マンションの外壁塗装周期はどのくらい? 塗り直しの判断基準などを解説!

マンションの外壁塗装はどのくらいの周期で行えばいいのか、悩んでいるオーナーもいることでしょう。外壁が汚れたままだったり、塗装が剝がれてきたりしていると、入居率にも悪影響を及ぼしてしまいます。外壁塗装は見た目がキレイになるのはもちろんのこと、マンションの耐久性を持続させるために必要なことです。

そこで、本記事では、マンションの外壁塗装周期はどのくらいなのか、費用がいくらくらいかかるのかなど詳しく説明します。

  1. マンションの外壁塗装が重要な理由
  2. マンションの外壁塗装周期の目安
  3. 塗り直しが必要かを判断するには?
  4. 外壁塗装の耐用年数を高める方法
  5. マンション外壁塗装の流れ
  6. オフィスチャンプの無足場工法
  7. マンションの外壁塗装に関してよくある質問

この記事を読むことで、マンションの外壁塗装が重要な理由や外壁塗装の流れなども分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.マンションの外壁塗装が重要な理由

マンションやアパートなど集合住宅の外壁は、定期的なメンテナンスが必要です。外壁は年数が経過するとともに汚れが目立ち、見た目が悪くなります。賃貸の場合は、外観が悪くなると入居率にも大きな影響を及ぼすでしょう。また、外壁の劣化を放置していると、雨漏りが発生し、建物の構造部分が腐食する原因になります。最終的に、建物自体の耐久性が下がり、もろくなってしまうのです。耐久性を維持するためにも、定期的な外壁の塗り替えとメンテナンスが必要になります。

2.マンションの外壁塗装周期の目安

マンションの外壁塗装の寿命は、塗料の種類によって違います。長くて10年以上のものもありますが、6年程度で塗り直しをしたほうがいいケースもあるのです。では、塗料別の耐用年数を見てみましょう。

  • ウレタン系塗料:6~10年
  • シリコン系塗料:8~15年
  • ラジカル系塗料:8~15年
  • 光触媒塗料:10~15年
  • ピュアアクリル塗料:12~15年
  • フッ素系塗料:15~20年
  • 遮熱系塗料:15~20年
  • 無機系塗料:15~20年

現在は、シリコン形塗料が主流です。耐久性が高く、リーズナブルな塗料として広く使われています。

2-1.長期的な視野で考える

マンションの外壁塗装は、長期的な視野で考えることが大切です。外壁塗料を選ぶ際、塗料の価格に注目しがちですが、低価格の塗料は塗り直し頻度が高い傾向があります。耐用年数が長い塗料ほど頻度が低くなり、コストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。低価格の塗料を使って頻繁に塗り直しを行うか、耐用年数が長い塗料を使って塗り直し頻度を抑えるのか、しっかり考えて塗料を決めてください。

2-2.塗装費用は塗料以外にも

マンションの外壁塗装は、塗料自体の費用のほか、足場代や人件費などがかかります。大規模なマンションほど大がかりな工事になるため、外壁塗装の周期を踏まえた上で予算も考えなければなりません。

3.塗り直しが必要かを判断するには?

マンションの塗り直し時期を見極めるためには、塗装業者にしっかり確認してもらうがあります。ただ、専門家に依頼する前に、マンションの現状を大まかに確認することも大切です。以下のような症状を見つけたときには、塗装業者に相談したほうがいいでしょう。

3-1.外壁にヒビが入っている

外壁のヒビが目立つようになれば、塗り直しが必要なサインです。ヒビの大きさや幅にもよりますが、0.3mm以上のヒビが発生した際は早めに対応したほうがいいでしょう。また、築8年が経過し、塗り直しをしていない場合も早めの塗装が必要です。

3-2.外壁や柱のコンクリートが欠けている

コンクリートが欠けたり、剝がれたりしている場合は、塗り直しをしたほうがいいでしょう。コンクリートが欠けているということは、外壁内部が傷んでいる証拠です。そこから雨水が浸入して、さらに建材が腐敗してしまう恐れがあるので早めに対処しなければなりません。

3-3.バルコニーのヒビ割れ

外壁だけではなく、バルコニー手すり部分にもヒビ割れが起きることがあります。特に、手すりの付け根あたりにヒビ割れが発生していると劣化が始まっている証拠ですので、早めに補修・塗り直しをしたほうがいいでしょう。

