
シーリングの種類と用途が知りたい! 外壁リフォームのポイント
シーリングは、建物のすき間を埋める際に使用するゴム状の材料です。サイディングなどの外壁材をつなぎ合わせるために使われることが多く、外壁の修繕には欠かせません。そんなシーリングにはさまざまな種類があり、使用する際は、種類ごとの特徴を把握することが大切です。
そこで本記事では、外壁リフォームに使うシーリングの種類を詳しく説明します。
この記事を読むことで、シーリング材を使った外壁リフォームについても分かります。検討している方は要チェックです。
1.シーリングの特徴は?
最初に、シーリングの特徴をチェックしておきましょう。
1-1.サイディングでよく使う充填材
シーリングは、多くの住宅で用いられる窯業系サイディングによく使う充鎮材です。板状になったサイディングを壁に貼って使用しますが、サイディングと下地材の継ぎ目に充填するのがシーリングとなります。継ぎ目に充填することで、水の侵入を防ぐことができるのです。建物にすき間があると、そこから雨水が浸入しては下地材を腐らせてしまうことになります。建物の耐久性を維持するためにも、すき間をシーリングで埋めることが大切です。
1-2.サイディングの貼り替えや修繕に必要
外壁は永久的なものではないため、定期的なメンテナンス・点検が必要です。そこで、もし継ぎ目から下地材が見えていたり、ひび割れが起きていたりしたときには、シーリング材を使うことになるでしょう。シーリングは、ペースト状の建築材料なので家を建てたり、リフォームしたりするときによく使うアイテムです。ひび割れ補修のほか、部材の端末処理まで幅広い範囲で使用されています。ただし、シーリングの種類によって、使い道も異なるので注意してください。種類別の用途に関しては、後ほど【2.シーリングの種類は全部で4種類】で説明します。
1-3.シーリングの役割はクッションと防水性の向上
シーリングの大きな役割は、2つあります。
1つ目は、衝撃を吸収するクッションになることです。浴槽と壁・外壁と窓サッシなど、建材同士がぶつかり合うと傷つきやすくなりますが、シーリングを施すことで衝撃を和らげることができます。外壁材のぶつかり合いを防ぐことで、建物の資産価値が守られるのです。
2つ目は、前述したように、建物の防水性を高める役割となります。あらゆるすき間を埋めることで、建物全体の防水性能が高まり、住宅設備の寿命を延ばすことができるのです。総合的に、住宅のメンテナンスにかかる費用を最小限に抑えられるようになるでしょう。
1-4.外壁よりも早く傷みやすい
シーリングは、外壁材の寿命よりも早く傷みやすいといわれています。あくまで目安ですが、シーリングの目地の場合、3年以上経過すると、シーリングのひび割れ・剥離・しわ・痩せといった現象が起こりやすくなるのです。全体で考えると10年がシーリング工事の節目となります。ただし、立地条件や職人の施工状況によって変わるため、こまめにチェックしておいたほうがいいでしょう。特に、海辺の近くや降雨量が多い地域は、ほかの地域よりもシーリングが傷みやすい傾向があります。
2.シーリングの種類は全部で4種類
では、シーリングにはどのような種類があるのでしょうか。ここでは、それぞれの特徴もあわせてチェックしていきたいと思います。
2-1.アクリル系
アクリル系は、主に新築時のALCパネル目地に使用されることが多く、リフォームではほとんど使わない種類です。硬くなると弾性体になるため、湿った場所でも使うことができます。ALCパネルの目地のほか、モルタル・コンクリートの目地およびクラックなどに使用することが多いでしょう。上に塗料を塗ることができる・湿った場所でも施工可能というメリットがありますが、耐久性やニーズが少ない・充填後にシーリング材が痩せるというデメリットがあります。
2-2.ウレタン系
