外壁塗装で臭いが気になる方へ! シンナー中毒の危険性と予防法!

外壁塗装を考えている方、あるいはすでに外壁塗装を行った方。外壁塗装で気になることといえば、シンナーの臭いではないでしょうか。小さなお子さんや妊婦を抱えている家庭では、子供への影響も考えて特に気になるはず。

そこで、今回は塗料に含まれるシンナーが体に及ぼす影響について中心にご紹介していきます。

  1. シンナーとは?
  2. シンナーの種類について
  3. シンナーは体にどんな影響があるの?
  4. シンナー中毒の対処法と予防法

1.シンナーとは?

1-1.シンナーとは?

外壁塗装で使われる塗料の多くは高い粘度を持っています。そのままの状態で塗るとムラができたり、うまく乾燥しなかったりするのです。

そこで、塗料の濃度を薄めて塗りやすくする目的で使われるのが『シンナー』。一部では『薄め液』とも呼ばれています。ちなみに、thinner(シンナー)の『thin』は英語で『薄める』という意味です。

独特の臭いを発するのが特徴。どのような臭いかは、フェルトペンの先を嗅いでもらえば分かるでしょう。

2.シンナーの種類について

一般的に使われているシンナーは基本的には3種類あるといわれています。塗料によって使い分けられていますので、覚えておきましょう。

2-1.ラッカーシンナー(ラッカー薄め液)

ラッカーシンナー(ラッカー薄め液)とは、主にラッカーと呼ばれる塗料を溶かすために使われるシンナー。塗料を溶かす目的だけではなく、刷毛(はけ)や体に付着した塗料を落とすための洗剤として使われたりもします。塗料を溶かす力が高く、感想が早いのが大きな特徴です。

ちなみに、ラッカーとは主に木材に塗られる塗料のこと。乾燥すると非常に硬くなるだけではなく、磨くことで非常に強い光沢を出すことができる塗料です。バイオリンやギターなどによく使われているので、どのようなものなのか試しに見てみるのもよいでしょう。

2-2.エポキシシンナー

エポキシシンナーは、主にエポキシ樹脂塗料を溶かす用途で使用されるシンナー。一般的なシンナーの中でも最も溶解力が高いことが特徴です。

2-3.ウレタンシンナー

ウレタンシンナーとは、主にウレタン樹脂塗料を溶かすために使われるシンナーのことです。夏用と冬用に分けられており、季節に応じ使い分けをします。

溶かす力についてはエポキシシンナーやラッカーシンナーよりも弱く、基本的にウレタン樹脂以外の塗料を溶かすのには向いていません。

3.シンナーは体にどんな影響があるの?

ここまでご紹介してきたシンナー。シンナーといえば、十年ほど前までは若者が簡単に手を出せる薬物として広まり、シンナーを吸う遊び『シンナー遊び』が社会問題にもなりました。

社会問題になるということは、何かしらの悪影響があるということの証明といえますよね。そう、シンナーは無害などではなく、危険な劇薬なのです。

この項目では、シンナーが人体に及ぼす健康被害についてご紹介していきます。

3-1.シンナー中毒になる!

シンナーは非常に蒸発しやすい物質です。そのため、気化したシンナーを知らず知らずのうちに吸引してしまうことが珍しくありません。シンナーを大量に吸引すると、シンナー中毒に掛ってしまいます。

シンナーの中毒性は強力なので、非常に危険です。しかし、吸引直後はアルコールで酔ったような多幸感を得られることから依存しやすく、常用してしまう人が多いとされています。

覚醒剤や麻薬に比べればたいしたがないと思われがちですが、実際には引けをとらないほどの依存性を持っているのです。

3-2.中毒で発生する症状

急性中毒の場合、多幸感や咳(せき)といった症状がでます。それから、頭痛・めまい・吐き気・耳鳴り・不安感・意識障害などが発生するようになるでしょう。最悪の場合は、麻酔作用の効き過ぎで呼吸困難となったり、心室細動、肺水腫などの症状が現れたりして死に至るようです。

日常的にシンナーを吸い続けていると、脳の萎縮が起き、だんだんと体や精神のコントロールが自分でできなくなります。そして、幻聴や幻覚、錯乱、被害妄想などが発生。さらにこの状態のまま放置し続けると、最後には運動麻痺(まひ)が発生し、呼吸が停止して死に至ります。

また、エタノールや酢酸が含まれているシンナーを日常的に吸っていた場合、目に異常をきたし、視力を失ったり視野狭窄(きょうさく)に陥ったりするでしょう。

ほかにも、シンナーにベンゼンが含まれている場合もあります。ベンゼンが含まれているシンナーを吸い続けていると、白血病・多発性神経炎・再生不良貧血を引き起こす原因となることもあるようです。

4.シンナー中毒の対処法と予防法

4-1.場所を移動して対処する

仮にシンナー中毒が疑われる症状が発生した場合には、直ちに新鮮な空気のある場所に移動しましょう。皮膚や目にシンナーが付着してしまった場合は、流水でしっかりと洗い流し、病院へ行く必要があります。

4-2.マスクを着用して予防する

外壁塗装を行っている最中など、シンナーの臭いが強いときには、シンナー中毒の危険性があります。そのようなときには、専用のマスクを着用した方がよいでしょう。

最大限の効果を期待するなら、防毒マスク系が1番ですが、防毒マスクは大きいので使いづらいですし値段も張ります。10年に1回するかしないかの外壁塗装のために防毒マスクを購入するのも難しいと思いますので、『キーメイトマスク』を使うとよいでしょう。

キーメイトマスクは活性炭を利用したマスクで、化学物質過敏症の方などに愛用されているマスクです。シンナーを扱う仕事に就いているのでなければ、このキーメイトマスクだけでも十分でしょう。

4-3.塗料が乾くまで近寄らない

外壁塗装を業者に依頼すると、どうしても仕上がりが気になるところ。ですが、塗った直後はシンナーが蒸発している最中です。気化したシンナーを吸引してしまうことがありますので、なるべく近寄らないようにしましょう。

ただし、塗料が乾いてしまえば、ほとんどシンナーの成分は揮発していますので問題はありません。気になる場合は、完全に乾いてから1日ほど近づかないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回は塗料に含まれるシンナーの危険性について中心にご紹介しました。

  1. シンナーとは?
  2. シンナーの種類について
  3. シンナーは体にどんな影響があるの?
  4. シンナー中毒の対処法と予防法

シンナーは揮発性が非常に高い薬品です。そのため、塗料がしっかり乾くまで近寄らないように気をつければ、基本的に大きな影響はありません。気になる場合はキーメイトマスクを使用すれば十分。変に怖がる必要はありません。

ただし、ご紹介したように重大な悪影響も引き起こします。外壁塗装を行う際には、業者の方としっかり相談し、対策するようにしましょう。

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