3-4.外壁タイルの浮き・漏水(ろうすい)

外壁のタイルが浮いたり、剝がれ落ちていたりしていると補修または塗り直しが必要です。また、天井に雨漏りの跡があったり、壁などに漏水の跡があったりする際には、外壁の劣化が進んでいると考えていいでしょう。

4.外壁塗装の耐用年数を高める方法

ここでは、外壁塗装の耐用年数を高める方法について説明します。

4-1.マンションの大規模修繕の目安

現在、国土交通省では、マンションの大規模修繕は12年に1度行うことを推進しています。外壁塗装1回目〜3回目までの目安は以下のとおりです。

  • 1回目:築13~16年前後
  • 2回目:築26~33年前後
  • 3回目以上:築37~45年前後

上記の数字はあくまでも目安であり、外壁の劣化症状で対応してください。目には見えない劣化が進んでいるケースもあるため、塗装業者に定期的なメンテナンスを依頼したほうがいいでしょう。

4-2.マンション外壁の耐用年数を高める3つの要素

マンションの外壁塗装の耐用年数を高める要素は3つあります。

  • 塗料の耐用年数
  • シーリングの耐用年数
  • 業者の技術力

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

4-2-1.塗料の耐用年数

耐用年数が高い塗料を使うことで、外壁塗装を長く持たせる方法です。中でも、フッ素塗料は約15〜20年と耐用年数が長く人気があります。また、以下の塗料も耐用年数が長く好評です。

  • アトモス塗料
  • 無機塗料
  • 光触媒塗料
  • ラジカル塗料

4-2-2.シーリングの耐用年数

シーリングとは、外壁のヒビ割れや外壁材同士のすき間などに注入するものです。塗料同様に耐用年数を高めるシーリング材を使うことで、外壁塗装の耐用年数が延びるでしょう。なお、シーリングの耐用年数は約7〜10年ですので、定期的なメンテナンスが必要になります。ちなみに、樹脂系サイディングやモルタルは、シーリングが不要です。なので、メンテナンスを楽にしたい方は外壁材にもこだわるといいでしょう。

4-2-3.業者の技術力

耐用年数が高い材料を選んだとしても、業者の技術力が低いと性能が発揮できません。そのため、業者選びは慎重に行いましょう。なお、優良業者を見つけるポイント以下の3つです。

  • 複数の見積もりで比較をする
  • 工事の実績をホームページなどで確認する
  • 外壁塗装の資格を確認する

また、複数の業者に同じ工事内容で見積もりを出してもらいましょう。工事内容や価格を比較するだけではなく、見積書が細かく明記されているかを確認してください。そして、ホームページを確認する際は、これまでの施工実績にも注目しましょう。

5.マンション外壁塗装の流れ

マンション外壁塗装工事の手順と流れを見ていきましょう。

5-1.足場の設置

外壁塗装工事は2m以上の高所作業になるため、足場の設置が必要となります。クサビ連結式足場を使うケースが一般的で、スペースが狭い場合は単管足場を採用することになるでしょう。なお、高層階にも及ぶ場合、単管足場では危険なので高所作業車を使うケースもあります。大規模なマンションほど足場の組み立ても大変な作業になるため、費用が割高になるでしょう。

5-2.シート養生

足場を組み立てた後は、シートで養生を行います。外壁塗装をする際は、風などで塗料がほかの場所に飛び散ってしまいがちです。マンションの下に停めてある車や歩行者などに塗料がかからないようシート養生をしっかりと行います。

5-3.高圧洗浄で外壁をキレイにする

次に、外壁に付着した汚れを高圧洗浄機で落とします。汚れた状態では新しい塗膜が付着しにくくなるため、汚れは丁寧に取り除くことが大切です。しつこい汚れが付着している場合は、薬品を用いることもあります。

5-4.下地処理

外壁のヒビ割れなど傷んでいる部分があると、このタイミングで補修します。下地をきちんと補修しなければ、外壁塗装をしてもすぐに不具合が出てきてしまうからです。なお、ヒビ割れの場合は、カッターでヒビ割れ部分をカットし、コーキングまたは防水モルタルを充填して補修を行います。塗膜が剝がれている場合は、ケレンベラやサンダーなどで取り除くことになるでしょう。

