断熱塗料の効果とは? メリットやデメリット、施工業者選びのポイントも

断熱塗料はどのような効果があるのか、メリットやデメリットはあるのか……など、断熱塗料について気になっている方は多いでしょう。断熱塗料といってもさまざまな種類があり、それぞれによって効果は異なります。具体的な効果やメリット・デメリットを把握しておけば、上手に断熱塗料を活用することができるでしょう。本記事では、断熱塗料の効果や種類などについて解説します。

  1. 断熱塗料の効果について
  2. 断熱塗料のメリットとデメリット
  3. 断熱塗料にはどのような種類があるのか?
  4. 断熱塗料の施工業者を選ぶポイント
  5. 断熱塗料に関してよくある質問

この記事を読むことで、断熱塗料の施工業者を選ぶポイントも分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.断熱塗料の効果について

まずは、断熱塗料の効果についてチェックしておきましょう。

1-1.熱伝導を抑える塗料

断熱塗料とは、室内の温度上昇を抑える機能を持つ塗料のことです。同じ機能を持っている塗料として遮熱塗料がありますが、遮熱塗料と断熱塗料の効果はまったく異なります。断熱塗料の大きな特徴は、熱伝導を抑える塗料であるということです。熱や冷気の侵入を防ぎ、室内の温度上昇を抑えることができます。一方、遮熱塗料は光を反射して熱の発生を抑え、屋根や外壁などから受ける熱の影響を減らしつつ、室内の温度上昇を抑える塗料です。また、断熱塗料の耐用年数は約15~20年、遮熱塗料の耐用年数は約10~20年と耐用年数にも大きな違いがあります。

1-2.施工業者によって効果が変わる

断熱塗料は遮熱塗料よりも、冬は暖かく夏は涼しい室内環境を維持することができます。熱伝導を抑える塗料として効果は抜群ですが、その効果が発揮できるかどうかは施工業者の腕にかかっているといえるでしょう。断熱塗料は正しい量や方法で塗布しなければ、効果は実感できません。つまり、腕が悪い業者に依頼すると、高額な費用を払うだけで断熱塗料そのものの効果が実感できなくなるというわけです。

2.断熱塗料のメリットとデメリット

ここでは、断熱塗料のメリットとデメリットを解説します。

2-1.室内環境が快適になる

断熱塗料を用いる大きなメリットは、室内環境が快適になることです。遮熱塗料とは違って、断熱塗料は夏も冬でも室内の温度を快適にしてくれる機能が備わっています。夏の日差しによって室内の温度は上がりやすくなるものですが、その影響を抑えてくれたり、冬の時期には暖房で暖めた空気で室内を保温してくれたりと季節を問わず快適に過ごせるでしょう。その結果、自然と冷暖房の効率もよくなります。

2-2.節電・防音効果が期待できる

断熱塗料には、室内の温度を快適にするだけでなく、節電や防音効果もあります。断熱効果によって冷暖房にかかる費用を抑えることができ、電気代が節約できるというわけです。前述したように、断熱塗料は1年中室内の温度を適温に保ってくれるため、エアコンの使用頻度を一般塗料よりも減らすことができます。また、光熱費の削減につながるほか、音を小さくする効果もあるのはうれしいポイントです。断熱塗料は複数のセラミックで覆われているため、音を跳ね返し内部からの音漏れを防いでくれます。

2-3.結露の発生も抑制できる

結露の発生が抑制できるのも、断熱塗料の大きなメリットといえるでしょう。結露が発生するのは、室内と室外の温度差が激しいからです。温度差が大きくなればなるほど、結露は発生しやすくなり、カビの繁殖につながってしまいます。けれども、断熱塗料を外壁や屋根に施すことで、室内と室外の温度差がなくなり、結露の発生を抑えることができるというわけです。結露が発生しなくなれば、床が水滴でぬれることもなくなるでしょう。

2-4.値段が高く、効果が実感できないケースもある

さまざまなメリットがある断熱塗料ですが、デメリットもあるので注意しておかなければなりません。断熱塗料のデメリットとしては、値段が高いことです。遮熱塗料や一般塗料に比べて、断熱塗料は材料価格が高い傾向にあります。初期費用はかかりますが、耐用年数が約15~20年と比較的長いので、コストパフォーマンスで考えるとそこまで高額に感じないでしょう。
また、もう1つのデメリットとしては、効果が実感できないケースがあるということです。前述した施工業者の腕にかかっているのはもちろん、以下のような家には断熱塗料の効果が実感しにくくなるでしょう。

  • 断熱性能が低い家
  • 屋根が金属系の建物
  • 屋根の真下にリビングがある家

3.断熱塗料にはどのような種類があるのか?

