
ビルの外壁リフォームを成功させるコツは? 無足場工法を用いる方法
ビルの外壁リフォームは戸建て住宅よりも大がかりな工事になるため、費用も高額になります。
できるだけ費用を抑えるためにはどうすればいいのか、お得に外壁リフォームを行う方法はあるのかなど悩んでいる方は多いでしょう。ビルの外壁リフォームを成功させるためには、いくつか注意点があります。
そこで、本記事では、ビルの外壁リフォームを行う方法やポイントなどを解説しましょう。
この記事を読むことで、ビルの外壁リフォームが必要な理由や無足場工法なども分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。
1.ビルの外壁リフォームが必要な理由
まずは、ビルの外壁リフォームが必要な理由をチェックしましょう。
1-1.ビルの資産価値を高めるため
ビルの資産価値を高めるために、ビルの外壁リフォームは必要です。ビルを含めた建物は、築年数が経過するほどに資産価値がどんどん下がってしまいます。資産価値が下がると建物そのものに価値がなくなり、テナントや入居者も少なくなる恐れが出てくるのです。ビルを長く運営するためにも、定期的な外壁リフォームやメンテナンスが必要になります。
1-2.建物の寿命を延ばすため
外壁リフォームの必要性は、建物の寿命にも大きく関係しています。外壁は建物の中でも常に紫外線や雨風にさらされているので劣化しやすい場所です。前回の塗装から月日が経過すると、さまざまなところで劣化サインが表れるようになります。劣化サインを放置すると建物の状態がどんどん悪くなり、最終的には地震や台風などの自然災害に弱いビルになってしまうでしょう。ビルの寿命を延ばすためにも、外壁リフォームは必要な工事です。
1-3.外観を美しく保つため
前述したように、外壁は劣化しやすい傾向があるので定期的なメンテナンスやリフォームが必要になります。外壁リフォームを怠っているビルは、外壁が色あせていたり、ボロボロになったり、ひび割れが起きていたりと見かけが悪くなりがちです。外観がひどい状態のビルは、テナントや入居者が入らなくなってしまいます。外観を美しく保っているビルは見た目が良くなり、周囲にも良い印象を与えることができるでしょう。
2.無足場工法とは
ここでは、無足場工法の概要とポイントを解説します。
2-1.足場をかけない工法
無足場工法を簡単に説明すると、足場をかけない工法です。一般的に、外壁工事をする際は足場を設置することになりますが、足場を設置するためには最低でも約70cmの間隔が必要になります。つまり、隣の建物との間に十分な空間がない場合は、足場の設置が不可能です。その場合に役立つのが、無足場工法となります。足場をかけない工法だからこそ、さまざまなメリットがあるのです。
2-2.無足場工法の主な種類
では、無足場工法にはどのような種類があるのでしょうか。主な種類としては、ロープアクセス・ブランコ・ゴンドラの3種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
- ロープアクセス:特殊なロープを腰につけた職人が屋上から吊(つ)り下がりながら工事する方法
- ブランコ:ロープアクセスと同じ方法で職人が吊り下がりながら作業する方法。ロープアクセスよりも安全性が確保されていない
- ゴンドラ:屋上から可動式のゴンドラを吊り下げ、そこに職人が乗り込んで作業する方法
3.無足場工法のメリット
ここでは、無足場工法のメリットを解説します。
3-1.工事費用が安くなる
無足場工法の大きなメリットは、工事費用が安くなることです。足場の設置と解体は、外壁リフォーム全体費用の約3分の1を占めているといわれています。つまり、無足場工法を採用することで、足場代が丸々節約できるということです。ビルの外壁リフォームは費用が高額になるため、できるだけ費用を抑えたい方は無足場工法をおすすめします。
3-2.工期が短くなる
足場を設置する工法よりも、無足場工法は工事期間が短縮できます。工事内容によって異なりますが、ビルの外壁リフォームは数か月かかるケースがほとんどです。外壁の状態が悪いと、半年かかる可能性もあります。工事期間が長引くとテナントや周囲の近隣住民へ悪影響を及ぼす恐れがあるので、早めに終わらせることも大切です。
