塗装工事を行う際の工程は? 工事の流れや内容などについて徹底解説

塗装工事を行う際は、工程を正しく守って進めることが、美しい仕上がりにするためのコツです。塗装工事の工程は一般の人では分かりにくい部分があります。どんな工程があるのか、どんなポイントを押さえておけばいいのかなど、さまざまな疑問が出てくるでしょう。塗装工事を検討されている方は、塗装工事の工程について知っておくと安心です。

そこで、本記事では、塗装工事の工程や内容などに触れていきます。

  1. 塗装工事の工程について
  2. 塗装工事の工程:足場組み
  3. 塗装工事の工程:洗浄
  4. 塗装工事の工程:下地処理
  5. 塗装工事の工程:養生
  6. 塗装工事の工程:下塗り
  7. 塗装工事の工程:中塗り
  8. 塗装工事の工程:上塗り
  9. 塗装工事の工程:点検
  10. 塗装工事の工程でよくある質問

塗装工事の工程を誤ってしまうと、施工不良などのトラブルが起きる可能性があります。塗装工事の工程をしっかり理解しておき、トラブルが起こらないよう注意しましょう。

1.塗装工事の工程について

塗装工事の工程を守ることはなぜ大切なのでしょうか?

1-1.工事を円滑に進めるため

塗装工事は、長期間かかります。工事を円滑に進めるためにも、工程を理解しておくことが大切です。塗装工事を行う時期によっては、乾燥などに時間がかかり、日数が大幅に遅れる場合があります。ゆとりを持ってスケジュールを組むためにも、各工程にかかる日数などを把握しておくことも重要なポイントです。

1-2.悪徳業者による被害を防ぐことができる

それぞれの工程にかかるおおよその日数なども知っておけば、必要な工程を省いて利益を得ようとする悪徳業者などによる被害からも身を守ることができます。

2.塗装工事の工程:足場組み

塗装工事の工程は、足場組みから始めます。足場組みの内容やポイントなどを覚えておきましょう。

2-1.足場組みにかかる日数は1日程度

足場組みにかかる日数は、1日程度です。足場組みは重要な工程で、作業にあたる職人の安全確保を目的に、丈夫な足場を設けることが求められます。そのため、1日がかりで作業し、崩壊などの事故が起こらないよう注意を払うのです。

2-2.無足場工法の業者もある

業者の中には、無足場工法を導入している業者もあります。無足場工法の場合、足場を設置する工程を省くことができ、工事期間短縮につながるでしょう。しかし、無足場工法は熟練した技術を要するため、経験豊富な業者に依頼することが重要です。

3.塗装工事の工程:洗浄

塗装工事では、洗浄を行ってから塗装を行うのが一般的です。洗浄を必要とする理由を解説します。

3-1.ホコリや汚れを落とすため

塗装工事を行う前に洗浄をするのは、ホコリや汚れを落とす目的があります。ホコリや汚れが残った状態で塗装工事をしてしまうと、塗料の定着が悪く、施工後のトラブルを招く可能性があるからです。

3-2.洗浄にかかる日数は1〜3日程度

塗装工事前の洗浄にかかる日数は、1〜3日程度です。既存の塗膜は、劣化によりチョーキング現象などが起きている場合があります。チョーキング現象でできた粉・ホコリ・汚れが頑固にこびりついているほど、洗浄に時間がかかるものです。

3-3.高圧洗浄機を用いることが多い

塗装工事前の洗浄には、高圧洗浄機を用いることが多くなっています。しかし、頑固な汚れがある場合、ブラシなどを使って細かな部分の洗浄を行うケースがあるでしょう。また、外壁・屋根・ベランダなど、塗装する箇所の劣化が激しい場合、洗浄によって塗装部位が傷む場合があります。劣化などを考慮し、慎重に洗浄を進めることが大切です。

4.塗装工事の工程:下地処理

塗装工事を行う際は、下地処理を終えておくことが大切です。まず、下地処理について見ていきましょう。

4-1.下地処理にかかる日数は1日程度

下地処理にかかる日数は、1日程度です。下地処理を丁寧に行うことで、美しい塗膜が仕上がるため、省くことができない工程となっています。

4-2.主な下地処理

下地処理には、以下のものが含まれます。

  • ひび割れやクラックなどの補修
  • 既存塗膜のはく離
  • 劣化したコーキングの補修
  • サビなどの除去

塗装工事を成功に導くためにも、下地処理は丁寧に行いましょう。深刻な劣化がある場合、下地処理が1日で終わらない可能性があります。塗装工事を始める前に、業者による点検を受け、劣化箇所を指摘してもらい、大まかな日数を提示してもらうと安心です。