ここでは、断熱塗料の主な種類について説明します。

3-1.実績がある「ガイナ」

断熱塗料といえば、1番に名前が挙がるのが「ガイナ」です。ガイナは圧倒的なシェアを誇っている断熱塗料で、戸建て住宅だけでなく工場・屋外プールの床面・船舶の甲板など幅広い箇所で用いられています。何よりも、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がロケットに用いる断熱技術を応用して開発されている点は、ガイナの大きな特徴といえるでしょう。値段は割高ですが、実績が確かな断熱塗料を使いたい方におすすめです。

3-2.伸縮性が優秀な「キルコート」

キルコから出ている断熱塗料のキルコートは、一般的な塗料よりも伸縮性に優れているのが大きな特徴です。なんと、その伸縮性はコーキング材と同等といわれており、外壁のひび割れが起こりにくくなるメリットがあります。外壁の耐久性を重視している方にとっては、最適の断熱塗料といえるでしょう。ただし、一般的な断熱塗料よりも工程が多く、費用はやや高めとなります。

3-3.費用重視の方におすすめの「断熱コートEX」

東日本塗料の断熱コートEXは、なるべく費用を抑えたい方におすすめの断熱塗料です。高い防汚性能を持っているため、トップコートと呼ばれる工程が不要となっています。トップコートとは、最後の仕上げ塗料のことで、断熱塗料には必要な工程です。けれども、断熱コートには紫外線吸収剤や光安定剤が入っているため、トップコートをする必要がありません。その分の工程を浮かせることができるため、費用を最小限に抑えられるメリットがあります。

3-4.外壁のデザインを重視するなら「シャダンネオ」

外壁の仕上がりを妥協したくない・デザインを壊したくないと思っている方は、プレマテックスから出ているシャダンネオがおすすめです。戸建て住宅の外壁塗装によく用いられている断熱塗料で、ほかのメーカーの塗料と組み合わせて使える点が大きな特徴となっています。つまり、シャダンネオを中塗り材として、その上からほかのメーカーの塗料を塗ることができるというわけです。よって、自由なデザインを選ぶことができます。

3-5.粘着力が高い「ロハスコート」

ロハスコートは高度な粘着力を持っている断熱塗料のことです。断熱力が高いと外壁のひび割れリスクを最小限に抑えることができます。断熱性能はもちろん、建物を長持ちさせてくれる要素を兼ね備えている塗料です。外壁の美観を保ち続けたいと思っている方には、おすすめの断熱塗料といえるでしょう。

4.断熱塗料の施工業者を選ぶポイント

ここでは、断熱塗料の施工業者選びについて解説します。

4-1.外壁塗装の実績があるか

まずチェックしておきたいポイントは、外壁塗装の実績があるかどうかです。前述したように、断熱塗料の効果をしっかりと確かめるためには、外壁塗装の実績があり、断熱塗料について豊富な知識を持っている塗装業者に依頼する必要があります。実際、塗装業者の中には、そこまで実績はないのにもかかわらず、高額な費用を請求する悪質な業者が存在しているのです。「外壁塗装をしてもらったのに、すぐひび割れが起きた」といった悪徳業者とのトラブルが多発しているため、慎重に選ばなければなりません。ホームページをチェックし、これまでどのような作業を手がげてきたのか確認しておきましょう。

