外壁落下によるリスクをチェック! 外壁落下の原因や予防策なども

外壁落下事故の多くは、きちんと外壁メンテナンスを行っていなかったことが主な原因です。外壁は常に雨風や紫外線にさらされているため、劣化しやすい箇所だといわれています。きちんと外壁のメンテナンスを行っておけば、外壁落下事故も未然に防ぐことができるのです。しかし、外壁の修繕タイミングや修繕方法について悩んでいる方は多いでしょう。

そこで、本記事では、外壁落下によるリスクを抑えつつ、外壁落下の予防策などを解説します。

  1. 外壁落下事故のリスク
  2. 外壁が落下する原因は?
  3. 外壁の落下を予防するためには?
  4. 外壁が落下した際の修繕方法
  5. 外壁の落下に関してよくある質問

この記事を読むことで、外壁が落下した際の修繕方法も分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.外壁落下事故のリスク

まずは、実際に起きた外壁落下事故や、そのリスクをチェックしておきましょう。

1-1.外壁の落下事故は多い

実際に、外壁の落下事故はよく起きています。特に、日本は地震大国でもあるため、地震の揺れによって外壁タイルが落下したり、外壁材が剝がれ落ちたりすることが多いのです。たとえば、2018年10月1日に横浜で起きた外壁の落下事故では、ビル外壁の金属が男性の頭を直撃し亡くなる事故がありました。被害に遭った男性は、ちょうど下の歩道を歩いていたそうです。そのほか、築40年にも及ぶ銀座ビルのタイルが歩道に落下したり、観光地のビルから外壁が落下して観光客の3人が負傷したりするなど、全国で外壁の落下事故が後を絶ちません。

1-2.建築基準法における法的対応

外壁の落下による死亡事故も起きているため、外壁の安全性確保のために建築基準法における法的対応がなされています。その法的対応によると、建築物の所有者は所有する建築物を適切に維持管理するために定期的な外壁の調査・検査を実施するというものです。また、その結果を特定行政庁へ報告することも義務づけられています。なお、定期報告をしなかったり、虚偽の報告を行ったりした場合は、100万円以下の罰金が科せられるので注意が必要です。

1-3.行政によっては施策も

外壁落下防止の安全施策として、行政が行っている施策もあります。たとえば、パトロールなどで落下の危険性を見つけた際には注意喚起をしたり、改善指導書などによる行政指導を行ったりするなどです。建物の耐久性や安全性を維持するための補助制度を整えている行政もあるので、ぜひお住まいの地域ホームページをチェックしてみてはいかがでしょうか。外壁落下は、歩行者を死亡させるほどのリスクがあることを知っておかなければなりません。

2.外壁が落下する原因は?

ここでは、外壁が落下する原因をいくつか紹介します。

2-1.経年劣化

外壁が落下する原因のほとんどは、経年劣化です。外壁は新築時からずっと美しい外観や耐久性が保てるわけではありません。紫外線や雨風にさらされている箇所なので、建物の中でもすぐに劣化しやすい場所となっています。月日が経過するほどに劣化状態が悪化し、そのまま放置すると外壁材が落下しやすくなるのです。
なお、経年劣化は定期的なメンテナンスで抑えられるので、きちんとメンテナンスをしておけば外壁の落下事故は未然に防ぐことができます。けれども、定期的なメンテナンスや点検を怠っていると、外壁の落下事故が起きてしまうというわけです。実際に起きた外壁落下事故の多くは、メンテナンスの怠りが原因となっています。

2-2.施工不良

外壁の落下事故の中には、施工不良が原因で起きているケースもあります。施工不良の原因は、悪質業者による外壁工事です。外壁工事は「詐欺に遭った」と気づくまでに時間がかかることから、手抜き工事をして高額な費用を請求する悪質な業者が増えています。特に、ビルやマンションの外壁は自分の目で確認できない箇所が多いため、詐欺に遭いやすいのです。悪質業者が正しい工事をせず、施工不良によって外壁が落下するケースも起きています。施工不良による外壁の落下事故を未然に防ぐためには、きちんと正しい工事をしてくれる優良業者に依頼することが大切です。

2-3.地震・台風など自然災害による損傷

地震・台風などの自然災害も、外壁の落下が起きる原因の1つです。前述したように、外壁は建物の中でも劣化スピードが早く、定期的なメンテナンスをしていない状態だと地震や台風などの自然災害で損傷してしまう恐れがあります。すでに、もろい状態の外壁がさらなるダメージを受けると考えてください。地震・台風によってすぐに外壁が剝がれ落ちてしまうことになるでしょう。特に、最近の日本は温暖化の影響で自然災害が増えてきています。自然災害が起きても耐えられる建物にするためにも、外壁の落下を防ぐ対策が必要です。

3.外壁の落下を予防するためには?

