
マンションの修繕工事はどこに頼む? マンションの修繕計画を立てよう!
修繕工事はマンションの寿命を延ばすために必要なメンテナンスであり、しっかりとした“修繕計画”を作り、適切なタイミングで施工することが大切です。
マンション大規模修繕工事を計画する場合には、“修繕工事はどのような工事がおこなわれるのか?”“どのような方法で依頼すできるのか?”ということを知る必要があります。
マンションの修繕工事を頼みたいというマンションオーナーのために、修繕工事の頼み方の方法とポイントについてご紹介します。
1. マンション修繕工事の必要性
1-1.マンション修繕工事とは?
マンションの大規模修繕工事は(財)マンション管理センターの「長期修繕計画作成と見直しの手引き」で“建築系”“機械設備系”“電気設備系”“外構土木系”の4項目に分類されています。
大規模修繕工事の項目別の特徴についてご紹介しましょう。
建設系
外壁や屋根、廊下などの修繕工事を建設系と分類しています。
建設系修繕工事は、劣化してしまった防水機能を修繕する目的や、サビや劣化によって傷んでしまった鉄骨階段などの外的塗装が中心です。
一般的に修繕工事というとこの建設系を指すことが多く、修繕工事の中でも最も頻度の高い工事という特徴があります。
外壁塗装は、外観は当然ながら防水などの耐久性にかかわる箇所であるため、しっかりと修繕計画を立てることがマンションを長持ちさせる秘訣といえるでしょう。
外壁塗装などの修繕工事は10~12年周期でおこなうのが一般的です。
機械設備系
給排水設備やガス設備、エレベーターなどライフラインにかかわる設備です。
マンションの設備の中では耐久性が高く、受水槽や排水ポンプなど個別に交換できるものが多いという特徴があります。
機械系設備の修繕は20~25年が目安です。
電気設備系
テレビアンテナやケーブル、受電盤・配電盤などの電気系統に関係する設備です。
共有灯などを除いてはあまり修繕の必要がないという特徴があります。
受電盤・配電盤に関しては電力会社の定期点検を受け、問題があれば交換が必要です。
建設系以外の修繕工事は、不具合があった場合に個別におこなわれるので大規模修繕をおこなうことはあまりありません。
大規模修繕工事というは主に外壁や屋根、廊下などの修繕工事を意味しています。
1-2.修繕工事と大規模修繕工事の違いとは?
マンションの修繕には“修繕工事”と“大規模修繕工事”があります。
このうち、マンション修繕工事というと大規模修繕工事を指すというのが一般的です。
では、修繕工事と大規模修繕工事は何が違うのでしょうか?
マンション大規模修繕は、“大規模”というようにマンション全体の修繕をおこなうことを指しています。
傷んだ部分だけを修復する修繕工事とは異なり、マンション全体の外壁に対して修繕をおこなうというのが大規模修繕の特徴です。
大規模修繕は施工面積も広く、施工費用も大きな負担になってしまうので修繕計画を立てることが大切になります。
1-3.マンションの修繕工事は付加価値を高める
マンションの修繕工事は、外観や機能的な快適性が向上するという理由から、マンションの付加価値を高めることができます。
建物全体の強度や耐久性に加えて付加価値を高めることのできる修繕工事には、しっかりとした計画を立て適切な工事を行うことが大切です。
修繕工事の詳細を知り、マンションに適切な工事を選ぶことは、修繕計画において最も大切な心がけということを覚えておきましょう。
2. 外壁修繕工事はどこに頼む?
2-1.外壁専門業者で
外壁修繕工事は、専門業者に依頼するということが大切です。
外壁塗装専門業者は外壁修繕に対する多くの技術やノウハウを持っており、効率的な修繕工事ができます。
2-2.外壁工事には足場が必要?
“外壁工事には足場がつきもの”というイメージを持っている方も多いとは思いますが、実は足場の必要ない外壁工事も可能です。
足場代は外壁塗装では費用負担が大きく、工事の半分以上が足場代というような場合あります。
足場を組まず外壁塗装をする“無足場工法”では足場代を節約できます。
さらに、ほとんどが足場代となる外壁点検に関しても、無足場工法であれば多くの費用を節約できます。
無足場工法は工期も短い傾向にあり、外壁塗装全体の負担を軽減する工法といえるでしょう。
定期的におこなう必要のある、マンションの点検や外壁塗装は、無足場工法を採用している外壁塗業者を選ぶことで外壁修繕費用を抑えられます。
2-2.どのような外壁修繕工事がある?
