ビルの外壁塗装に適したタイミングは? 向いている塗料や費用など

ビルの管理者やオーナーにとって、ビルの外壁塗装を定期的に行うことはとても大切なことです。けれども、どういったタイミングで塗料を塗るべきか、どんな塗料を選べばいいのかなど、外壁塗装に関する悩みをたくさん抱えていることでしょう。

本記事では、ビルの外壁塗装について詳しく説明します。

  1. ビルを外壁塗装するタイミングは?
  2. ビルの外壁塗装に向いている塗料
  3. ビルを外壁塗装する際の準備
  4. ビル外壁塗装の費用はいくらぐらいか?
  5. ビルの外壁塗装に関してよくある質問

この記事を読むことで、ビルの外壁塗装に適したタイミングや塗料などが分かります。悩んでいる方はぜひチェックしてください。

1.ビルを外壁塗装するタイミングは?

最初に、ビルを外壁塗装するタイミングをチェックしましょう。

1-1.最低でも15年に1度は塗り替えが必要

ビルの外壁塗装は、最低でも15年に1度は行ったほうがいいといわれています。外壁は雨風やチリ・砂・ホコリなどが付着しやすいところです。高層階が多いビルは汚れにくい印象を受けるかもしれませんが、外壁は常に汚れていると思った方がいいでしょう。定期的に外壁を塗り替えなければ劣化が進みやすくなり、汚れが目立ってしまいます。より丈夫で清潔な印象を保ち続けるためには、15年に1度の外壁塗装が必要不可欠です。

1-2.塗料の耐用年数が近づいたころ

もう1つの目安として、ビルの外壁塗装を行うタイミングは塗料の耐用年数が近づくころです。ビルで使用する塗料はフッ素塗料が多いですが、塗料によって耐用年数が大きく異なります。よく使われるフッ素塗料の場合、約15~20年が耐用年数といえるでしょう。塗料によっては10年以内で寿命を迎える種類もあります。外壁塗装は美観を保つだけでなく、下地を守るために施している部分あるため、外壁塗装が剝がれてしまうとダイレクトに下地が傷んでしまいやすくなるでしょう。下地を傷めないためにも、塗料の寿命が迎える前に塗り直す必要があります。

1-3.気になる劣化症状が出てきたとき

外壁塗装を行うタイミングには、劣化症状が見られます。たとえば、外壁にひび割れが起きたり、色あせたり、チョーキング現象(白い粉が手につく現象)が起きたりするなどです。これらは外壁塗装が劣化している証拠となります。そのまま放置すると下地を傷めてしまうことになるため、できるだけ早めの塗装と補修を行うべきです。劣化症状が気になり始めたときも、外壁塗装のタイミングだと思ってください。

2.ビルの外壁塗装に向いている塗料

ここでは、ビルの外壁塗装に向いている塗料をいくつか紹介します。

2-1.主な外壁塗装は6種類

ビルの外壁塗装に使われる塗料とそれぞれの特徴・単価相場は、以下の6種類です。

  • アクリル系:最も安く、塗料の中で耐久性が低い(約1,000~1,200円)
  • ウレタン系:比較的安価で密着性と防水性が高い(約1,800~2,000円)
  • シリコン系:コストパフォーマンスが高く、汚れがつきにくい(約2,500~3,500円)
  • ラジカル系:紫外線による悪影響を防ぐことができる(約3,500~4,000円)
  • フッ素系:耐久性が圧倒的に高く、雨で汚れを落とす機能を持っている(約3,500~4,500円)
  • 無機系:フッ素塗料よりも耐久性に優れている(約5,000~5,500円)

2-2.ラジカル系・フッ素系・無機系塗料が向いている

さまざまな塗料がビルの外壁塗装に使われていますが、中でもおすすめなのはラジカル系・フッ素系・無機系塗料の3種類です。
ラジカルという成分を制御する機能があるラジカル系塗料は、紫外線に強い特徴があります。外壁の劣化が進むとチョーキング現象が起きやすくなりますが、ラジカル系塗料を使うことで紫外線による影響を少なくすることが可能です。
フッ素系塗料は硬く頑丈で耐久力があり、ツヤがあるので汚れが付着しにくい特徴があります。シリコン系やラジカル系塗料よりも耐久性が優れている塗料です。
無機系塗料は、塗料の中でもグレードが高い塗料で、硬く頑丈な特徴を持っています。硬さからひび割れが起きやすいというデメリットがありましたが、近年では弾性を持っている無機系塗料も登場しており、耐久性と柔軟性を併せ持つことができました。

