外壁塗装の膨れが起こる原因は? 放置するリスクや対処法についても

外壁塗装の膨れが起きる原因はさまざまです。できるだけ早く修繕しなければ、より広い範囲に膨れが発生してしまい、建物自体に大きな影響を受けることになるでしょう。しかし、どのように補修すればいいのか・対処すべきなのか分からず悩んでいる方が多いはずです。

そこで、本記事では、外壁塗装の膨れを放置するリスクや対処法について解説します。

  1. 外壁塗装の膨れが起こる原因は?
  2. 外壁塗装の膨れを放置するリスク
  3. 外壁塗装の膨れはどう対処すべきか?
  4. 外壁塗装の膨れに関してよくある質問

この記事を読むことで、外壁塗装の膨れが起こる原因や正しい対処法などが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.外壁塗装の膨れが起こる原因は?

まずは、外壁塗装の膨れが起こる主な原因をチェックしておきましょう。

1-1.外部から入り込んできた水分

外壁塗装の膨れが起こる主な原因は、外部から入り込んできた水分です。外壁塗装の劣化によって塗装の防水機能が働かなくなってしまいます。その結果、外壁の表面にひび割れが起こり、そこから雨水などの水分が入り込んでしまうのです。ひび割れや塗装が剝がれた部分から水が素地と塗膜の間に浸入します。そして、浸入した水分は温度が上昇した際に気化し膨らみが起きるというわけです。

1-2.塗料の乾燥時間が足りていなかった

基本的に、外壁塗装をする際、下塗り・中塗り・上塗りの3回に分けて行います。1回目に塗った塗料が乾いてから2回目の塗装に入らなければなりませんが、乾く前に上から塗装を施してしまうと、塗料の乾燥時間が足りずに外壁塗装が膨らんでしまうのです。しっかりと乾燥をせずに塗装を施した結果、閉じ込められた水分や溶剤が気化し膨らみをもたらしてしまいます。特に、気温が低くなる冬は塗料が乾燥するまで夏よりも倍以上の時間がかかるでしょう。そのため、しっかりと乾燥させることが大切です。

1-3.密着が悪くなっている塗膜層間

外壁塗装の膨らみは、密着が悪くなっていると塗膜層間が原因になっていることもあります。塗膜層間の密着が悪くなるのは、外壁の材料に合わせた塗料を使っていなかった結果です。また、表面がでこぼこしている外壁の場合、塗料がへこんでいる部分にしっかり浸透せずすき間が生まれてしまいます。その結果、塗膜間に湿気や空気が入り込んでしまい、高温にさらされ、気化した水蒸気によって外壁塗装に膨らみが生じることになるのです。

1-4.悪質な業者による不良施工

悪質な業者による不良施工も外壁塗装が膨らむ原因です。前述した塗料の乾燥時間不足や塗膜層間の密着の悪さは、工事を行う業者の不手際がほとんどといえるでしょう。外壁や屋根塗装の実績が少ない業者ほど、施工不良でトラブルになってしまう可能性があります。特に、外壁工事は手抜きしやすいといわれているため、悪徳業者とのトラブルが多いのです。不良施工による外壁の膨らみを未然に防ぐには、信頼できる業者を慎重に選ぶ必要があるでしょう。

2.外壁塗装の膨れを放置するリスク

ここでは、外壁塗装の膨れを放置するリスクについて解説します。

2-1.建物の耐久性が低下する

外壁塗装の膨れを放置すると、建物の耐久性が低下してしまいます。外壁塗装は常に雨風や太陽光にさらされているため、建物の中でも劣化スピードが速い箇所です。定期的にメンテナンスをしなければ外壁塗装の劣化から膨れが生じてしまい、建物の内部に悪影響をおよぼしてしまいます。外壁塗装のひび割れから雨水が浸入する→膨れが生じる→下地が傷む→内部の木材が腐敗する→建物全体がもろくなってしまうという悪循環に陥ってしまうというわけです。建物全体がもろくなると台風や地震など自然災害に弱くなってしまうので、早めの工事が必要となります。

