
マンション修繕の周期の目安の解説!早い段階でしっかり計画を
マンションは10数年ごとに修繕が必要です。大規模修繕の場合は、工事が長期間にわたったり高額な修繕費がかかったりします。それは住民に負担がかかりますが、マンションの経年劣化を修復し資産価値を守るために必要なものです。
そこで、マンションの修繕に備えて知っておきたい知識を解説します。
- マンションの修繕が重要な理由
- マンションの大規模修繕の費用は?
- マンションを修繕する周期は?
- マンションの修繕が必要かを判断する基準
- マンションを修繕する際の注意点
- マンションの規模修繕のことならオフィスチャンプ
- マンション修繕の周期に関してよくある質問
この記事を読むことで、マンション修繕の周期のことが分かります。マンションの修繕を検討されている方はぜひ参考にしてください。
1.マンションの修繕が重要な理由
どんな建物でも年月がたつにつれて、あちこちに傷みや劣化が出てきます。これは一戸建てもマンションも同じで、適切なメンテナンスをしなければ、外観の美しさだけでなく機能面も低下するでしょう。場合によっては外壁のタイルが剥がれて落下するなど安全面での問題も発生します。また、安心・快適に暮らせないだけでなく資産価値の低下にもつながるのです。ですから、定期的な修繕が必要になってきます。
1-1.マンションの修繕
一戸建ての場合は家の持ち主の考え方や都合しだいでメンテナンスのスケジュールや内容を決めることができます。しかし、建物の規模が大きく、複数の世帯が暮らすマンションの場合、劣化した箇所をその都度修繕するよりも、全体をまとめて定期的な修繕を行うほうが、手間もコストもかからないのです。そこで、一般的には12~15年周期で計画的に資金を貯め、マンションの長期修繕計画に沿って実施されます。
1-2.大規模修繕はどんなことをするの?
大規模修繕の対象になるのは外壁やバルコニー、屋上、住戸外の給排水管といった「共用部分」です。建物全体を囲う足場を組み、補修や修繕工事、設備や資材の交換などを行います。劣化した箇所を修繕するだけでなく、大規模修繕のタイミングに合わせて、マンションの居住環境をアップさせるケースもあるでしょう。
1-3.大規模修繕で行う主な修繕箇所
- 外壁:塗装やタイルの剥がれ落ちる可能性をチェックする打診検査をし補修や貼り直しを行う
- シーリング:防水のため施工されているシーリング材(外壁材と外壁材の間・サッシまわり)は紫外線などの影響で劣化するため補修や充填を行う
- 屋上:屋上には雨水の建物内への浸入を防ぐ防水処理がされているため、経年劣化するため補修や防水工事を行う
- 鉄部:バルコニーや非常階段などサビやすい箇所は塗装を行う
- バルコニー:住戸の居住者が専用使用を認められている共用部分の防水補修工事を行う
2.マンションの大規模修繕の費用は?
マンションの大規模修繕にかかる費用を見ていきましょう。
2-1.マンションの大規模修繕工事にはいくらくらいかかるの?
大規模修繕工事の費用は、建物の規模や工事内容などによって違ってきます。一般的には1回目の大規模修繕工事(築年数約13~16年の物件)の場合、1戸当たりの工事金額は75万~120万円前後、平均で100万円ほどです。また、床面積1㎡当たりの工事金額は1回目の大規模修繕工事の場合8,500円~1万3,000円前後、平均で約1万3,000円になるでしょう。
2-2.コンサルティング費用って何?
マンションの大規模修繕するときには、外部の設計コンサルタントなどに、建物の調査や診断、設計、施工会社選定への協力、工事監理などを委託するケースがあります。工事にかかる費用のほかに、コンサルティング費用が発生するでしょう。コンサルタントへの報酬は何名のコンサルタントが、どれくらいの期間携わったかなどによって、積み上げ方式で算出されることになるのです。委託する業務内容や工事期間によって、携わる期間も違ってきますので、金額は一概にはいえませんが、数十戸程度のマンションで数百万円程度かかると。
2-3.修繕の費用はどこからまかなうの?