5.塗装工事の工程:養生

養生は、どんな目的で施すのでしょうか? 理由などをご紹介します。

5-1.養生にかかる日数は1日程度

養生にかかる日数は、1日程度です。ビニールシートや養生シートで覆う作業で、塗装する箇所以外の場所を保護するために行います。

5-2.塗料の飛散を防ぐのが目的

養生を行うのは、塗料の飛散を防ぐのが目的です。塗料がついては困る場所にシートをかけ、保護して安全に作業が進められるよう準備します。ただし、養生後は窓を開けることができなくなるので注意してください。

6.塗装工事の工程:下塗り

塗装工事は、下塗り・中塗り・上塗りの3段階に分けて行います。下塗りについて覚えておきましょう。

6-1.下塗りにかかる日数は1日程度

下塗りにかかる日数は、広さや規模などによって異なりますが、1日程度で終わるのが一般的です。下塗りに使う塗料は、塗装する箇所の材質に合ったものを選んでください。

6-2.上塗りする塗料と色を変える場合がある

下塗りに使う塗料は、上塗りする塗料と色を変える場合があります。上塗りする塗料が鮮明に表現されるよう配慮するためです。

7.塗装工事の工程:中塗り

下塗りが終わったら、中塗りという工程に入ります。中塗りについて覚えておきましょう。

7-1.中塗りにかかる日数は1日程度

中塗りにかかる日数は、1日程度です。ただし、下塗りが完全に乾いてから、中塗りを行わなければなりません。でこぼこした箇所は、ハケなどを使って塗装します。

7-2.塗料の使用量が適正であることが大切

中塗りに使う塗料は、使用量が適正であることが大切です。塗料を薄めたり、厚塗りしたりすることがあってはいけません。見た目では判断しにくいため、記録などで適正な使用量であることを確認してください。

8.塗装工事の工程:上塗り

下塗り・中塗りが終わったら、上塗りを行います。上塗りにかかる日数などについて覚えておきましょう。

8-1.上塗りにかかる日数は1日程度

上塗りにかかる日数は、1日程度です。下塗り・中塗り・上塗りと各工程を行う際は、必ずしっかり乾燥を終えてから次の工程に進んでください。

8-2.上塗りに使う塗料は中塗りと同じ

上塗りに使う塗料は、中塗りに使うものと同じ場合がほとんどです。上塗りすることで、さらに美しい塗膜が出来上がります。艶出し塗料の場合、上塗りすることで艶がより強調されるでしょう。艶なし塗料の場合、上塗りする際に艶消し材を混ぜたものを塗装して、マットな質感を出すことができるのです。

9.塗装工事の工程:点検

塗装工事の最終工程は、塗装した箇所の点検です。どのように行うのかなどを見ていきましょう。

9-1.塗料の飛散などをチェック

点検では、塗料の飛散などがないかチェックを行います。養生をしていても、塗料の飛散やはみ出しなどが生じる場合があるからです。飛散した箇所を修正する作業を行います。

9-2.ムラなどがないかチェック

塗装工事後の点検では、色ムラなどがないかチェックすることが大切です。色ムラがある場合、微調整を行い、均一で美しい塗膜に仕上げます。

10.塗装工事の工程でよくある質問

塗装工事の工程に関する質問を集めました。

Q.塗装工事は、全体で何日ぐらいかかるものなのか?
A.10日〜2週間程度と考えておきましょう。ただし、施工範囲・天候・季節などにより、工事期間が長引く可能性があります。特に、気温が低い・天候不順などがある場合、塗料の乾燥に時間がかかるため、工期が予定より長くなる恐れがあるでしょう。

Q.足場組みの工程に入る際、注意すべきことはあるのか?
A.はい、あります。足場組みを行う際、金属を叩(たた)く音などが響き、近隣に迷惑がかかる場合があるでしょう。騒音トラブルが起きないよう、事前に挨拶周りを終えておくと安心です。

Q.洗浄の工程では、コケやカビなども落とすことができるのか?
A.はい、落とすことができます。コケやカビが残った状態で塗装をしてしまうと、塗膜の性能が十分に発揮することができないため、しっかり落とすことが大切です。

Q.下塗りの乾燥を怠るとどうなるのか?
A.上塗りの定着が悪くなります。下塗りは、塗膜を均一にする効果だけでなく、上塗りする塗料を外壁などに密着するよう促す糊のような役割を持っているからです。メーカーが定める乾燥時間を守り、しっかり乾かしてから次の工程へ進みましょう。

Q.塗装工事で最も重要な工程は?
A.どの工程も重要なものばかりです。1つずつの工程を丁寧に進めることで、美しい塗膜が仕上がり、塗料の性能を十分に発揮できるようになります。工程を省く・手抜きをするなどを行う悪徳業者に引っかからないよう注意してください。

まとめ

塗装工事を検討されている方は、工程について知っておくと安心です。工程を理解しておくことは、極端に工期が短い・省かれている工程があるなど、悪徳業者を見極めるきっかけにもなります。どの工程も塗装工事を成功に導くためには重要なものです。美しい塗膜を仕上げるためにも、各工程の大切さを知っておきましょう。

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