アパートの外壁塗装のやり方や工程を知りたい。戸建てとの違いは？
アパートは、木造や軽量鉄骨造りの集合住宅のことです。賃貸住宅として建てられるのが一般的であり、定期的に大規模な修繕も必要になります。修繕の種類にはいろいろありますが、中でも外壁塗装は、アパートの寿命を左右することもある重要なものです。
そこで、今回は修繕としてアパートの外壁を塗装する意味や塗装するまでの手順、業者の選び方などを解説しましょう。
この記事を読めば、外壁塗装の必要性やメリットがよく分かります。アパートの外壁をそろそろ塗り替えようかと考えている人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1．外壁塗装の基礎知識
はじめに、外壁塗装とはどのようなものか、役割や必要性などを解説します。なぜ、外壁塗装は必要なのでしょうか？
1-1．外壁塗装とは？
外壁塗装とは、文字どおり外壁に施す塗装のことです。外壁は、家を風雨から守ってくれる大切なものですが、外壁塗装は外壁を保護する役割をしています。外壁塗装は、断熱性や防水性・防汚性を持ち、外壁を紫外線や風雨・汚れから守るのです。塗装が剥げれば、外壁はより傷みやすくなり、家の寿命が短くなることもあります。
1-2．外壁塗装はすべての壁に必要なの？
外壁塗装は、レンガやタイル・コンクリート打ちっぱなしなど一部の外壁を除いて、必要です。アパートの場合は、築年数が20年以上ならモルタルの外壁、20年未満ならサイディングボードの外壁が多いでしょう。どちらも外壁塗装が必要です。
1-3．外壁塗装を行うメリット
前述のとおり、外壁塗装は外壁を保護する役目のほかに、建物の印象も左右します。家を建ててから年月がたつにつれて、外壁はどうしても汚れてくるものです。外壁塗装を行えば、建物の印象はかなりよくなるでしょう。アパートの場合は築年数がたっている物件ほど、外壁塗装を行うことで、入居者が増えるなどのメリットがあります。
2．アパートの外壁塗装とは？
この項では、アパートの外壁塗装についてより詳しく解説します。一戸建ての外壁塗装との違いはなんでしょうか？
2-1．アパートの外壁塗装について
アパートの外壁塗装の方法は、基本的に一戸建ての場合と変わりません。外壁塗装の寿命はモルタルの場合が8～10年、サイディングボードの場合は10年前後と言われています。もちろん、これはあくまでも目安です。アパートが建っている場所の環境などによってはもっと寿命が短くなることもありますし、逆に長くなることもあるでしょう。塗り替えの目安は
- 外壁に幅2㎜以上のひびが入った
- 外壁に黒カビ・コケなどが生えている
- 外壁に一部剥がれなどが見られる
- サイディングボードをつないでいるシーリングがボロボロになっている
- 壁を手でこすると白い粉がつく（チョーキング）
などの症状が現れたら、塗り替え時です。
2-2．アパートの外壁塗装に必要なものや値段
外壁塗装の値段は、組む足場の高さや幅・使う塗料の量・塗装に関わる職人の人数で変わります。どんなに小さいアパートでも一戸建てよりは大きいですから、一戸建てよりは費用や塗り替えに有する期間がかかると考えましょう。これが、アパートと一戸建ての外壁塗装との違いです。
当然、費用もかかります。ですから、できるだけ塗り替え回数を少なくするように良い業者を選んで工事をしてもらうことが大切です。
3．アパートの外壁塗装を行うまでの流れ
この項では、アパートの外壁塗装を行う流れや業者の選び方などを解説します。ぜひ、参考にしてください。
3-1．外壁塗装を行う計画を立てる
アパートの外壁塗装は、前述のとおり一戸建てよりも費用と時間がかかります。ですから、計画も入念に立てましょう。ちなみに、外壁塗装に向いている時期は春と秋です。夏は暑く作業が困難で、工事中に窓が開けられないのも不便でしょう。冬は、外気温が5℃以下になると塗料が変質する可能性があるので塗装はできません。もちろん、雪が積もっている場合もダメです。春や秋は外壁塗装の工事業者も混み合うので、できるだけ早く依頼しましょう。
