぐために、工場の従業員に安全対策を講じ共有しておく必要があります。作業エリアをハッキリとしておくことはもちろん、塗装エリアの周囲にある設備や物品の保護も必要です。塗装の影響を受ける場所は、しっかりと養生カバーで保護しておきましょう。
Q.外壁塗装業者選びのポイントは?
A.工場の外壁塗装に長(た)けているかをチェックしてください。外壁塗装業者によって、強みとしている建物があります。工場やマンションなど、大規模な建物を対象に外壁塗装を行っている業者なら、実績があるので安心して任せることができるでしょう。
まとめ
いかがでしたか? 工場の塗装が必要なのは、美観と建物の資産価値を維持し、経年劣化を抑制するためです。定期的なメンテナンスを行っている工場は、管理が行き届いているので周辺住民も安心できます。逆に、外壁や屋根が著しく劣化している工場は、悪い印象を与えがちです。より良い環境を維持するためにも、工場の塗装は定期的に実施しましょう。なお、オフィスチャンプでは無足場工法による外壁工事が可能です。できるだけコストを抑えたい方は、ぜひ一度お問い合わせください。