ガルバリウムとサイディングを比較! それぞれの特徴は?

ガルバリウムとサイディングは、どちらも外壁素材の一種です。家を建てる、もしくはリフォームする場合、どちらにしようか悩む人もいるでしょう。家の建っている場所や環境によっておすすめの素材が異なります。見た目や値段だけで外壁素材を選ぶと、早々にリフォームが必要になるかもしれません。ですから、それぞれの外壁素材の特徴を知っておくことが大切です。

今回は、ガルバリウムとサイディングを比較し、それぞれの特徴を紹介します。

  1. 窯業系サイディングとガルバリウムの違いは?
  2. 窯業系サイディングかガルバリウムかの判断基準は?
  3. 外壁工事をした後に不具合が発生したら?

この記事を読めば、自分の家に適した外壁素材がどちらか、よく分かるでしょう。家を建てたりリフォームしたりする予定がある人は、ぜひ読んでみてください。

1.窯業系サイディングとガルバリウムの違いは?

まず始めに、窯業系サイディングとガルバリウムの違いや特徴について、ご説明しましょう。
ふたつを比較すれば、メリット・デメリットもわかりやすいです。

1-1.窯業系サイディングとは?

窯業系サイディングとは、セメント等を主体にして木片や無機物などを混ぜてプレスし、形成したものです。
現在、一般住宅の外壁はこれが主流になっています。
防火性に優れていますから、火災でも燃えにくく類焼や延焼を防いでくれるでしょう。
また、デザインも豊富ですから趣味や景観に合わせていろいろな外壁を選べます。
新築の家がオシャレなのは、サイディングのおかげでもあるのです。
ただし、セメントが主体ですから一昔前に主流だったモルタルの壁よりも重量があります。
そのため、新築の家ならば問題ありませんが、築年数がたった家をリフォームしてサイディングにする場合は家に負担がかかるのです。
通常の場合は問題ないかもしれませんが、地震などの災害が起これば倒壊しやすくなるでしょう。

1-2.ガルバリウムとは?

ガルバリウムとは、別名金属系サイディングといいます。
言葉通り金属が主体となった外壁材です。
非常に軽くコストも安いため、古い住宅の外壁をリフォームしたいという場合も、建物に負担がかかりにくいでしょう。
また、窯業系サイディングは「コーキング」といって目地のつなぎ目を接着剤で埋める必要があります。
このコーキングの寿命は3年~5年なので、そのつどメンテナンスが必要になる場合もあるのです。
しかし、ガルバリウムはコーキングを必要としません。
そのため、長期間メンテナンスが不要なのです。
しかし、ガルバリウムは金属ですからサビます。
たとえサビ止めでコーティングをしていても、条件次第では腐食が発生することもあるでしょう。
ですから、「10年は持つはずのガルバリウムが、わずか数年で腐食して穴が開いてしまった」というケースもあります。
また、窯業系サイディングに比べて、デザインの種類が少なくどうしても決まりきったものになってしまいがちです。
そのため「何だか工場のような外見になってしまった」ということもあります。
ですから、ガルバリウム100%の外壁というのは、現在あまり一般住宅では使われていません。

それぞれに特徴があるんですね。
はい。それぞれの特徴をよく知っていれば、自分の家に適したものが判断しやすいでしょう。

2.窯業系サイディングかガルバリウムかの判断基準は?