3-2．業者を選ぶ
外壁塗装を行っている会社はたくさんありますが、アパートを塗装してもらう場合は、アパートの外壁塗装を手がけたことのある業者に依頼しましょう。また、アパートを塗装する場合は、一軒家よりも多くの足場が必要です。足場は塗装業者が組む場合と、専門の業者に別途依頼する場合があります。アパートが大きくなれば足場を組むだけで1日、壊すだけで1日かかるでしょう。立地条件で足場が組めない場合や、足場代を少しでも節約したい場合は、オフィスチャンプのような足場を組まないで塗装工事を行う会社に依頼する方法もあります。
また、費用が安いのは大きな魅力ですが、塗料の使用量を極端に少なくするなど、必要な工事を行わずに安くなっている場合は、外壁塗装をしても長持ちしません。複数の会社で見積もりをして、極端に安い会社があった場合は理由を尋ねてみてください。「キャンペーン中だから」などと、とにかく契約を急がせようとする会社は信用できません。
ちなみに、アパートの外壁塗装は2階建てで150万～300万円、3階建てで200万～400万円が相場です。
3-3．住人への告知
外壁塗装を行う場合、窓や扉に養生が必要です。1～2日くらい窓が開けられないこともあるでしょう。ですから、時間をかけてアパートの住人に告知をしてください。告知方法は、掲示板への貼り紙・ポスティング・説明会の開催などがあります。
3-4．工事の流れ
外壁塗装工事は、
- 足場を組む
- 外壁の汚れを洗い流す
- 外壁の状態をチェックし、ひびなどを補修工事する
- 外壁塗装を行う
- 足場を外す
と言った流れです。アパートの規模にもよりますが、3週間～1か月近くかかることもあるでしょう。なお、工事期間中に雨などが降ればその日は工事ができずに期日が伸びます。
3-5．アフターフォローなど
優良な業者の場合、施工後も定期点検に来てくれます。何か不都合があった場合は、その時に相談しましょう。
4．アパートの塗装に関するよくある質問
Q．アパートの大規模修繕は、法律などでやらなければならないと決まっていますか？
A．アパートに限らず賃貸住宅の場合は、賃借人が問題なく生活できるように貸主が物件を管理・整備する義務があるのです。そのため、大規模修繕も管理や整備の一環と考えられています。
Q．アパートの外壁塗装で、まるっきり違う色にすることは可能でしょうか？
A．はい。もちろん可能です。ただし、自治体の条例によっては使えない色もあります。
Q．外壁塗装をする場合は、すべて大家さんの負担ですか？
A．はい。賃貸物件の場合はオーナーの負担になります。オーナーは月々に徴収する家賃から修繕費を貯（た）めておくことが基本です。賃借人から預かっている敷金は、基本的に部屋の中の修繕に使用するため、外壁塗装など建物全体の修繕には使えません。
Q．外壁塗装をする場合、アパートの各戸への出入りは問題なくできるでしょうか？
A．はい。そこは問題ありません。ただし、駐車場が一部使用できなくなったり、大型の荷物の搬入が難しくなったりする場合はあります。入居者への説明を怠らないようにしてください。
Q．足場を組まなかった場合、どのくらいの費用が節約できますか？
A．アパートの大きさにもよりますが、30万～50万は節約できるでしょう。足話なし工事は魅力ですが、どんなアパートでも足場なしに工事ができるわけではありません。業者とよく相談しましょう。
5．おわりに
いかがでしたか？ 今回はアパートの外壁塗装について解説しました。アパートの外壁塗装も基本的には戸建てと同じです。しかし、規模が大きいですから、費用は3倍近くかかるでしょう。ですから、戸建てよりもどうしても塗り替える回数は少なくなります。だからこそ、良い工事業者を選んでしっかりした工事を行ってもらうことが大切です。時間をかけて業者を選んで計画を立てましょう。外壁塗装に使われる塗料は年々進化しています。ですから、塗料などをよく選べばより長持ちするでしょう。このあたりは、業者によく相談をすればぴったりのものが見つかると思います。多少値段が高くても長持ちするものを選ぶのがおすすめです。
