
ビルの大規模修繕を実施する周期は? 費用を抑えるポイントも紹介!
「ビルの大規模修繕はどのくらいの周期でおこなえばよいのか?」「大規模修繕工事の流れがわからない」とお悩みではありませんか?
ビルの管理をされている方にとって、大規模修繕のタイミングや具体的な工事内容を確認しておくのは重要なことです。入居者やテナントが安全に暮らせるようにするためにも、しっかりと計画を立てておきましょう。
この記事では、ビルの大規模修繕が必要な理由や適切な周期・具体的な工事の内容などについてご紹介します。
- ビルの大規模修繕が必要な理由
- ビルの大規模修繕をおこなう周期は?
- ビルの大規模修繕で重要なポイント
- 大規模修繕の工事内容
- 大規模修繕工事の流れ
- ビルの大規模修繕費用を抑えるには?
- ビルの大規模修繕に関するよくある質問
この記事を読むことで、ビルの大規模修繕を実施する前に確認しておくべきことや、業者に依頼する際の注意点などがわかるはずです。ぜひ参考にしてください。
1.ビルの大規模修繕が必要な理由
まずは、ビルの大規模修繕がなぜ必要なのかを解説しましょう。
1-1.耐久性と美観の維持向上
ビルは建ってから年数が経過すると、外壁塗装や防水加工などさまざまな機能が効果を失っていきます。雨水が建物内部に浸入し、木部の腐敗や鉄部のサビなどを発生させると建物自体の耐久性が低下してしまうのです。そういった機能を向上させ、建物の寿命を延ばすために、定期的な大規模修繕がおこなわれます。また、外観の美しさを保つことも重要な目的です。外観が美しく保たれているビルはテナントやオフィスの入居率も高くなるため、経営の面でも安心できるでしょう。
1-2.安全性の確保
建物の老朽化が進めば、さまざまな箇所に故障などの不具合が発生しやすくなります。給排水管の破損による水漏れやエレベーターの故障などが起こるとビルの利用者が安全で快適に過ごすことができなくなってしまうのです。そういった不具合を点検し、修繕することは、利用者の安全を守ることにつながります。
1-3.グレードアップ工事による資産価値の向上
大規模修繕工事では建物機能をグレードアップさせることも可能なので、資産価値の向上が期待できます。時代ごとに利用者のニーズは変化してくるため、そのニーズに合わせた価値を付加することが可能です。近年は大規模修繕の際にバリアフリー化を伴った工事を実施するケースが増えています。
2.ビルの大規模修繕をおこなう周期は?
ビルの大規模修繕は、どのくらいの周期でおこなうものなのでしょうか。
2-1.マンションと同じ12年周期ではない
一般的なマンションだと、大規模修繕を実施する周期は12年が目安とされています。建築基準法により、築13年目までに外壁の全面打診調査を実施するよう定められていることがその理由です。ビルの場合はそのような定めがないため、12年周期で大規模修繕をおこなっていません。
2-2.周期の目安は修繕内容によって異なる
では、ビルの場合はどのくらいの周期で大規模修繕をおこなっているのかというと、修繕内容によって異なる目安があります。たとえば、屋上や外壁は10~15年周期、空調設備は15~20年周期、エレベーターは25~30年周期が目安です。ただし、あくまでも目安であり、実際には建物の状況を確認しながら計画を立てていく必要があります。
3.ビルの大規模修繕で重要なポイント
ビルの大規模修繕では、以下のポイントが重要になります。
3-1.工事にかかる費用を確認しておく
ビルの大規模修繕には高額な費用がかかるため、事前にしっかり確認しておきましょう。修繕内容ごとに1,000万円以上の費用がかかると考えておくのがおすすめです。ビルの場合はマンションのような修繕積立金がないため、テナントやオフィスから支払われる賃貸料を積み立てておく必要があります。
3-2.工事期間を確認しておく
大規模修繕工事にかかる期間についても確認が必要です。ビルの場合は、建物の調査から計画の作成までに半年~1年はかかります。実際に工事にかかる期間は内容や範囲によりますが、工事中は騒音や作業員の出入りなどでビルの利用者に不便をかける点も出てくるため、事前にしっかり説明しておきましょう。
4.大規模修繕の工事内容
ビルの大規模修繕ではどのような工事をおこなうのかをご紹介します。
4-1.仮設工事
大規模修繕は大がかりな工事なので、必要な設備を事前にしっかりと準備しておかなければなりません。作業員の休憩所や仮設事務所・資材置き場・トイレなどを設置し、水道や電気・インターネットなどが使える環境にしておきます。同時に、通路の安全管理や侵入者対策なども必要です。
4-2.下地補修
