ラッカー塗料の特徴が知りたい! 使用する際の注意点や種類など解説

「ラッカー塗料はどんな特徴を持っているのか」「どんな場所の塗装に向いているのか?」など、ラッカー塗料が気になっているけれどなかなか手を出せずに悩んでいる方は多いでしょう。ラッカー塗料は速乾性に優れていることから、素早く作業を終えることができるメリットがあります。特徴をしっかりと把握しておけば、効率よく作業ができるでしょう。

そこで、本記事では、ラッカー塗料がどんな場所の塗装に向いているのかなど、詳しく説明します。

  1. ラッカー塗料の特徴・ほかの種類との違いは?
  2. ラッカー塗料が塗装に向いている場所
  3. ラッカー塗料を使用する際の注意点
  4. ラッカー塗料に関してよくある質問

この記事を読むことで、ラッカー塗料の使い方や注意点などが分かります。気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

1.ラッカー塗料の特徴・ほかの種類との違いは?

まずは、ラッカー塗料がどのような特徴を持っているのか、ほかの種類とどんな違いがあるのかチェックしておきましょう。

1-1.アクリル樹脂やニトロセルロースが主成分

ラッカー塗料は、アクリル樹脂やニトロセルロースを溶剤で溶かしたものです。濃硝酸や濃硫酸などの液体に混ぜると化学変化が起こり、ニトロセルロースと呼ばれる樹脂や合成樹脂が生まれます。そのニトロセルロースを揮発性の高い溶剤に溶かして作るのがラッカーです。最近では、ラッカー塗料=揮発性の溶剤を使った塗料の総称として使われています。古くから高級家具用塗料やギターなど楽器の塗料として使われてきました。現在でも、さまざまな場面で使われています。

1-2.ラッカー塗料の長所は速乾性と作業性の良さ

ラッカー塗料の大きな長所は、速乾性と作業性の良さです。前述したように、木材の主成分であるセルロースを使用しているため、乾燥が速く、作業をスピーディーに終わらせることができます。セルロースは溶液が塗布されると溶剤が揮発し、硬さと強靭(きょうじん)性のある透明な塗膜を残すことができるものです。だからこそ、補修作業も簡単で刷毛(はけ)塗りやスプレー塗装にすると簡単に作業できるといわれています。また、しっとり感のある美しい仕上がりや密着性が良いこと、比較的安価で塗装コストが安上がりできる点も長所の1つです。

1-3.においがきつく耐シンナー性がない

ランナー塗料は長所だけでなく、短所もあるのでしっかりと把握しておかなければなりません。溶剤を揮発させるだけの乾燥機構となっているため、耐シンナー性がないのが特徴です。耐シンナー性がないとどうしてもにおいがきつくなってしまいます。塗料は独特なにおいがするものですが、その中でもラッカー塗料はにおいがきつい傾向があるのです。また、耐湿熱性・耐候性に劣る短所も持っています。さらに、耐シンナー性がない性質上、ポリウレタンやポリエステル等の下塗りにも不適切です。以上の短所をしっかりと把握しておけば、シンナー塗料を上手に使うことができるでしょう。

1-4.扱いやすいのは水性ラッカー

比較的、扱いやすい種類といわれているのが水性ラッカーです。水性ラッカーは水溶性ラッカーとも呼ばれており、水溶性のアクリル樹脂と水を主成分とした溶剤、顔料を使用した塗料となります。水性といってもいったん乾燥すればみずに溶け出すというわけではありません。また、シンナーなど有機溶剤を使っているニトロセルロースラッカーよりも毒性が非常に低いというメリットがあります。水性ラッカーを使えば、独特のシンナー臭もないので屋内でも役立つでしょう。さらに、水で希釈を行うことができるため、別途シンナーが必要ありません。油性の塗料よりも伸びが良いとされています。

ラッカーは比較的使いやすい塗料なんですね。
はい。ただし、シンナーの臭いが強く、使う際は換気が必須です。

2.ラッカー塗料が塗装に向いている場所

ここでは、ラッカー塗料が塗装に向いている場所をいくつか紹介します。

2-1.木工品・鉄製品などの下地に塗装する

一般にスプレー塗料といえばラッカー塗料またはラッカースプレーといわれているほど代表的な塗料となっています。速乾性に優れていることもあり、木工品や鉄製品などの下地に塗装できるでしょう。古くから高級家具の塗装に使われてきたのも、速乾性に優れていることだけでなく、しっとり感のある美しい仕上がりになるからです。ラッカー塗料の乾燥時間は季節によって異なりますが、だいたい10~30分でしょう。
また、カラーバリエーションが豊富なのもラッカー塗料の魅力といえます。DIYで作業をするときはもちろん、プラモデルを作る際にもラッカースプレーが役立つでしょう。プラモデルを販売しているお店に行くと、手軽に使えるラッカー塗料がたくさん売られていると思います。

