外壁シーリングの打ち替えをするタイミングは?〜具体的な方法と依頼の仕方〜

外壁にひび割れなどの劣化症状が見られたときは、外壁シーリングの打ち替えが必要になるかもしれません。戸建て住宅の外壁に使用することが多い窯業系サイディングパネルやALC板のつなぎ目は、コーキング材が使われており、ひび割れの際には打ち替えを行うことになるでしょう。しかし、どのように補修すればいいのか、どこに依頼すべきか悩みますよね。

本記事では、外壁シーリングの打ち替えを行うタイミングや依頼先などについて解説しましょう。

  1. 外壁シーリングにはどんな種類があるのか?
  2. 外壁シーリングの打ち替えと打ち増しの違いは?
  3. 外壁シーリングの打ち替えが必要な症状と方法
  4. 外壁シーリングの打ち替えを依頼する方法
  5. 外壁シーリングの打ち替えに関してよくある質問

この記事を読むことで、外壁シーリングの打ち替え方法やポイントなどが分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.外壁シーリングにはどんな種類があるのか?

まずは、外壁シーリングの主な種類をチェックしておきましょう。

1-1.屋根と外壁の補修ができる万能薬

シーリング材は、屋根と外壁の補修ができる万能薬といわれています。一般的に、専門業者が扱う材料となりますが、少量で用いる場合は素人でも扱うことが可能です。シーリングのほかに、シリコン・シリコーン・コーキングとも呼ばれています。外壁補修工事にシーリングは必要不可欠なもので、コーキングガンと呼ばれる銃のようなものでシーリング材を押し出して施工を行うのが基本です。そのため、シーリング工事を行う際は、シーリングを塗るではなく打つといった表現をします。

1-2.シーリング材の主な種類を紹介

シーリング材にはさまざまな種類があるため、それぞれの特徴をしっかりと把握しておくことが大切です。主な種類は以下のとおりとなります。

  • アクリル系:新築のALC板に使われることが多く、耐久性が低く非常に安い
  • ウレタン系:耐久性はあるが紫外線に弱い
  • ポリウレタン系:弾力性に優れるが紫外線に弱い
  • シリコン系:耐候性・耐熱性は高いが目地周辺が汚れやすい
  • 変成シリコン系:耐候性・耐熱性がシリコン系よりも劣るが目地周辺の汚れに強い
  • 油性コーキング:皮膜を形成するため、外壁の亀裂箇所に使われることが多い
  • ポリサルファイド系:接着性が高いが、金属類への使用ができない

2.外壁シーリングの打ち替えと打ち増しの違いは?

間違えやすい外壁シーリングの打ち替えと打ち増しの主な違いを解説します。

2-1.既存のコーキングを撤去するかしないか

外壁シーリングの打ち替えと打ち増しの大きな違いは、既存のコーキングを撤去するかしないかです。既存のコーキングを撤去して新たにコーキングを打つ工法が打ち替え(打ち直し)となります。一方、既存のコーキングの上から重ねて打つ工法が打ち増し(増し打ち)です。基本的に、コーキングの補修を行う場合は、打ち替えを採用することになります。打ち替えをしたコーキングの耐用年数は約7~10年、長くて15年ほど持ち続けることが可能です。それに比べて、打ち増しは既存のコーキングの上から作業を行うため、耐用年数は2~5年程度と短めになります。

2-2.打ち替えは費用が高い

打ち替えは古くなったコーキング材をすべて取り外し完全に新しくするため、工事費が打ち増しよりも高くなるデメリットがあります。けれども、外壁の目地のすき間をしっかり埋めることができるので、防水性や柔軟性が確保できる点がメリットです。できるだけ、費用を抑えたいからと打ち増しを採用するケースがありますが、打ち増しは強度を失ってひび割れが起きたコーキングを修復することはできません。万が一、目に見えない箇所にひび割れやすき間が発生していても、気づきにくいというデメリットがあります。

