セラミック塗料の特徴 ~メリットとデメリットについて~

塗料材料のひとつであるセラミック塗料。このセラミック塗料についてメリットやデメリット、特徴を知っているでしょうか。セラミック塗料には、ほかの塗料にはない性質があります。
この記事では、セラミック塗料のメリット・デメリットについてまとめました。

  1. セラミック塗料とは
  2. セラミック塗料のメリット
  3. セラミック塗料のデメリット
  4. まとめ

1.セラミック塗料とは

今ではよく使われるようになっているセラミック塗料。そのセラミック塗料について知っておきましょう。

1-1.セラミック塗料の特徴

セラミックとは、もともと陶磁器全般を指す意味の言葉です。もっと言えば砂や砂利など大粒のものから微粒のパウダー状の砂まで含みます。全体として無機物のことを指すと思いましょう。瀬戸物皿など高温で焼き固めた個体をセラミックスとも言うのです。
セラミックには耐熱性や耐久性、耐候性に優れているなど外壁塗料として優秀な素材となっています。

1-2.セラミック塗料の定義

耐熱性や耐久性、耐候性に優れているセラミック塗料。この塗料は「セラミックス塗料」や「セラミシリコン」などさまざまな名称があります。
ですが、このセラミック塗料にセラミック100%の塗料はありません。現在のセラミック塗料は、塗料にセラミックの成分が含まれているだけです。
外壁塗装を行う業者やメーカーの中には「わが社のセラミック塗料は100%なので使ってください」と高額な見積もりを出すところもあります。しかし、そんなことはあり得ません。
また、セラミック塗料は一般塗料の約1.5倍の値段が掛かります。ですが、ちょっとしかセラミックを含んでいないのに通常のセラミック塗料よりも高額な値段を取る業者がいるものです。きちんと調べてから使用するようにしましょう。

1-3.セラミックが含まれる塗料

各塗料メーカーが販売しているセラミック塗料は、セラミックの成分によって親水性に優れています。また、水によって汚れが落ちるので外壁が清潔に保たれるのです。乾燥していく過程によってセラミック成分が塗膜表面に浮き上がることも影響しています。
セラミック塗料は、今では以下のようなものが出ているのを知っておきましょう。

  • ファイン4Fセラミック(日本ペイント)
  • セラミシリコン・セラミクリーン(エスケー化研)
  • アレスアクアセラフッソ(関西ペイント)

1-4.特殊セラミックが配合してある塗料

セラミック塗料の中でもガイナ(日進産業)は、特殊なセラミック塗料です。このガイナ塗料は、親水性プラス断熱・遮熱効果があります。親水性だけでなく断熱や遮熱効果によって熱から守る効果まで備えているのです。
また、アドグリーンコート(日本中央研究所)は、特殊な真珠無孔質セラミックで親水性と遮熱効果があります。
このような効果だけでなく、天然石を塗料に配合した天然石調の風合いに仕上げる塗料です。

2.セラミック塗料のメリット

セラミック塗料にはさまざまな効果があります。その効果について知っておきましょう。

2-1.耐熱性・耐候性が高い

セラミック塗料を塗れば耐熱性や紫外線から守ってくれる効果を得られます。セラミック塗料が乾燥する過程でセラミック成分が塗膜表面に浮き出てくるのです。そのセラミックが家の中に入ってくる熱から守ってくれます。また、耐熱性もあって火事が起こっても被害を抑えてくれるのです。
さらに、セラミックが表面を覆ってくれることで風や雨からも守ってくれます。家全体が自然現象から守られると思いましょう。

2-2.耐久力が高い

セラミック塗料は耐久性に優れている塗料です。セラミックが塗膜表面を覆うことで一般塗料の2~3倍長持ちします。また、水分が抜けて乾燥していく中で塗膜表面にセラミックが集まるのです。そのため、外壁表面を高密度のセラミックで覆うことになります。
密度の高いセラミックで覆われた外壁は、日光からしっかり守れるのです。その結果、建物の寿命も延びます。

2-3.汚れから守ってくれる

セラミック塗料は、親和性のある塗料です。乾燥した後は、セラミックが壁全体を覆って汚れが付きづらい壁にしてくれます。
また、親和性が高いため水を弾(はじ)くのです。その弾(はじ)いた水と共に汚れも流れ落ちます。自動的に壁から汚れを取ってくれる便利な塗料となっているのです。

2-4.外壁のデザインとなる

セラミック塗料には天然石調や砂岩調、多色石調など意匠性を加えることができるのもメリットのひとつ。耐久性と共にデザイン性を高めることができるのです。
また、セラミック塗料の中にはカラーセラミックスというものがあります。これは、神社などにも使われている塗料で色合いだけでなく奥行きや立体感を生み出す効果があるのを知っておきましょう。

3.セラミック塗料のデメリット

セラミック塗料にもデメリットが存在します。そのデメリットについて知っておきましょう。

3-1.種類によって耐用年数が違う

セラミック塗料は、おおむねどの塗料でも耐久性や耐熱性などの効果が得られます。しかし、セラミックと共に配合してある成分によって耐用年数は違ってくるのです。そのため、どのセラミック塗料を使ったとしても長期間持つとは限りません。セラミック塗料の中には、早い段階でひび割れなどが発生することもあります。

3-2.もともと硬い素材である

セラミックとは、もともと硬い素材です。硬いということは、いちど壁に塗ってしまうと割れる可能性が高くなります。ひび割れやクラックという形で発生すると思いましょう。
たとえば、塗料が10年間はがれなかったとします。しかし、ひび割れが10年間起こらない保証はありません。セラミック塗料の特徴をしっかり確認した上で塗りましょう。

3-3.業者による悪質な販売が起こっている

セラミック塗料は、100%セラミックだけの塗料は存在しません。しかし、業者によっては「この塗料は100%セラミックです」と普通に言ってくる業者がいます。しかし、そのような業者は信じないようにしましょう。
セラミック塗料を塗ってもらうときは、必ず扱った実績があるのか確認しておきます。また、きちんとセラミック塗料にかんする説明ができるのか確認しておきましょう。
さいごに、セラミック塗料のメリットだけでなくデメリットも説明できるのか聞いてみます。とにかく売ることしか考えていない業者は、デメリットにかんして何も提示できません。
また、実際に作業をする人にもセラミック塗料にかんする知識があるのか確認しておきます。何も知らない職人が塗ると弊害が起こるものです。

4.まとめ

いかがでしたか? この記事ではセラミック塗料にかんしてまとめました。
セラミック塗料は、砂などの無機物が塗料に含まれているものを指します。そのセラミックが乾いて壁の表面に浮き出ることで汚れや熱から守ってくれるのです。また、壁の表面に意匠をもたらす効果もあります。
しかし、まだ「100%のセラミック」という塗料は存在しません。そのため、セラミックの基準はあやふやなものとなっています。業者によっては、セラミックの利点や「うちのセラミック塗料は100%です」とうたって販売してくるもの。そのような業者には、きちんと説明できるかどうか確認しましょう。
また、基本的には硬い塗装となっているので乾いた後にひび割れなどの問題が起こります。さらに、セラミック塗料は配合してある成分によって耐久性が違ってくるので注意しましょう。

工事費の大半を占めていた足場代をカット!工事費の大半を占めていた足場代をカット!