2-2.シロアリの被害に遭うリスクが高くなる

外壁塗装の膨らみを放置すればするほど、さまざまな箇所に劣化症状が起きてはシロアリの被害に遭うリスクが高まるでしょう。すでに膨らんでいる状況は外壁の下地が傷んでいる可能性が高いといえます。下地の傷みは木材の腐敗が進んでいる状況でもあるため、シロアリの被害に遭うリスクが高まるのです。特に、木材の建物はシロアリの被害に悩まされる可能性があります。シロアリは木材をエサにしては、どんどん繁殖する害虫です。早めに駆除しなければ、建物全体に悪影響をおよぼしてしまうでしょう。

2-3.大がかりな工事で費用が高くなる

補修工事の費用が高くなるのも外壁塗装の膨らみを放置するリスクです。初期症状で補修をすればすぐ防ぐことができた症状であっても、放置すればするほど簡単な修理では済まなくなってしまいます。大がかりな工事になってしまい、工事費用が割高になるでしょう。外壁塗装の膨らみにかかる工事費用は、約50万~250万円といわれています。早い段階で修理を行えば、50万円ほどで済みますが、放置すると数百万円かかるというわけです。また、ほかの箇所まで膨らみが生じている可能性があります。劣化状況がひどく範囲が広くなるほど、費用が高くなるので注意が必要です。

3.外壁塗装の膨れはどう対処すべきか?

では、外壁塗装の膨れはどのように対処すればいいのでしょうか。

3-1.外壁塗装業者に調査を依頼する

まずは、外壁塗装業者に外壁調査を依頼してください。なぜ外壁塗装の膨らみが起きているのか・膨らみがどの範囲に発生しているのかなど、外壁の状態をしっかりと確認しておかなければなりません。事前に外壁の状態をチェックすることで、正しい補修工事ができるようになります。優良業者の多くは工事を始める前に外壁の状態をチェックしますが、悪徳業者はしっかりと確認しない可能性が高めです。業者に依頼する際は、その点を踏まえて優良業者を選ぶといいでしょう。

3-2.原因に合った方法で修繕する

外壁の調査を終えた後、原因に合った方法で修繕工事を行うことになります。外壁の表面だけでなく下地が傷んでいる恐れがあるため、下地処理を行う必要があるでしょう。劣化を放置してボロボロになった外壁に新しい塗装を行う必要もあります。ひび割れが起きている場合は、ひびの部分をコーキングなどで充填しなければなりません。割れの補修や防水工事など追加工事が発生する可能性もあるので、見積書の内容をしっかりと確認してください。どんな原因で膨張しているのか、そして、どのような方法で修繕を行うのか確かめてから正式に依頼することが大切です。

3-3.仕上げ材との相性がいい弾性塗料を選ぶ

外壁の下地や修繕を行った後は、新しく塗料を塗り直すことになるでしょう。外壁塗料として弾性塗料を選ぶ際は、仕上げ材との相性がいい種類を選ぶことが大切です。弾性塗料は、2液形のシリコンやフッ素塗料に硬化剤を入れているからこそ、弾性機能を持っています。けれども、仕上げ材に合っていない弾性塗料を使用してしまうと、熱による水蒸気等で膨れができてしまうのです。一般的に、モルタル壁やコンクリートなどの外壁材に使うことが多いですが、新築に多いサイディングボードを使用している場合は弾性塗料を使ってはいけません。

3-4.前回塗装した会社に連絡する

新しく塗装をしたばかりなのに膨れが発生してしまった場合は、施工不良の可能性があるので前回塗装した会社に連絡してください。外壁塗装の膨らみを放置すると剝がれが発生しますが、早めに連絡すれば剝がれが起きる前に膨らみを除去してもらえるでしょう。そして、膨らみを除去した後は、再塗装してもらうことができます。ただし、「また失敗するのでは?」と不安を抱いている場合は、ほかの業者に依頼するのも選択肢の1つです。

3-5.外壁塗装業者選びのポイント

どの業者に依頼すればいいのか分からないと悩んでいる方は、以下のポイントに注目するといいでしょう。

  • 外壁塗装工事の実績があるか
  • 実際に施工した写真や例がホームページ等に記載されているか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 無料相談や無料見積もりを受けつけているか
  • 工事前にきちんと外壁調査を行ってくれるか
  • 口コミや評判がいいか