3.ビルを外壁塗装する際の準備

それでは、ビルを外壁塗装する際に準備すべきことを説明します。

3-1.事前に決めておきたい外壁の色

ビルは見た目が悪いとテナントの入りが悪くなり、運営できなくなってしまいます。ビルに入っている会社やお店の印象まで悪くしかねないからこそ、見た目には十分にこだわらなければなりません。そこで、事前に決めておいてほしいのが、ビルの外壁の色です。ただ、外壁をきれいにすることが目的なら、もとの外壁と同じような色にしておくと安心でしょう。印象を大きく帰る場合は、現在のビルに入っている会社やお店のイメージに合うような色を選択しなければなりません。イメージを損なうような色にしてしまうと、周囲から苦情がくることもあります。ビルに入っている会社やお店と話し合いながら、外壁の色を決めてください。

3-2.ビルのテナント・入居者に早めに伝える

外壁塗装工事を始める前に、ビルのテナントや入居者に伝えることが大切です。外壁塗装をすることが決まった時点で、伝えるようにすると安心できるでしょう。ビルの外壁工事は約1~2か月、場合によっては数ヶ月以上かかる可能性があります。ビルは不特定多数の人が出入りする場所なので、早めに伝えることが大切です。なお、ビルのテナントや入居者に伝える際は、以下のポイントに注目しましょう。

  • 塗装工事は塗料の特殊な匂いが発生するため、窓や換気扇から塗料の匂いが入ってくる可能性がある
  • 足場の組み立て・撤去をするときは特に大きな音が鳴る
  • 窓のすぐ外で職人さんが作業をすることがある
  • 足場を組むと泥棒が上って侵入しやすくなる場合があり、戸締まりなどの防犯をしっかりとしてもらう必要がある
  • 高圧洗浄中や、塗装中で塗料の匂いが強いときは、窓を閉め切る必要がある

3-3.近隣への挨拶も必ず行う

ビルのテナントや入居者に伝えるのはもちろん、近隣への挨拶も忘れずに行っておきましょう。ビルを利用する人たちばかりに気をつかうあまり、事前の挨拶を忘れてしまうことがよくあります。まわりの家や建物への配慮を忘れてしまうと、トラブルに発展する可能性が高くなるので注意が必要です。近隣のビル・商業施設・お店・住宅などに事前の挨拶をしておくことで、近隣トラブルの防止につながります。

3-4.外壁塗装業者を慎重に選ぶ

外壁塗装工事を行うためには、外壁塗装業者を選ばなければなりません。外壁塗装の通達をする前に、業者選びを行ってください。理想どおりの仕上がりになるか否かは、すべて業者の腕にかかっているといっても過言ではありません。それだけ、ビルの外壁塗装において、業者選びはとても重要な要素といえます。すぐに外壁塗装をしなければならない状況で業者選びをすると、悪徳業者に引っかかる恐れがあるので要注意です。時間に余裕を持って慎重に選びましょう。

4.ビル外壁塗装の費用はいくらぐらいか?

では、ビルの外壁塗装にかかる費用はいくらぐらいになるのでしょうか。

4-1.階数と塗装面積・塗料の種類によって異なる

ビルの外壁塗装は一戸建てよりも高額な費用がかかります。具体的な費用は見積もりを依頼しなければ分かりませんが、大まかな費用の目安は以下を参考にしてください。

  • 3階建て(800㎡):ウレタン塗料・約272万円~/フッ素塗料 約408万円~
  • 4階建て(1050㎡):ウレタン塗料・約357万円~/フッ素塗料 約536万円~
  • 5階建て(1300㎡):ウレタン塗料・約442万円~/フッ素塗料 約663万円~
  • 6階建て(1600㎡):ウレタン塗料・約544万円~/フッ素塗料 約816万円~
  • 7階建て(2000㎡):ウレタン塗料・約630万円~/フッ素塗料 約943万円~