2-3.外壁の状態を把握することが大事

コーキングの打ち替えと打ち増しにはそれぞれ違いがあるため、メリットやデメリットを把握した上で適切な方法を選ぶことが大切です。また、外壁がどのような状態になっているかチェックすることも大事なポイントとなります。しっかりと調査を行うことで、目に見えないコーキングの内側や裏側にひび割れが起きていないかが把握できるでしょう。コーキング材の劣化が軽度なら、コーキングの打ち増しでも可能です。

3.外壁シーリングの打ち替えが必要な症状と方法

それでは、外壁シーリングの打ち替えが必要な症状と具体的な方法について解説します。

3-1.コーキングのひび割れ・破断

外壁のコーキング部分にひび割れが見られるようになったら、素材そのものの柔軟性が低くなっている証拠です。そのため、数年以内にコーキングの寿命がやってくることになります。ひび割れを放置するとコーキング材が硬くなり、亀裂が入るようになるでしょう。少しずつ亀裂の部分が大きくなり、最後には真ん中が切れてしまうという破断状態になってしまいます。破断になると早急な補修が必要になるので、できればひび割れが起きたときに専門業者に相談したほうがいいでしょう。

3-2.肉やせと剝(は)がれ

ひび割れや破断だけでなく、コーキング材の肉やせと剝がれも補修すべき劣化症状です。コーキングの弾力が少しずつ弱まってくると施工した部分がやせて細くなります。これが肉やせという現象で、外壁材との間にすき間が生じる原因です。そして、肉やせの状態を放置すると、さらにコーキング材が剝がれるようになります。コーキング材が剝がれてしまうと、そのすき間から雨水が入り込んでしまうので注意が必要です。雨漏りは建物内部の腐食につながり、シロアリ被害に遭うリスクも高まるでしょう。

3-3.シーリング打ち替えの主な流れ

前述したように、シーリング材の補修方法は打ち替えと打ち増しの2つです。打ち替えは既存のシーリングを撤去してから、新しいシーリング材を打つことになります。それでは、シーリング打ち替えの主な流れをチェックしておきましょう。

  1. 既存の目地をカッターやペンチなどを使って取り除く
  2. マスキングテープを貼ってプライマーを塗る
  3. ボンドブレーカー(目地底に貼るシール)を貼り、シーリング材を充塡する
  4. ヘラでシーリング材を整える
  5. 最後にマスキングテープを剝がして完成

具体的な工事方法や流れは業者や外壁の状態によって異なります。業者に依頼する前に、具体的な流れや施工方法をしっかり確認しておきましょう。

3-4.DIYでのシーリング打ち替えは難しい

費用を最小限に抑えるために、自分でシーリングの打ち替えをする方がいますが、想像以上に難しい作業なのでDIYはおすすめしません。シーリングの打ち替えは極めて難しい作業という点から、専門業者に依頼することが大切です。また、専門業者の中でもシーリング打ち替えの知識や経験がある職人に依頼しなければなりません。経験豊富な職人に依頼することで、施工後のトラブルを未然に防ぐこともできるでしょう。

4.外壁シーリングの打ち替えを依頼する方法

外壁シーリングの打ち替えを依頼する方法を解説します。

4-1.シーリング工事に長(た)けた専門業者を選ぶ

外壁シーリングの打ち替えは、外壁工事を行っている業者に依頼することになります。前述したように、できるだけシーリング工事に長けた業者を選んでください。きちんと作業を行わない悪徳業者に依頼してしまうと、施工後にすぐひび割れたり、シーリング材が劣化したりするなどのトラブルに遭う可能性があります。業者選びの際は以下のポイントに注目しましょう。

  • シーリング工事の実績があるか
  • 施行前に外壁調査を行ってくれるか
  • どのような質問にも丁寧かつ分かりやすく答えてくれるか
  • 無料見積もりや無料相談を行っているか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか
  • 工事保証が整っているか
  • 口コミや評判がいいか