マンションを購入すると、毎月の住宅ローン返済のほかに、管理費や修繕積立金を払います。このうち、修繕の費用に充てられるのが「修繕積立金」です。修繕積立金は、次の大規模修繕に備えて計画的に積み立てていくもの。金額は各住戸の専有面積に応じて決められ、広い家のほうが多く積立金を出すことになります。現在、平均して1住戸当たりの修繕積立金額は月1万円強~1万5,000円弱、専有面積1㎡当たり179円です。修繕積立金の金額設定は、マンションの状況によって違い、再検討されるケースもあります。また、最初は低めの金額に設定されており、段階的に増額される段階増額積立方式をとっている場合もあるでしょう。
2-4.修繕積立金の使いみち
10数年に1度行われる大規模修繕の費用に充てられるほかに、廊下など共用部の清掃や、貯水槽・排水管の洗浄など日常のメンテナンスに使われています。小規模な修繕費用としても充てられるのです。完成から10年程度しか経過していない比較的新しいマンションの場合、劣化がそれほど進んでいないケースがあります。大規模修繕を行う時期の経済情勢だけでなく、建物の状況によっても費用は違ってくるのです。
3.マンションを修繕する周期は?
マンションの修繕周期を考えてみましょう。
3-1.マンションの大規模修繕は12年周期が一般的
現在、多くの分譲マンションでは、長期修繕計画で12年ごとの大規模修繕が設定されています。12年周期の大規模修繕を前提としているのは、国土交通省が出している「長期修繕計画作成ガイドライン」に基づいて設定しているからです。建築基準法第12条に基づく定期報告制度が改正され、以下の点が義務付けられています。
- 完成・外壁改修後10年を経てから調査の際に全面打診等による調査を行う
- マンションの外壁については3年ごとの定期的に報告する
- 定期報告は定期的に専門技術を有する資格者に調査・検査を行わせ、その結果を特定行政庁へ報告する
3-2.最近のマンションの修繕周期事情
最近、マンション大規模修繕工事の周期を12年から最大18年に延長をうたった長期保証マンションが販売されています。仕様・工法等の工夫により建物の外装に関わる工事の保証期間を延長し、大規模修繕の回数を少なくできるというものです。ただ、立地や使用状況によりそれぞれ建物の劣化の度合いは異なります。大規模修繕工事の周期を延長が可能だとしても、その間何もしないで放置してしまってはかえって劣化の速度を早めてしまう結果になるでしょう。そこで、小規模修繕として、以下のメンテナンスや工夫が必要です。
- 足場の組み立てを必要としない軽微な補修はこまめに行う
- 高所作業で行う屋上防水や外壁補修などに使用する建材や工法を、耐久性の高い仕様にする
一軒家と違い、マンションは修繕積立金の使い方が大きく左右します。そこで、大規模修繕周期が長くなるとしても、メンテナンスする必要があるのです。
4.マンションの修繕が必要かを判断する基準
マンションの修繕は大規模修繕のときにまとめてするのは、作業員の作業費や交通費などの業者経費を圧縮できるので、支出金額を削減する方法としてとても理に適っています。
4-1.小規模修繕の必要性
大規模修繕は12~15年周期で実施する工事です。築7年目で不具合が発生した設備の修繕を大規模修繕に合わせようとすると3年以上はそのままにすることになります。共用廊下の壁が少し欠けてしまったなど、マンションの機能に支障がない場合は大規模修繕を待つことができるでしょう。しかし、排水ポンプが動かなくなった・煙感知器が不作動になったなどマンションの機能に支障を来たす場合は早急に修繕が必要です。
4-2.大規模修繕では設備関係の修繕はしない
基本的に大規模修繕の範囲は外壁補修工事・屋上防水工事・塗装工事が主であり、多くの場合はポンプや機械式駐車場・エレベーターなど各種設備には手を付けないことが多いです。各種小修繕は大規模修繕とは切り離して、必要なタイミングを見極めて実施すべきでしょう。
4-3.機能性と計画性による小修繕の判断をする
各種設備の不具合を修繕すること・共用廊下のキズを修繕することも小修繕です。小規模は細かなものも含めると、毎月のように指摘されることでしょう。そこで、機能性を保てるよう、専門業者のメンテナンスと合わせて計画性を持って、修繕の必要があることを認識することが必要です。