5-5.コーキング打ち直し

外壁にコーキング施工がされている場合は、コーキングの打ち直しを行います。既存のコーキングを取り外し、新しいコーキングを充填する方法です。なお、コーキングは塗装を紫外線から守る役割を担っているので、きちんと補修しなければなりません。

5-6.下塗り→中塗り→上塗り

下塗りは、外壁の素材と塗料の密着を高めるために行う工程で、接着剤のような役目があります。そして、外壁塗装の色を付ける工程が中塗りと上塗りです。下塗りがきちんと乾燥したのを確かめた後、ローラーや刷毛(はけ)を使って中塗りを行い、乾いた後に上塗り塗布をします。下塗りがきちんとできているかどうかで中塗り・上塗りの仕上がりが左右されるため、この工程は外壁塗装でも重要な作業です。

5-7.養生・足場撤去

すべての工程が完了した後、養生と足場を撤去します。養生を乱暴に扱うと新しい塗膜が剝がれてしまう恐れがあるため、丁寧に行わなければなりません。足場を撤去した後、工事範囲を再度確認しキレイにします。

6.オフィスチャンプの無足場工法

東京と大阪で展開しているオフィスチャンプでは、足場を架けない無足場工法を採用しています。前述したように、外壁工事は足場の設置が必要ですが、無足場工法はブランコ作業などで工事できるので足場が要りません。マンションの外壁塗装はもちろん、サイディング工事や補修工事なども行っています。なお、足場がない外壁塗装のメリットは以下のとおりです。

6-1.精神的な負担がかからない

無足場工法を用いることで、精神的な負担がかかりません。足場の設置でプライバシーが侵されたような気持ちになり、精神的な負担を感じる方もいるでしょう。また、足場から外部者が侵入するリスクもあります。足場を架けないことでプライバシーが守られ、防犯性も高まる点は大きなメリットです。

6-2.足場代がかからない

無足場工法は、足場代がかからないメリットもあります。足場の設置と撤去には費用がかかり、その金額は外壁塗装費用の約3分の1を占めているともいわれているほどです。足場を設置しないことで外壁塗装にかかる費用を抑えることができるでしょう。

6-3.狭い場所や部分工事にも対応できる

足場を設置するためにはスペースが必要ですが、無足場後方では狭い場所や部分工事にも対応できます。基本的に、無足場工法はブランコ作業またはロープ作業になるため、人が1人入れるスペースがあれば可能です。

7.マンションの外壁塗装に関してよくある質問

マンションの外壁塗装に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.塗装は何回行うべきか?
A.基本的には、下塗り・中塗り・上塗りの3回です。工程や建物の状態によっては2回・4回になることがあります。見積書に塗装回数が記載されているので、必ず確認しましょう。

Q.ヒビ割れが起きる原因は?
A.主な原因は、コンクリートの乾燥収縮です。コンクリート表面が乾燥し収縮することによってヒビ割れが発生しますが、これはごく自然な現象といえるでしょう。対策をしても経年劣化でヒビ割れが起きてしまうので、定期的なメンテナンスが必要です。

Q.タイル張りのマンションはメンテナンスすべきか?
A.タイル張りの外壁でもメンテナンスは必要です。タイルの目地部分に亀裂が入ったり、穴が空いたりすることがあります。そのまま放置すると、タイルが剝がれ落ちたり、水漏れを起こしたりする可能性が高くなるので10年周期でのメンテナンスを心がけてください。

Q.何社ぐらいに見積もりを依頼すればいいのか?
A.だいたい3社が目安です。見積書を比較する際は、塗装場所・塗料・費用に注目してください。費用が極端に安かったり、塗装や補修を急かしたりするような外壁業者には注意が必要です。

Q.外壁塗装中に注意しておきたいことは?
A.入居者への考慮です。外壁塗装中は洗濯物を外に干せなくなったり、塗料の独特な臭いがストレスになったりすることがあります。苦情が来る可能性もあるため、すぐに対応できるよう外壁塗装業者と相談し対策を練っておきましょう。

まとめ

マンションの外壁塗装をこまめに行うことで、美観が保たれるだけでなく、耐久性を維持することができます。また、定期的な改修工事を行うことは建物の維持・管理の上で必要なことです。10年前後を目安に塗り直しを行うべきですが、外壁の劣化が気になり始めたら、外壁塗装業者に相談したほうがいいでしょう。早めに対処したほうが費用も最小限に抑えることができますよ。

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