2-2.狭く入り組んだ場所

ラッカー塗料は刷毛塗りやスプレー塗装に向いているといわれているため、狭い場所や入り組んだ場所での塗装にも適しています。主な塗装方法は刷毛・ローラー・スプレーの3種類がありますが、塗装場所によって使い分けるのが基本です。主に、刷毛は狭い場所・入り組んだ場所、ローラーは広く平らな面、スプレーはホビー品などの細部に適しています。ラッカー塗料はスプレー塗料が主流になっているため、ローラー塗装には向いていません。乾燥が速く光沢が優れていることから、「少しきれいにしたいな」と思う箇所に塗るケースに向いているといえるでしょう。

2-3.金属との相性が抜群

ラッカー塗料は耐久性に優れており、金属との相性が非常に抜群です。金属でできたホビー商品など、金属を塗装したいときにはおすすめの塗料といえるでしょう。たとえば、好きな色のラッカースプレーを吹きかけたり、DIYでアレンジしたりするなど、さまざまな使い方ができます。ただし、金属はそのまま塗装をしてもすぐに剝がれてしまう恐れがあるため、下地を作ることが大切です。サビや塗装がされているものはワイヤーブラシを使って剝がすところから始めましょう。サンドペーパーを使えば簡単に剝がすことができます。

2-4.屋外には向いてない!?

ラッカー塗料は耐湿熱性や耐候性に劣る面があるため、屋外には向いていない塗料となります。けれども、きちんと正しく下地を作って塗れば、紫外線の強い屋外でも使用可能です。ラッカー塗料の特徴を把握し、塗る前に下地をしっかり作ることが大きなポイントとなります。ただし、色によってはすぐに色あせてしまったり、剝がれ落ちたりすることもあるので注意しなければなりません。屋外塗装に使用する際は、できるだけ塗装の実績がある業者に依頼するといいでしょう。経験豊富な業者に依頼することで、ラッカー塗料を正しく使ってもらうことができます。

屋外で使用するものには向いていないんですね。
はい。ですから、屋内で使用するものの塗料に使うのがおすすめです。

3.ラッカー塗料を使用する際の注意点

ここでは、ラッカー塗料を使用する際の注意点をいくつか説明します。

3-1.下地の塗膜を溶かしてしまうことも

ラッカー塗料を使用する際は、重ね塗りに注意しなければなりません。基本的に、ラッカー塗料は溶剤が揮発することで乾燥し塗膜か硬くなります。使われている溶剤が非常に強力なので、重ね塗りをした結果、下地の塗膜を溶かしてしまう恐れがあるのです。特に、下地に水性アクリルラッカーやウレタン塗料などほかの塗料が塗られている上からラッカー塗料を塗ってしまうと、下地の塗膜が傷んでしまいます。けれども、下地がラッカー塗料の場合は、その上にアクリルラッカー塗料や水性ラッカー塗料を重ね塗りしても構いません。ラッカー塗料を下地の上に重ね塗りする際は、どんな下地が使われているのか確認が必要です。

3-2.換気を十分に行う

ラッカー塗料はにおいがきついので、使用する際は窓を開けてから換気を十分に行った上で使いましょう。特に、スプレータイプは可燃ガスと有機溶剤が入っているため、換気だけでなく火気にも十分に気をつけなければなりません。ラッカー塗料を使用する際は、なるべく換気がよく風のない屋外で行ってください。さらに、周囲を汚さないようにマスカーや古新聞などでしっかりと養生することも大切です。念のため、作業の際は塗装用のマスクやビニール手袋も着用するといいでしょう。そして、スプレー缶を使用する前には必ずよく振ってかき混ぜることも大切なポイントです。

