ナノテク塗料の特徴とは?ナノテクノロジーを駆使した防汚性に注目

マイホームのメンテナンスはされていますか?外壁は紫外線にさらされ、雨や風による劣化が進行しやすい場所。屋根も同様です。
定期的なメンテナンスは、家が長くきれいな状態にするために必要なこと。費用はかかっても、維持するためには大切です。家を覆っている塗料の膜は、1mmに満たない薄いもの。塗膜には耐用年数があるため、経年劣化で次第に剥(は)げてしまいます。塗り替えせずに放置しておくと、建物自体の劣化にも発展してしまうのでメンテナンスが必要なのです。
塗り替え時にはさまざまな塗料から選ぶことになりますが、最近では機能性塗料が注目を集めています。ナノテク塗料という言葉をご存じですか?最新テクノロジーを駆使した次世代塗料の1つ。今回は、ナノテク塗料がどのようなものかご紹介します。塗料選びの参考にしてみてください。

  1. ナノテク塗料の特徴
  2. 塗り替えの目安
  3. ナノテク塗料のメリット
  4. ナノテク塗料のデメリット
  5. まとめ

1.ナノテク塗料の特徴

ナノテク塗料は、ナノテクノロジーを駆使した最新技術によって生まれた塗料です。塗料の樹脂量を最小限まで低減したもの。ほかの塗料に比べ、防汚性に優れています。外壁は汚れが付着しやすいのですが、ナノテク塗料を塗装することで雨で汚れが流れ落ち、掃除の手間がかからないとされているのです。セルフクリーニングとも呼ぶべき、高機能性で注目されています。
ナノテク塗料は水性塗料です。ナノレベルの超微粒子から構成され、ほかの塗料より環境に配慮した生産工程であり、エコ塗料でもあります。ナノレベルの超微粒子は、外壁に塗装された後に均一に分散。ガラスのような滑らかな塗膜になり、汚れが侵入しにくく落ちやすい膜になるのです。
ナノテク塗料の代表として、水谷ペイントから販売されているナノコンポジットW。ナノコンポジットWは、科学技術振興機関から高い技術を評価されたものだけに与えられる井上春成賞を受賞しています。科学技術発展に貢献している証しです。
ナノコンポジットWは、二酸化炭素抑制による地球温暖化防止にも効果的。地球や環境に配慮した最新技術を用いた塗料です。

2.塗り替えの目安

建物の耐久性を維持し、美しさを保(たも)つためには、定期的なメンテナンスが必要です。特に雨・風・紫外線に常にさらされている外壁や屋根は劣化しやすく、塗膜の寿命を知っておくと塗り替えの目安になるでしょう。

2-1.耐用年数

新築時に施工されていた塗料は、およそ5〜6年で寿命を迎えるとされています。最新技術を使った塗料で施工されていたとしても、15年前後です。
一方、建物の平均寿命は、およそ30年。建物の寿命に比べ、塗料の寿命は大幅に短いのがわかります。塗膜が徐々に薄くなって剥(は)げていき、塗膜によって雨・紫外線を防ぐことができなくなるのです。屋根・外壁が雨や紫外線などの外的要因を受け、建物の強度が弱くなってしまいます。
建物を維持するためには、建物の寿命から考えると2〜3年の塗り替えが必要です。

2-2.塗り替えが必要な症状

メンテナンスが必要な時期は、建物の外観で判断することができます。外壁をよく確認してみてください。経年劣化するとクラック(ヒビ)が発生し、藻やカビなども付着し始めます。ひどくなると、塗膜が剥がれたり、膨れ上がったりすることもあるでしょう。
塗り替えを行うと、外観の美しさや鮮やかさが戻ってきます。同時に耐久性もアップするのです。

3.ナノテク塗料のメリット

さまざまな高機能性塗料が販売されていますが、ナノテク塗料にはどのようなメリットがあるのでしょうか?知識を持っておくと、納得して施工することができますよ。

3-1.防汚性

ナノテク塗料は、防汚性に優れているのが特徴です。セルフクリーニング機能とも呼ばれ、雨によって汚れを自然に落としてくれます。ナノテク塗料が持つ高い親水性が実現している機能で、人が掃除する手間を省くことができるのです。汚れが目立つ外壁は、防汚性に優れた塗料を用いることで美しさを維持できるメリットがあります。

3-2.速乾性

外壁などの塗装は、工事期間も気になりますよね。工事期間が長くなると、生活にも支障がでることもあるはずです。ナノテク塗料のメリットは速乾性で、工事期間短縮ができるメリットがあります。
なるべく早く終えたいという方にも人気がある塗料です。

3-3.防カビ・防藻効果

防汚性と並んで注目されているのは、防カビ・防藻効果です。微生物繁殖を抑制し、殺菌する効果があります。ナノコンポジットWには、あらかじめ防カビ・防藻剤が添加してありますので、長く美しい外観を維持できるでしょう。

3-4.難燃性

一般的な塗料に比べ、燃えにくい性質を持っています。塗膜の有機成分と無機成分による融合膜が、酸素の侵入を防いで延焼を防止するのです。火災に備え、ナノテク塗料を導入する方も増えています。
ナノコンポジットWは、JISA難燃1級に合格した塗料です。

3-5.耐変色性

塗膜は、雨や紫外線によって色や艶が悪くなっていきます。シリコン化合物を配合したナノコンポジットWは、雨や紫外線などに非常に強い耐性を持ち、変色を最小限に留(とど)めるのです。高い耐久性があるため、塗り替え回数が少なくなるメリットもあります。

3-6.ホルムアルデヒド抑制効果

厚生労働省では、シックハウス症候群の原因である化学物質として、ホルムアルデヒドを規制しています。ナノコンポジットWは、ホルムアルデヒドの低放射でフォースターを取得済みです。シックハウス症候群の不安を解消した人にも優しい塗料となるでしょう。

4.ナノテク塗料のデメリット

高機能性があるナノテク塗料ですが、施工前にはデメリットも知っておくことが大切です。
ナノテク塗料はまだ開発途上にある次世代塗料の1つ。一般的な塗料に比べ、費用が高くなってしまいます。広く使われるようになれば、施工費用が安定してくる可能性は高まりますが、現段階では高い費用を捻出せざるを得ないデメリットがあるでしょう。
また、ほかの高機能性塗料に比べ、ナノテク塗料が持つ効果がわかりにくいデメリットも。実感しくいため、費用対効果が明確ではないのも事実です。

5.まとめ

ナノテク塗料についてご紹介しました。

  • ナノテク塗料の特徴
  • 塗り替えの目安
  • ナノテク塗料のメリット
  • ナノテク塗料のデメリット

建物は、雨や紫外線などの外的要因にさらされています。耐久性を維持し、美しさを保(たも)つためには、定期的なメンテナンスと塗り替えが必要です。
ナノテクノロジー技術を生かしたナノテク塗料は、防汚性に優れたセルフクリーニング効果を持つ塗料。付着した汚れを雨で自然に落とす作用があります。
色あせしにくい耐候性も。ホルムアルデヒドの低反射で、シックハウス症候群対策にも効果的な人にも環境にも優しい塗料です。 
ただし、まだ発展途上の塗料であるため、費用が高くなるデメリットもあることを覚えておきましょう。

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