4-2.シーリングの打ち替え費用はおよそ40万円

シーリングの打ち替えにかかる費用は、標準的な戸建て住宅の場合、総額でおよそ40万円~です。打ち増しの場合はコーキング材の種類と長さ+足場代がかかりますが、打ち替えの場合は既存コーキングの撤去代が加算されることになります。また、コーキング材の種類によって費用が大きく変わるでしょう。シリコン系コーキング材は1㎡あたり700~900円、ウレタン系は1㎡あたり500~600円が相場となります。そのほか、施工する目地部の長さや足場の有無などによっても大きく異なるため、予算と比較しながら具体的なプランを決めましょう。

4-3.足場をかけない作業が可能な「オフィスチャンプ

外壁塗装や外壁工事を行っているオフィスチャンプでは、基本的に足場をかけない作業をしています。コーキング材を使った補修は2階部分まで行うことが多いため、ほとんどの物件では足場を設置することになるでしょう。しかし、足場代は約20万円と全体費用の多くを占めています。つまり、足場代を抑えることができれば、かなりの節約が可能です。オフィスチャンプは足場をかけない作業に長けているため、費用節約したい方でも安心してご利用いただけます。悩んでいる方はぜひ1度ご相談ください。

5.外壁シーリングの打ち替えに関してよくある質問

外壁シーリングの打ち替えに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.シーリング材の役割は?
A.シーリング材はサイディングボードやALC外壁のすき間を埋めるために使われます。パネルとパネルの間にはすき間が生まれてしまうため、そこにコーキング材を埋めてすき間を塞ぐのが基本的な役割です。すき間を埋めることで、外壁から侵入する水や汚れを未然に防ぐことができます。また、地震などの揺れで外壁にひびが入らないように衝撃を吸収するのも大切な役割です。

Q.カートリッジタイプと2液を混ぜて作るタイプの違いは?
A.カートリッジタイプは施工が早く、シーリング材がいつでも打てるようになっています。職人にとっては施工前の準備と施工後の掃除が簡単になりますが、依頼側にとっては費用が高くなる点がデメリットです。一方、2液を混ぜて作るタイプは施工時間と準備がかかってしまいます。混ぜるのに使用した缶や撹拌(かくはん)機を施工後には掃除しなければなりません。ただし、カートリッジタイプよりも安く抑えることができます。

Q.シーリングが劣化する時期は?
A.シーリングの耐用年数は10年といわれていますが、3~5年程度で劣化し始めます。特に、紫外線に当たりやすい箇所は劣化スピードが速いでしょう。雨が少なく日照時間が長い地域はシーリング材が劣化しやすいので注意が必要です。劣化症状がすぐに把握できるよう、定期的に外壁の状態をチェックしてくださいね。

Q.打ち替えと打ち増し、どちらのほうが施工期間が短いのか?
A.施工期間が短いのは打ち増しです。既存のシーリング材を撤去する必要がないため、その分の時間と手間を短縮することができます。一方、打ち替えは既存のシーリング材を撤去しなければならないので施工時間も長くなってしまうでしょう。あくまで目安となりますが、コーキングの打ち増しは2~3日、打ち替えは5日~1週間程度となります。

Q.依頼しないほうがいい業者の特徴は?
A.訪問営業の業者には注意してください。「早く補修しないと危ないです」といった謳(うた)い文句で外壁工事を依頼させようとする業者は、悪徳業者の可能性があります。優良業者はわざわざ訪問しなくても依頼されるため、自ら営業することはありません。また、施工前に外壁調査をしない・見積書の内容が具体的に記載されていない・料金設定が明確でない業者も要注意です。業者選びに悩んだときは、複数の業者を比較するといいでしょう。複数の業者を比較することで、悪徳業者が見極めやすくなります。

まとめ

窯業系サイディングやALC板の外壁材は、コーキング材を使用しています。コーキング材が経年劣化などでひび割れると、シーリングの打ち替えをしなければなりません。軽度の劣化症状であれば自分でできることもありますが、適切な打ち替えをするのなら専門業者に依頼したほうが安心です。外壁シーリングの打ち替えを行っている外壁塗装業者に相談し、原因を踏まえた上で外壁をきれいにしましょう。きちんと要望を聞き入れつつも最適な方法を提案してくれる業者なら、安心して依頼できます。

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