3-3.ゴム系の素材とアセトンなどの溶剤に要注意

ラッカー塗料は扱いやすいのが大きな魅力でもありますが、非常にデリケートな塗料なので扱い方に注意が必要です。特に、気をつけなければならないのが、ゴム系の素材とアセトンなどの溶剤となります。たとえば、ゴム系の素材でできているギタースタンドはラッカー塗料が使われていますが、高温・多湿な環境で保管していると溶けてしまう恐れがあるのです。また、乾ききっていないラッカー塗料にアセトンなどの溶剤をかけてしまうと、塗料が落ちてしまいます。そのほか、ラッカー塗料はさまざまな素材が反応する危険があるため、使用時の注意点をきちんと読んでから使用しましょう。

使う素材にも注意し、塗る際は定期的に換気するなど注意点があるんですね。
はい。どこにでも無造作に塗ってはいけません。

4.ラッカー塗料に関してよくある質問

ラッカー塗料に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.アクリルラッカーとの違いは?
A.アクリルラッカーとラッカーの大きな違いは、主成分です。アクリルラッカーはニトロセルロースではなく、アクリルなどの合成樹脂を揮発性の溶剤で溶かしたものとなります。そのため、本来は合成樹脂塗料と呼ぶのが正解ですが、溶剤を使用した速乾性のある塗料ということでラッカー塗料として扱われているのです。アクリルラッカーは古くからあるニトロセルロースラッカーの弱点を補った塗料といえます。

Q.水性・油性との違いは?
A.水性塗料は乾燥が速い点ではラッカー塗料と同じですが、においが少なく、道具の後始末も水洗いが可能です。誤って塗料が手についたとしてもお湯でサッと洗い流すことができます。作業性が良いので、初心者におすすめの塗料といえるでしょう。そして、油性塗料は鉄製品の塗装に最適で、サビ対策としては強い威力を発揮します。水性やラッカー塗料と比較して、乾燥時間が遅くなる点が大きな違いです。

Q.金属に塗装する主な流れは?
A.ラッカースプレーを金属に使用した際の主な流れは以下のとおりです。

  1. 塗装面についているホコリやゴミをきれいに取り除く
  2. 油汚れを除去するためにシリコンオフスプレーまたはペイント薄め液などで拭く
  3. へこんでいる部分があればパテで埋め、乾いたら耐水ペーパーで表面を平らに整える
  4. 全体をサンドペーパーで軽く磨き、再びシリコンオフスプレーまたはペイント薄め液で油分と汚れを除去する
  5. 塗料との密着性を高めるために、メタルプライマーを下塗りする
  6. マスキングテープで塗りたくない部分をしっかりとカバーする
  7. 塗装対象から30cmほどスプレー缶を離し、スピードを一定に保ちながら缶を動かすようにしながら対象に塗料を吹きつける

ポイントは、1度に厚塗りするのではなく、3回以上に分けて薄めに重ね塗りをすることです。そうすることで、きれいな仕上がりになります。

Q.木材に塗装する主な流れは?
A.ラッカースプレーを木材に使用した際の主な流れは以下のとおりです。

  1. 塗装面についているホコリやゴミをきれいに取り除く
  2. 油分を除去するために、シリコンオフスプレーまたはペイント薄め液などで拭き取る
  3. 塗り替えの場合、塗料が剝がれかけている部分をスクレーパーなどで除去する
  4. 全体を180~240番程度のサンドペーパーで磨く
  5. 穴や欠けている部分をパテで埋めて乾燥させる
  6. 下地に木部用プライマーを塗り、よく乾かした後に素地をサンドペーパーで磨く
  7. マスキングテープで塗りたくない部分をしっかりと養生する
  8. 塗装対象から30cmほどスプレー缶を離し、スピードを一定に保ちながら缶を動かすようにしながら対象に塗料を吹きつける

Q.塗装業者選びのポイントは?
A.どの塗装業者に依頼すればいいのか分からないときは、以下のポイントに注目してください。

  • 塗装実績がホームページ等に記載されているか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 無料相談や無料見積もりを行っているか
  • 実際に利用した人の口コミや評判がいいか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか

外壁リフォームを中心に行っているオフィスチャンプでは無料相談を受けつけています。塗装でお悩みの方は、ぜひ1度ご相談ください。

まとめ

ラッカー塗料は、発色がいい・感想が速い・塗膜が強い・色の種類が豊富という特徴があります。基本的に、プラモデルの塗装に使われることが多いですが、スプレーガンやスプレー缶を使った塗装にも最適です。ただし、においがきついというデメリットがあるため、使用時は換気に注意しなければなりません。ラッカー塗料を使った塗装で悩んでいる方は、1度、外壁塗装などの実績がある専門業者に相談するといいでしょう。

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