4-2.複数の業者に無料見積もりを依頼する

具体的な費用や内訳が知りたい方は、複数の業者に無料見積もりを依頼してください。ポイントは1社だけでなく、複数の業者に依頼することです。面倒だから1社だけでいい、と思われがちですが、複数の業者を比較することで悪徳業者を見極めることができます。より適切な値段で外壁塗装を行ってくれる業者が見つかりやすくなるでしょう。また、大まかな平均費用も把握できるようになります。

4-3.費用削減したいなら足場代をなくす

ビルの外壁塗装にかかる費用は、塗料のグレードやビルの塗装面の面積などで異なりますが、足場代が大きく関係しているといえるでしょう。ビルの外壁を塗り直す場合、足場を組み立てる必要があります。全体的な費用のうち、足場代は約半分を占めているとまでいわれているほどです。だからこそ、足場代をカットすれば大きな節約が可能となります。オフィスチャンプでは、足場を組み立てない外壁塗装を行っているため、最小限の費用で外壁塗装が可能です。費用面で悩んでいる方は、1度ご相談ください。

5.ビルの外壁塗装に関してよくある質問

ビルの外壁塗装に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.光触媒塗料はビルに向いているか?
A.フッ素系塗料よりもグレードと値段が高い光触媒塗料は、ビルに向かない塗料です。光触媒塗料は汚れを自分で落とす機能を持っていますが、ビルとビルの間に光が入らない限り機能が発揮できません。そのため、光が入りにくいオフィスビルの密集地では効果が期待できないでしょう。また、塗装技術が必要なこと、費用面においてもデメリットのほうが大きめです。

Q.塗装中の注意点は?
A.塗料の匂いは独特なので、できるだけ窓を開けないようにしましょう。マンションなど住居共同ビルの場合は、マンションの各入居者にも事前にしっかりと伝えなければなりません。ベランダの植木や荷物は室内に移動する・工事中は日当たりが悪くなる・洗濯物を干すことができないなど伝えるべきことはたくさんあります。これらをしっかりと伝えることで、塗装中のトラブルを未然に防ぐことができるはずです。

Q.予算とグレード、どちらを優先すべきか?
A.できれば、塗料のグレードを優先してほしいのですが、予算内に抑えたい方が多いでしょう。そんなときは、予算内に抑えられる塗料がないか外壁塗装業者に相談してください。ビルの外壁塗装実績が豊富な業者ほど、適切なアドバイスをしてくれるはずです。相談しながら塗料を決めていけば、塗り直したり失敗したりする心配もありません。ただし、安すぎる塗料はすぐに劣化してしまう恐れがあるので安易に選択しないようにしましょう。

Q.塗料の色を選ぶ方法は?
A.主な方法とそれぞれの特徴は以下のとおりです。

  • 色見本帳:多くの塗料の色を手元ですぐに確認できる
  • 塗料メーカーのカタログ:塗料の種類によっては外壁に近い素材で表現されている
  • 塗り板:見本帳やカタログよりも大きな面積で確認できる
  • カラーシミュレーション:ビル全体の塗り替えイメージが簡単にできる
  • 施工写真を見せてもらう:実際の施工例が手元で確認できる

できるだけ、実物で色を確認したほうがいいでしょう。カタログで見る色と実際の色では多少の違いがありますし、日光に当たったときの印象も大きく異なるからです。

Q.外壁塗装業者選びのポイントは?
A.大規模な建物の塗装ができるか・スタッフの対応やスピーディーさ・ビルの外壁塗装を多く経験しているかなどに注目するといいでしょう。特に、ビルの外壁塗装経験が豊富な業者なら、工事にどのくらいの期間がかかるのか・工事の流れや注意点などもしっかり説明してくれます。きちんと説明してくれない・見積書の内容が大ざっぱな業者は要注意です。

まとめ

ビルの外壁塗装は定期的に行う必要があります。塗装タイミングはビルの規模にもよりますが、主に塗料の耐用年数を目安にするのが一般的です。塗料の種類によって耐用年数が異なるため、寿命を迎える前に塗り替えてください。ただし、ビルの外壁塗装は一戸建てよりも費用と時間がかかります。大まかなスケジュールを立てて、信用できる塗装業者に依頼することが大切です。塗装業者選びによっても仕上がりが大きく異なるため、複数の業者を比較したり、スタッフの対応をチェックしたりするなど業者選びのポイントも押さえましょう。

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