3-3.機敏性と防犯面が優れている
無足場工法は、機敏性と防犯面が優秀というメリットもあります。足場設置が不要だからこそ、小さな箇所でもすぐに補修工事が可能です。広範囲における作業は足場を設置するよりも時間はかかりますが、小さな外壁リフォームなら無足場工法のほうがすぐに工事を終わらせることができるでしょう。また、ビル内への侵入を未然に防ぐことも可能です。ビル内への侵入手段となる足場がないため、防犯面も安心できます。
3-4.自然災害時のトラブルが防げる
足場を設置していると、台風や地震などの自然災害によって倒壊する恐れがあります。一方、足場を設置しない無足場工法であれば、そのような心配がありません。たとえば、強風で足場が崩れ、建物や車が破壊されることもないので安心して外壁リフォームができるでしょう。
3-5.届け出が要らない
無足場工法は、届け出が不要というメリットもあります。建物を改修したり足場を設置したりする場合は、警察署へ道路使用許可の提出が必要です。足場が道路から出てしまう場合にも届け出をする必要があります。さらに、道路占有許可を道路管理者へ申請する必要もあるため、手続きに時間と手間がかかるでしょう。しかし、無足場工法は足場を設置する必要がないので、そのような手続きは不要になります。
4.無足場工法を取り入れたビル外壁リフォーム事例紹介
ここでは、無足場工法を取り入れたビル外壁リフォームの事例をいくつか紹介します。
4-1.タイルの浮きを修繕
目に見て分かるタイルの浮きを修繕するために、無足場工法を用いることがあります。全体的な外壁リフォームというよりも、部分的なリフォームの場合には無足場工法が最適です。タイルが浮いている箇所だけ修繕を行えばいいので、最小限の費用で工事ができます。浮きが目視で確認できるところはタイルを張り替え、そのほかはエポキシを注入し対応したケースです。タイルの上から弾性塗料が塗ってあったため、同じ方法で仕上げを行いました。
4-2.オフィス街での雨漏り補修
オフィス街のビルは足場を設置する空間がないため、無足場工法で外壁リフォームを行います。ガラリまわりから雨漏りが発生しているということで、ロープアクセスで職人が補修工事をしました。詳しく調べたところ、スチールのガラリが劣化していることが分かり、できるだけ安価なやり方で修繕を行います。念のために、防水ウレタンを屋根部分に塗り込み、雨漏りは改善できました。
4-3.コーキングの劣化を修繕
前述したように、無足場工法は部分的な修繕に適しています。外壁材に劣化は見られずとも、外壁材を継ぎ合わせている打ち継ぎ目地のコーキング部分が劣化していることもあるでしょう。コーキングの劣化を修繕するために、ロープアクセスで職人が新しいコーキング材への打ち替えを行いました。なお、事前調査によってサッシまわりのコーキングも劣化していたため、そちらもまとめて打ち替えを行い、キレイに仕上げます。
5.ビル外壁リフォームの注意点
ここでは、ビル外壁リフォームの注意点を解説します。
5-1.テナント・入居者へ早めの告知を
ビルの外壁リフォームは大がかりな工事になるため、テナントや入居者へ早めに告知する必要があります。テナントや入居者へ迷惑がかかる恐れがあり、またビルへ出入りする方たちにも影響を受ける可能性があるからです。無足場工法だとしても、塗装中や高圧洗浄中は悪臭や塗料・汚れが周囲へ飛び散り、トラブルになる可能性があります。少しでもトラブルのリスクを減らすためにも、テナントと入居者、そして周辺の建物へ告知することが大切です。
5-2.事前調査は入念に
ビルの外壁リフォームを行う前は、事前調査が必要になります。外壁がどのような状態になっているのか、どのような劣化サインが表れているのかなど、具体的に調査をすることで最適なリフォームプランを立てることができるからです。逆に、外壁の事前調査を行わなかった結果、ビルの外壁状態に不適切な方法でリフォームを行うことになります。再び外壁リフォームを行う必要性が出てきてしまうので、事前に外壁の調査を行うことが大切です。