4-2.スタッフの対応が丁寧でスピーディーか

優良業者か悪徳業者かは、スタッフの対応で判断できます。悪徳業者の多くはスタッフの対応が悪く、どのような質問をしても軽く受け流したり、適当に答えたりするだけでしょう。特に、電話対応は顕著に態度が悪い傾向があります。けれども、きちんとしている塗装業者は、どのような質問でも分かりやすく説明するスタッフがほとんどです。依頼者が納得できるまで真剣に向き合ってくれます。外壁塗装は塗装業者とのコミュニケーションが必要になるため、スタッフの対応にも注目してください。

4-3.見積書の内容が明確になっているか

正式に塗装業者へ依頼する前に、見積書の内容を確認することが重要です。見積書には、どのような工程にいくらかかるのか・どのような塗料をどのくらい使うのかなど、詳細が書かれているので必ず確認してください。料金がハッキリと記載されていなかったり、見積額を提示してくれなかったりする業者は悪徳業者の可能性が高いのでNGです。見積書の内容が明確になっている塗装業者を選びましょう。なお、東京と大阪を中心に外壁塗装を行っているオフィスチャンプでは、無料相談を受け付けています。お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

5.断熱塗料に関してよくある質問

断熱塗料に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.断熱塗装をする際の費用はいくらぐらいか?
A.あくまで目安となりますが、30坪の広さであれば、約50万円~80万円が相場となります。外壁塗装の内訳としては、塗料代・高時代(人件費)・足場代の3つに大きく分かれるでしょう。断熱塗料は種類によっても価格差があるため、なるべく事前に無料見積もりを行ってください。また、一軒ごとに異なるので、複数の塗装業者に無料見積もりや外壁診断を依頼することをおすすめします。

Q.断熱効果をより高めるポイントは?
A.ガラスとサッシを交換することです。ガラスは複層ガラスに、サッシはアルミ樹脂サッシに交換すると、より断熱効果を上げることができます。複層ガラスは板ガラスの間に空気の層を作ることで、断熱効果を高めたのが特徴です。遮音性や結露防止にも役立つでしょう。そして、アルミ樹脂サッシは、アルミと樹脂サッシが組み合わせたもので、コストは高めです。けれども、オール樹脂や木製のサッシよりも断熱性能はアップします。

Q.断熱塗料の耐久性はどのくらいか?
A.耐久性は断熱塗料の種類によって異なるでしょう。本文では、メーカーごとの種類を紹介しましたが、塗料には主にフッ素・シリコン・ウレタン・アクリルの4種類があります。それぞれの1㎡あたりの価格相場は以下のとおりです。

  • フッ素塗料:4,000円前後
  • シリコン塗料:3,000円前後
  • ウレタン塗料:2,000円前後
  • アクリル塗料:1,000円前後

Q.安い断熱塗料でも効果はあるのか?
A.正直に申しますと、単価が安い断熱塗料は単価が高い種類に比べて、断熱効果は低いといえるでしょう。やはり、単価が高い断熱塗料はそれなりの効果が期待できますし、何よりも耐用年数が長いので塗り替える頻度が少なくなるのも大きな魅力です。費用面を気にしている方は、塗り替えの頻度や性能などにも意識を傾けていたほうがいいでしょう。

Q.気をつけておきたい塗装業者の特徴は?
A.誇張したセールス文句ばかり言う塗装業者は、悪徳業者の可能性が高いので注意しておかなければなりません。「実際に温度が下がりましたよ」「今ならキャンペーン中ですので、お得に塗装できます」などの謳(うた)い文句で断熱塗料を選ばせようとします。確かに、断熱塗料にはそれなりの効果が期待できますが、絶対とはいえません。断熱塗料のデメリットを理解している業者なら、誇張したセールス文句を言わずにきちんと説明します。

まとめ

熱伝導を抑える断熱塗料は、室内外の熱移動を抑える効果があります。夏は室外の熱を遮断して涼しさを保ち、冬は室内の熱を外に逃がさず保温することが可能です。ただし、遮熱塗料よりも値段が高く、施工技術が未熟だと効果が得られないといったデメリットもあります。断熱塗料は施工業者の腕にかかっているので、依頼する業者選びも大切なポイントです。なるべく、断熱塗料に詳しく、実績のある業者に依頼したほうが、断熱塗料の効果が実感できるでしょう。複数の業者を比較した上で、信用できる業者を選んでくださいね。

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