また、複数の業者を比較することで、優良業者と悪徳業者を見極めることができるようになります。どんなところに力を入れているのか・親身になって話を聞いてくれるかもチェックしてください。

3-6.無足場工法が可能なオフィスチャンプ

外壁塗装業者のオフィスチャンプでは、足場を作らない無足場工法で作業を行います。外壁塗装に足場は必要不可欠といわれていますが、職人の技術によって無足場でも十分に外壁塗装工事が可能です。足場を作ることができない場所ならなおさらのこと、無足場工法が大いに役立ちます。また、足場代は全体の費用の約3~4割を占めているため、足場を作らないことでその分が節約できるのも大きなメリットです。オフィスチャンプでは無料相談を受けつけているので、お悩みの方はぜひ1度ご相談ください。

4.外壁塗装の膨れに関してよくある質問

外壁塗装の膨れに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.サイディングボードの膨れ対策は?
A.サイディングボードは蓄熱しやすい傾向があるため、通気層を設けることが大切です。最近では、通気工法と呼ばれる方法が採用されています。できれば、外壁塗装工事の実績がある業者に依頼してください。また、塗り替えが原因で膨れている場合は、外壁自体から水分蒸発が多い可能性もあるので透湿性の高い塗料を使いましょう。直貼りサイディングの場合は、弾性塗料を使ってはいけません。

Q.構造上の問題が原因になっている場合は?
A.基本的な施工部分を改善する必要があります。たとえば、直貼りサイディングの場合、内部結露による膨れや剝がれが寒冷地でよく起きる傾向があるでしょう。絶対とはいえませんが、内部から湿気を誘発しているケースは構造上の問題がほとんどです。サイディングの直貼りをしている場合は、サイディングの張り替えをおすすめします。

Q.外壁塗装のベストなメンテナンス頻度は?
A.一般的に、外壁塗装は10年ごとにメンテナンスするのが理想だといわれています。定期的にメンテナンスを行うことで、早い段階で不備を見つけることができると同時に、修繕費用を抑えることができるでしょう。毎日とはいいませんが、日ごろから外壁の状態をチェックすることも大切です。ひび割れ・塗膜の剝がれ・色あせなどが起きていないか確認することをおすすめします。

Q.費用を最小限に抑えるポイントは?
A.早めに外壁調査を依頼することです。外壁塗装が劣化し始めると、膨れだけでなくさまざまな症状が現れ始めるようになります。初期症状で修繕できれば、最小限の費用で抑えることができますが、放置すればするほど割高になるので注意が必要です。膨れ以外の外壁の主な劣化症状を以下にまとめたので、ぜひ参考にしてください。定期的に、外壁の状態をチェックするといいでしょう。

  • 外壁塗装のツヤがなくなる
  • 変色や退色が目立つ
  • 藻(も)やカビが繁殖している
  • ひび割れ(クラック)が起きている
  • チョーキング現象(外壁を手でこすると白い粉がつく)が起こる

Q.依頼しないほうがいい悪徳業者の特徴は?
A.突然家にやってきては「今すぐに補修をしたほうがいい」と外壁塗装工事を促す業者です。アポイントなしの訪問業者は、ほとんど悪徳業者の可能性があります。「早めの工事が必要」「今なら安い費用で済むことができる」など、しつこく迫る業者には注意してください。基本的に、訪問業者がやってきたときは、インターホン越しで断ります。家の中に入れてしまうと、契約するまでその場に居続ける可能性があるからです。十分に気をつけましょう。

まとめ

外壁塗装の膨れは、外部から水が浸入したり、塗料の乾燥時間不足が原因だったりします。前回の塗装から約10年経過している場合、経年劣化の可能性が高いので早めのメンテナンスが必要です。また、外壁塗装業者の施工不良の可能性もあります。まずは、外壁塗装や下地がどんな状態になっているのか業者にチェックしてもらいましょう。膨れの原因が明確になれば、正しい補修ができます。早めに補修することで建物の耐久性が維持できると同時に、補修費用も最小限に抑えることができるでしょう。

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