現在、新築の家はほとんどが窯業系サイディングを使って外壁を作っています。
ちょっと変わった外見にしたいとか、事情があって窯業系サイディングが使えないという場合は、ガルバリウムを使うことがあるでしょう。
しかし、ガルバリウムが全く適さないというわけではありません。
ガルバリウムを屋根材として使用している家は多いのです。
ガルバリウムは不思議なことに、雨が当たる方がサビないという特性があります。
また、屋根材は軽い方が家自体に負担がかかりません。
ですから、屋根材はガルバリウムで外壁は窯業系サイディングという新築の家は多いのです。
一方、リフォームの方はどうでしょうか?
前述したように、築20年以上の家は新築の家に比べると弱くなっています。
そこに、重い窯業系サイディングを張りつければ、家への負担がより強くなるでしょう。
特に、伝統的な日本家屋の場合は、窓を広く取って壁が少ない作りになっています。
つまり、狭い面積の壁で屋根を支えているのです。
そこに、さらに重いサイディングを張りつければ、建物自体の寿命が短くなるかもしれません。
ですから、一部をガルバリウムにするなどして、負担を軽くする方法がとられることもあります。
また、サイディングを行う場合は耐震工事を事前に行うこともあるでしょう。
大規模なリフォームの場合は窓の一部を潰す、という方法もあるのです。
さらに、サイディングの外壁を使った家をリフォームする場合もガルバリウムが使われることがあります。
サイディングの外壁をリフォームする際は、一度すべてのサイディングをはがして付け直す方法と新しい外壁材を古い外壁材の上に張りつけてしまう方法があるのです。
新しい外壁材を張りつけてしまう方が、費用がかかりません。
しかし、外壁材を2重に張りつけてしまうわけですから、壁の負担はそれだけ大きくなるでしょう。
このような場合も、ガルバリウムが使われることもあります。

壁はサイディング。屋根はガルバリウムがおすすめなんですね。
一般的にはそうですが、例外もあります。業者とよく話し合って選びましょう。

3.外壁工事をした後に不具合が発生したら?

一時期よりは話題に上がらなくなりましたが、それでも欠陥住宅の被害がなくなったわけではありません。
外壁工事をした結果不具合が発生した場合は、工務店の負担で直すケースと施主の負担で直すケースがあります。
工務店の負担で直すケースというのは、ただひとつ「施工してすぐ雨もりがした場合」です。
雨もりはやめからするというイメージがありますが、実は壁からも起こります。
サイディングやガルバリウムは防水加工がされていますから、工事をしてすぐ雨もりをした場合は工事の仕方に不備があった可能性が非常に高いのです。
また、例外としてガルバリウムの腐食があります。
テレビなどで取り上げられたこともあるので、ご存じの方もいるでしょう。
耐用年数よりはるかに早く、ガルバリウムの外壁材が腐食して穴が開いてしまい、欠陥住宅として問題になりました。
しかし、それ以外は基本的に施主が負担して補修工事をするのです。
ガルバリウムの場合、白サビといって、白いカビのようなはん点が浮く場合もあります。
これが発生すると、外観が損なわれますが、これを直すには施主が自費で行わなくてはなりません。
一般的な耐久年数より早く、コーキングがはがれた場合も同様です。
ですから、サイディングかガルバリウムか値段や見た目で安易に決めるのではなく、工務店としっかりと相談して決めましょう。

外壁に不具合が発生したら、すぐに対処が必要なんですね。
だからこそ、アフターケアが充実した施工業者を選びましょう。

おわりに

いかがでしたか?
今回は、ガルバリウムとサイディングを比較してみました。
まとめると

  • サイディングはセメントを主体にした外壁材である。
  • ガルバリウムは金属を主体とした外壁材である。
  • サイディングはデザインも豊富で耐火性に優れているが、重い。
  • サイディングは軽くて安価だが、デザインがなく腐食する可能性がある。

ということです。
どちらの外壁材が一概に優れているとはいえませんが、最初から「ガルバリウムですべての外壁材を作りましょう」と提案してくる工務店は少ないでしょう。
ガルバリウムの外壁を施工する場合は、腐食しにくい工夫が必要なのです。
また、腐食しにくい金属であるアルミを使った外壁材もありますが、サイディングより高価になります。
ですから、それぞれの外壁材の特徴をよく知ってから選んでください。
サイディングでもお手入れの仕方や施工する部分によってはデメリットをカバーすることも可能です。

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