爆裂補修
コンクリート内部の鉄筋が腐食することでコンクリートが剥離する状況を“爆裂”と呼びます。
鉄筋コンクリート造の建築物の劣化では、最も危険な症状が爆裂という症状です。
爆裂補修は爆裂の広がりを防ぎ、マンションの強度低下を防ぐために重要な修繕工事といえるでしょう。
コンクリートが剥離し露出した鉄筋のさび止め処理など適切な施工がおこなわれます。
爆裂補修はマンションの強度や安全性にもかかわる修繕工事なので、しっかりとした作業をおこなう業者を選ぶことが大切です。
クラック補修
クラック補修は外壁や基礎などの“ひび割れ”を補修ずる修繕工事です。
クラックは“ヘアークラック”や“構造クラック”など状況によって適切に対処する必要があります。
クラック補修は、シーリングによる防水とエポキシ樹脂充填をし、建物の耐水性を高める工事です。
エポキシ樹脂注入
構造的には問題のない外壁材とコンクリートの剥離には、エポキシ樹脂注入をおこない外壁の剥離(はくり)を防ぎます。
外壁材の落下事故を防ぐ効果があり、外壁の点検で外壁材剥離の危険性がある場合に施工される補修工事です。
3. 工事のタイミングとは?
3-1.外壁がタイルのマンションは10年ごとの定期検査が必要
外壁が“タイル貼り”“石貼り”“ラスモルタル”のマンションの場合には、“建設基準法12条に基づく定期検査報告”によって10年に一度の全面打診検査が義務付けられています。
全面打診検査の義務に違反することは100万円以下の罰金が科せられるため、10年に一度の検査は必要です。
全面打診検査で問題が見つかった場合には、大規模修繕工事が必要になります。
10年周期の検査が必要であることから、不具合が合った場合には10年周期での大規模改善が必要になります。
しかし、建築基準法には“3年以内に大規模修繕を実施することが確実な場合”という例外があります。
この例外条件を利用すれば、確実に大規模修繕をおこなう場合にかぎり13年の猶予があると考えて良いでしょう。
3-2.修繕計画を立てよう
マンションの修繕には費用負担が大きいことから、計画的に進める必要があります。
マンションの修繕については、長期修繕計画を利用して計画的におこなうことが大切です。
長期修繕計画については、国土交通省がガイドラインを公開しているので利用してみましょう。
4. 修繕工事トラブルから身を守ろう!
4-1.外壁材落下が賠償問題に…
外壁落下が賠償問題発展するというケースは少なくありません。
マンションを管理する際には外壁の落下に対しても注意を払うことが大切です。
外壁落下事故の多いマンションは“タイル貼り”“ラスモルタル”などの剥離しやすい素材を使用した物件です。
このようなマンションは10年ごとの点検が義務付けられていますが、状況によっては非常に短い期間で落下してしまう場合もあります。
外壁落下による賠償問題というのは甚大なものになってしまう可能性もあるので、点検は定期的に行ない異常があれば早い段階で対応するようにしましょう。
4-2.『入所者事前説明会』は必ずおこなう
修繕工事が入居者とのトラブルに発展してしまうということもあるのですが、これは入所者に対する説明不足が原因です。
賃貸物件の修繕工事をおこなう場合には、事前に『入所者事前説明会』などを利用して修繕工事の内容について知らせることでトラブルを回避できます。
まとめ
修繕工事はマンションの安全性を高めると共に、付加価値を高めるためのリフォームです。
特に外壁塗装は大規模修繕をおこなうことでマンションを生まれ変わらせることができます。
それでは、大規模修繕工事についてまとめてみましょう。
- 大規模修繕はマンションの維持に必要な管理。
- タイル貼りは10年周期で定期点検の義務がある。
大規模修繕でも特に頻度の高いのが、外壁修繕です。
外壁の劣化による落下は非常に危険であることから、外壁の種類によっては定期点検の義務があるということを理解しておきましょう。