まずは、外壁に発生したひび割れや浮きなどを補修する工事をおこないます。目視や打診による調査で状態を確認し、劣化状況に適した方法での補修が必要です。下地補修はそのあとの工事を成功させるうえで重要な役割を果たすものなので、丁寧におこないます。
4-3.シーリング工事
サッシ周りやタイルの目地などに使われているシーリング材が劣化している場合は、新しいものに打ち替える工事が必要です。シーリング材が劣化したままだと隙間から雨水が浸入して建物内部を劣化させてしまうため、しっかりと状態を確認しなければなりません。
4-4.塗装工事
外壁や鉄部の塗装工事には、ビルの外観を美しくするだけでなく、雨風や紫外線から外壁を保護する目的もあります。使用する塗料は特徴や耐久年数ごとにさまざまな種類があるので、周辺環境も考慮したうえで最適なものを選びましょう。
4-5.防水工事
雨水が建物内部に浸入するのを防ぐために、屋上や外階段・解放廊下などの防水工事をおこないます。防水工事はコストがかかりますが、建物全体の寿命に関わる部分なので手を抜かないようにしましょう。
5.大規模修繕工事の流れ
大規模修繕工事がおこなわれるまでの大まかな流れをご紹介しましょう。
5-1.修繕委員会の発足
まずは、ビルの入居者で修繕員会を発足します。ビルの修繕計画に問題がないかを話し合うための委員会なので、入居年数や年齢なども考慮してバランスよく人員を選ぶことが必要です。ビルの利用者とのトラブルを未然に防ぐためにも、修繕委員会は重要な役割を果たします。
5-2.建物の診断と調査
必要な工事の内容やおおよその費用・工事期間などを把握するために、建物の診断と調査をおこないます。この結果をもとにどのような大規模修繕工事を実施するかが決まっていくことになるので、専門家に建物診断を依頼するのがおすすめです。
5-3.施工業者の選定と契約
複数の施工業者に無料見積もりを依頼し、比較検討しながら施工業者を決定します。入札方式で選定する方法もありますが、安さだけで業者を選ぶと施工不良につながる可能性も考えられるので慎重に検討したほうがよいでしょう。施工業者が決まったら、工事請負契約を結びます。
5-4.説明会の開催
ビルのテナントやオフィスを利用されている方を対象とした説明会を開催します。工事内容や工事期間・工事中の注意点などを説明し、理解を得る必要があるのです。
6.ビルの大規模修繕費用を抑えるには?
ビルの大規模修繕費用を抑える方法には、以下のようなものがあります。
6-1.無足場工法を採用している施工業者に依頼する
足場を組まず、建物の屋上から特殊なロープやブランコを吊るして作業をおこなう「無足場工法」を採用している施工業者もあります。足場の設置や撤去が必要ない分、工事費用を大幅に抑えることが可能です。工事期間も短縮できるので、ビルの利用者の負担も軽減できます。
6-2.大規模修繕の回数を減らす
費用を抑えるためには、大規模修繕を実施する回数を少しでも減らすことを考えましょう。短い周期で工事を繰り返すよりも、次の工事までの間隔を長くすることでトータルコストを少なくすることが可能です。
7.ビルの大規模修繕に関するよくある質問
「ビルの大規模修繕について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.ビルの外壁塗装にはどのような塗料がよく使用されていますか?
A.ラジカル系塗料・フッ素系塗料・無機系塗料が使用されるケースが多いでしょう。
Q.相場より安い業者に工事を依頼するのはやめたほうがよいですか?
A.作業工程を省いたり作業員を減らしたりする可能性があります。また、あとになって高額な追加料金を請求してくるケースもあるので、依頼しないほうがよいでしょう。
Q.ビルの大規模修繕でも近隣への挨拶回りは必要ですか?
A.騒音や塗料のにおい・人や大型車両の出入りなどで近隣の方に迷惑をかけることになるため、事前に挨拶回りをして理解を得ておくことをおすすめします。
Q.施工業者を選ぶ際のポイントを教えてください。
A.豊富な施工実績があるか・保証内容が充実しているか・見積書の内容は明確かなどのポイントをチェックするとよいでしょう。
Q.無足場工法には、費用の節約や工事期間の短縮以外にどのようなメリットがありますか?
A.ビルの利用者にとっての精神的不安が少ない・足場を使った不審者の侵入を防ぐことができるなどがメリットです。また、スペースが狭くて足場を組むのが困難な場所でも作業することができます。
まとめ
ビルの大規模修繕工事を実施する周期や具体的な工事内容・費用を抑えるポイントなどを詳しくご紹介しました。大規模修繕工事を適切な周期でおこなうことは、ビルの寿命を延ばすことにもつながります。オフィスチャンプは無足場工法を採用し、高品質な施工を低価格で提供している外壁塗装業者です。ホームページから無料見積もりを受け付けているのでぜひチェックしてみてください。