5.マンションを修繕する際の注意点
マンションの大規模修繕の際には、トラブルや困りごとが発生することがあります。マンションは所有者全員の大切な資産ですから、トラブルなく、スムーズに大規模修繕を進めたいものです。
5-1.修繕は計画的に
修繕は管理組合が主体となって行うものです。施工会社の選定や建物の調査、設計など修繕準備には2年程度はかかります。
5-2.修繕委員会で意見が合わない場合の対応
大規模修繕は検討開始から工事完了まで数年かかり、管理組合の理事の任期よりも長期にわたるのが一般的です。大規模修繕を責任施工方式・設計監理方式にするか、コンサルティングを依頼するかなどでもめることもあります。建物や大規模修繕に詳しい建築士事務所や大規模修繕のコンサルティング会社などの第三者から、意見をもらうのも方法のひとつでしょう。
5-3.工事完了後の費用や仕上がり後のトラブルの対応
予定よりも工期が延びたり、修繕箇所の劣化具合が当初の診断よりもひどかったりなど、追加費用が発生する可能性もあるでしょう。大規模修繕工事でのトラブルを防ぐうえで大切なのは、管理組合が主体的に取り組むことです。管理会社や施工会社、工事監理の会社に任せっきりにせず、進捗状況を定期的に確認することが必要になります。
6.マンションの規模修繕のことならオフィスチャンプ
マンションの大規模修繕をお考えの方は、ぜひ東京・大阪で営業しているオフィスチャンプにご相談ください。無足場工法によって、コストを大きくカットできるでしょう。
6-1.足場代不要のメリット
マンション修繕の費用の大半を占めるのが足場代です。オフィスチャンプでは、最初から足場代の予算を組まずに工事が可能になります。マンションの大規模修繕では大きくコストを低く抑えられるのです。
6-2.小規模修繕にもしっかり対応
無足場工法の工事では、小規模修繕にもスピーディーに対応が可能です。日ごろのメンテナンスも依頼することで、分割工事にもしっかり行うことができるでしょう。
6-3.多数の大規模修繕の多数実績で安心して任せられる
マンション外壁塗装やビル外壁塗装、外壁補修などの施工例も多数あります。短工期、低価格での工事は、外壁工事・タイル工事・シーリング工事や清掃作業など行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
7.マンション修繕の周期に関してよくある質問
マンション修繕の周期に関してよくある質問を5つピックアップしました。
Q.マンションの大規模修繕計画の流れは?
A.マンションの理事会・修繕委員会が中心となり、計画や予算の立案を行い、調査診断の手配・検討、見積業者の選定と施工業者の検討・選定などを行います。
Q.修繕計画の周期や周期の見直しのタイミングは?
A.大規模修繕工事の費用は、マンションの形状・規模・立地や材料・設備など仕様などより変わります。また、社会的な変化による安全性・快適性向上の要望などもあるでしょう。そのため、5年に1回程度ごとに建物調査・診断を行い、長期修繕計画や修繕積立金の見直しが必要といえます。
Q.修繕工事に良い季節はあるのか?
A.2~5月、9~11月の実施がベストです。この時期は気候も安定して塗装や防水作業の効率がよく天候による仕上がりの影響が少ない最適な時期といえます。
Q.居住者への説明はどうしたらいいのか?
A.大規模修繕工事前に、業者は工事の内容・注意すべき点などをお伝えする「説明会」を開催します。
Q.マンションの修繕工事の保証年数は?
A.材料や施工仕様により差があります。直接お問い合わせください。
まとめ
基本的にマンションは適切にメンテナンスを実施すれば、長年の使用に耐えるといわれています。大規模修繕工事は単なる劣化補修の目的だけではなく、住人の生活の安全と快適、そしてマンションの資産価値を守り、建物の寿命にも影響するとても大切な工事です。この工事は専門的な知識がないと適切な判断をするのが難しい場面もあるので、計画段階から専門家のアドバイスを受けて準備をしていくことをおすすめします。