ウレタンのシーリング材は耐久性が高く、硬くなった後はゴムのような弾力性を持つようになります。主に、クラック(ひび割れ)や目地の補修に使われることが多いでしょう。主な使用場所は、一般建築物の内外装の目地・サッシまわり・モルタルやコンクリートなどの目地・ウレタン防水など端末シールや下地処理などです。耐久性が非常に優れていますが、紫外線に弱く露出できない・充填後にシーリング材が痩せるというデメリットがあります。
2-3.ポリウレタン系
ポリウレタン系は、ノンブリードタイプといわれている種類です。後塗膜や目地周辺の非汚染に優れていますが、耐熱性・耐候性は劣る傾向があります。シリコン系と逆の性質を持っているシーリングといえるでしょう。耐熱性・耐候性に劣る点から、屋外で使用する場合は必ず塗装をしなければなりません。
2-4.シリコン系
4種類の中でも、最もコストパフォーマンスに優れているシーリングがシリコン系です。ホームセンターでも一般的に売られているため、専用プライマー(下塗り剤)を使って自分で塗料を行う人もいます。ガラス・キッチン・浴槽まわりに使われることが多いでしょう。耐久性に優れ価格が安く、密着性に優れている点がシリコン系のメリットです。ただし、上に塗料が塗れない・2液タイプは硬くて使用しづらい・シリコンオイルによって周囲が汚染するデメリットがあります。
2-5.そのほかの種類
ほかにも、変成シリコン系・油性系などがあります。それぞれの特徴を以下に記したので、ぜひ参考にしてください。
- 変成シリコン系:外壁の目地・窓枠・配管などオールマイティーに使える。耐候性が高く、外壁や屋根などに多く使われ、シーリングの中では寿命が10~15年と長い
- 油性系:室内側の窓やドアなどに使うことが多い。表面は皮膜ができ硬直するのが特徴
- ポリサルファイド系:耐熱性・耐候性に優れており、表面にゴミやホコリがつきにくい
3.外壁リフォーム・シーリングの工事方法は?
シーリングをよく使う外壁リフォームでは、どのような工事を行うのでしょうか。
3-1.外壁(サイディング)のひび割れ
サイディングにひび割れが起きている場合は、シーリングを使って補修する必要があります。シーリングは、サイディング外壁の中でも1番劣化が始まる箇所です。シーリングがサイディング外壁から浮いたり剝がれたりしている場合も、シーリング材を新しく打ち替える必要があります。ボード本体にひび割れが起きている場合は、シーリングを充鎮してひび割れ箇所を埋めなければなりません。
3-2.継ぎ目をシーリング材で埋めるシーリング工事
基本的に、シーリング工事は、外壁サイディングのボードとボードの継ぎ目をシーリング材で埋める工事のことです。主な流れは、以下のとおりとなります。
- 既存のシーリングをすべて撤去する(打ち替えの場合)
- シーリングを撤去した後、丁寧に清掃する
- プライマー(下塗り剤)を塗布する
- 新しいシーリング材を充填する
- 仕上げに、シーリング材をヘラなどで押さえ、整える
コーキングが劣化すると、劣化箇所から建物の中へ雨水などが入り込んでしまいます。水が浸入すると下地が傷み、劣化スピードがさらに速まることになるでしょう。見た目で判断できない劣化具合もあるため、信用できる業者へ依頼し、状況を確認してもらう必要があります。
3-3.外壁・屋根塗装業者選びは慎重に
シーリング工事や補修は、外壁・屋根塗装業者に依頼するのが一般的です。ほとんどの業者では、シーリングによる補修を行っています。ただし、注意してほしいのが、中には不正を行う悪徳業者も存在していることです。外壁塗装はだましやすい工事だといわれているため、以下のポイントで悪徳業者と優良業者を見極める必要があります。
- 外壁・屋根塗装の実績があるか
- ホームページ等に施工事例を記載しているか
- スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
- 無料相談や無料見積もりを受けつけているか
- 狭いスペースでも作業してもらえるか
- 見積書の内容が細かく記載されているか
- 口コミや評判がいいか