5-3.外壁業者の選び方
ビルの外壁リフォームを行っている業者は多数存在していますが、中には不正を働く悪質な業者が存在しているので注意が必要です。悪徳業者とよくあるトラブルとして、「見積書にはない追加費用を請求された」「打ち合わせとは違う材料を使われていた」などがあります。これらのトラブルを未然に防ぐためには、外壁業者を慎重に選ぶことが大切です。なお、外壁業者を選ぶときは下記のポイントに注目してください。
- ビルの外壁リフォームに長(た)けているか
- 無足場工法の実績があるか
- 施工事例がホームページ等に掲載されているか
- 見積書の内容が具体的に記載されているか
- 事前に外壁調査を行ってくれるか
- 無料見積もりや無料相談を受け付けているか
- スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
- 口コミや評判がいいか
5-4.無足場工法ならオフィスチャンプへ
どの外壁業者に依頼すればいいのか分からずに悩んでいる方は、ぜひオフィスチャンプへご依頼ください。オフィスチャンプでは、ビルとマンションを中心に無足場工法を用いた外壁工事に対応しています。大がかりなリフォームから部分的なリフォームまで対応可能です。無足場工法でもこれまでの実績があるため、安全対策も徹底しています。無料相談も受け付けているので、無足場工法による外壁リフォームを検討中の方はぜひ一度お問い合わせください。
6.ビルの外壁リフォームに関してよくある質問
ビルの外壁リフォームに関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.ビルの外壁リフォームはいくらかかるのか?
A.リフォーム内容やビルの外壁状態によって異なりますが、小型のビルで約300万円~、大型のビルで約1,000万円以上が目安となります。外壁リフォームの基本となる外壁塗装は、1㎡あたり約3,500~5,000円が相場です。具体的な費用が知りたい方は、複数の外壁業者に無料見積もりを依頼し比較してください。
Q.ビルの外壁塗料でおすすめなのは?
A.目的によって最適な塗料は異なりますが、ビルに塗装するのであればラジカル系塗料・フッ素系塗料・無機系塗料の3種類がおすすめです。それぞれの特徴については、下記を参考にしてください。
- ラジカル系塗料:制御機能が備わった「ラジカル」が含まれている塗料
- フッ素系塗料:フッ素が含まれている頑丈な塗料。高耐久で汚れが付きにくい
- 無機系塗料:グレードが最も高い塗料。最近は弾性を持たせた無機系塗料が注目されている
Q.ビルの外壁リフォームはいつ行うのが最適か?
A.10~12年に一度を目安に、ビルの外壁リフォームを行ったほうがいいといわれています。ただし、ビルの外壁に劣化サインが表れた際は早めの工事が必要です。特に、ひび割れが起きている場合は下地が傷んでいる可能性もあるため、できるだけ早急に対応したほうがいいでしょう。
Q.無足場工法が採用できないケースは?
A.14階以上のビルは安全面が確保できないため、無足場工法で外壁リフォームを行うのは不可能です。外壁業者の中には、14~16階なら対応しているところもありますが、高層ビルは困難でしょう。また、屋根が三角形になっていたり、一部が突出したりしているなど、特殊な形状の場合も無足場工法が採用できない可能性があります。
Q.外壁業者へ依頼する前の注意点は?
A.見積書と契約書の内容をしっかりと確認することです。後でトラブルにならないように、気になるところや疑問点がある場合はすぐにスタッフへ尋ねて確認してください。
まとめ
いかがでしたか? ビルの外壁リフォームは大がかりな工事になるため、事前にきちんと外壁の状態を確認することが大切です。外壁業者と打ち合わせを重ねながら、最適なプランで工事を始める必要があります。また、費用を抑える方法として、無足場工法を用いるのも選択肢の1つです。オフィスチャンプではビルとマンションを中心に、無足場工法による外壁リフォームを行っています。ビルの外壁リフォームでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。