悪徳業者は、「外壁が傷んでいるのですぐにリフォームしたほうがいいですよ」と、いきなり訪問するケースがほとんどです。思わずリフォームを依頼してしまうような謳(うた)い文句で誘い、高額な費用を請求します。また、大きな金額の値引きを平気でしたり・キャンペーンをあおったりする業者にも注意してください。
3-4.費用は外壁の状態によって異なる
シーリング工事の費用は、外壁の状態で大きく異なります。たとえば、シーリング打ち替え工事の場合は1mあたり700~1,200円、打ち増しの場合は1mあたり500~900円でしょう。打ち増しは既存のシーリングの上から新しいシーリングを足していく工法なので、撤去費用がかからず、打ち替えよりも費用を抑えることができます。
3-5.費用を安く抑えるポイントは足場代
できるだけ費用を安く抑えたいという方は、足場代をカットしてください。外壁工事を始める際、まずは足場を組み立てなければなりません。実は、この足場にかかる費用が全体のおよそ3割を占めているといわれています。足場代がカットできれば、通常よりも費用を抑えることができるのです。外壁塗装リフォームのオフィスチャンプは、足場をかけない外壁塗装に力を入れています。無料相談を受けつけているので、ぜひ1度ご相談ください。
4.シーリングに関してよくある質問
シーリングに関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.シーリングとコーキングの違いは?
A.具体的な違いはなく、コーキングもシーリングも同じものとして認識されています。意味が同じなのに呼び方が違うのは、油性コーキングというものがあり、シーリング材とは区別されていたからです。現在はほとんど使われておらず、言葉だけが残りました。
Q.サイディングのひび割れを放置するとどうなるの?
A.すき間から雨水が入り込み、どんどん外壁の内側が湿っていきます。下地が水気を含むとカビやサビが発生しやすくなり、内部の木材を腐敗させてしまうのです。その結果、耐久性が下がり、台風や地震などに弱い建物になってしまうでしょう。放置するほど修繕費が高くなるため、早めに補修したほうが節約できます。
Q.シーリングの1液型と2液型の違いは?
A.1液型は自然と硬化するタイプで、カートリッジ型になっています。一方、2液型はシーリング材に硬化剤を混ぜることで硬くなるタイプです。そのため、そのままでは使用することができません。主に、2液型はビルやマンションなど施工面積が大きな箇所のシーリング工事で使うことが多いでしょう。
Q.自分でシーリング工事はできるの?
A.小さな修繕なら可能ですが、大がかりな外壁シーリングの工事にはたいへんな手間と技術が必要です。自分で工事を始めても、途中で挫折する方がいます。誤った方法で使うとさらにひどい状態になってしまうのです。その結果、さらにお金がかかることになりかねないので、専門業者に依頼するほうが得策でしょう。
Q.シーリング打ち替え後に外壁を塗り替える際の注意点は?
A.しっかりとシーリングを乾かしてから塗り替えをしてください。乾かないうちに塗り替えてしまうと、シーリングのひび割れや塗膜の剝がれなどトラブルを起こす原因となります。悪徳業者でよくあるトラブルが、打ち替え後にすぐ塗装を施し、すぐに塗装が剝がれてしまったというケースです。優良業者はきちんと乾燥期間を設けているので、工事中はその点にも注目するといいでしょう。依頼して任せっぱなしにするのはNGです。
まとめ
シーリングには、アクリル系・ウレタン系・ポリウレタン系・シリコン系の4種類があります。それぞれ特徴が異なるため、用途に合ったものを選ばなければなりません。ただ、素人では正しい種類を選ぶのは難しいでしょう。無理をせず、外壁塗装リフォーム業者へ相談してください。外壁の状態をチェックした上で、適切な方法を選び、シーリング工事を行うことができます。悪徳業者は外壁調査をせず、すぐにリフォーム工事へ進むケースがほとんどです。見積書の内容が細かく記載されていない・スタッフの対応が悪いなど特徴があるので、優良業者と悪徳業者を慎重に見極めましょう。