ここでは、外壁の落下を予防する方法とポイントを解説します。

3-1.定期的に外壁のメンテナンスを実施する

何よりも、外壁の落下を防ぐために大切なのは、定期的に外壁のメンテナンスを行うことです。外壁は10年ごとにメンテナンスをしたほうがいいといわれています。常に、紫外線や雨風にさらされている場所だからこそ、10年ごとに1回のメンテナンスで補修を行う必要があるからです。下地が劣化している場合は修繕し、新しい外壁材に交換したり塗装したりします。定期的に外壁の状態をチェックすることで、劣化のサインにもすぐに気づけるでしょう。

3-2.目で見える劣化サインを把握しておく

外壁が劣化し始めると、さまざまなサインが現れるようになります。劣化サインの中には、自分の目で確認できるものもあるので、外壁落下防止のためにチェックしておくといいでしょう。外壁に見られる主な劣化症状は以下のとおりです。

  • 外壁のモルタルやタイルに亀裂・浮き上がりなどがある
  • ひび割れ
  • チョーキング現象(外壁に触ると白い粉がつく現象)
  • コーキング材のひび割れ・膨れ
  • コケ・藻・カビの繁殖

また、窓ガラスの固定に硬めのパテが使われている場合、ひび割れが起きる可能性があります。ウインド型クーラーや袖看板などがある場合は、取付金具・ボルト等が腐っていないかチェックしてみてください。少しでも気になる箇所があれば、専門業者に外壁調査を依頼したほうがいいでしょう。

3-3.防水工事も大事

外壁の落下を防ぐためには修繕工事だけでなく、防水工事も大切です。防水工事とは、建物の屋上や外壁・バルコニー・ベランダなど雨にさらされる場所から水が浸入しないように処置をする工事となります。ビルやマンションの多くはコンクリートでできているため、雨水が浸入すると躯体部分が腐ってしまうのです。なお、主な防水工事として、アスファルト防水工事・ウレタン防水工事・塩ビシート防水工事・FRP防水工事の4種類があります。それぞれの特徴は下記を参考にしてください。

  • アスファルト防水工事:最も古い工法で、シート状になったものを火であぶり貼り付けるトーチ工法などがある
  • ウレタン防水工事:ウレタン樹脂を化学反応で硬化させ、防水層を作る工法
  • 塩ビシート防水工事:塩化ビニルで作られた防水シートを使う工法
  • FRP防水工事:ガラス繊維などで強化されたプラスチックを使う工法

4.外壁が落下した際の修繕方法

ここでは、外壁が落下した際の修繕方法を解説します。

4-1.新しい外壁材を貼り付ける

一般的に、外壁が落下した際は、剝がれている部分をキレイに整えてから新しい外壁材を貼り付けることになります。まずは、どのような状態になっているのか、外壁を細部までチェックすることが大切です。きちんと現場の状況をチェックした上で、その状態に合った方法で修繕を行う形となります。なお、新しい外壁材を貼り付ける前に、傷んでいる下地もしっかりと補修しなければなりません。この下地をきちんと補修できるかどうかで、外壁材との密着度も高まります。下地をしっかりと整えずに外壁材を貼り付けると密着度が低くなり、すぐに剝がれ落ちてしまうことになるでしょう。

4-2.古いコーキングなどもしっかりと除去する

外壁が落下した部分は、コーキング材なども古くなっている可能性があります。古いコーキングなどもしっかりと除去し、キレイに洗浄してから新しい外壁材を貼り付けなければなりません。特に、長く外壁のメンテナンスを行っていなかった場合、外壁材だけでなくコーキングや下地も古くなっている可能性があります。その際は、そのままにせずに、古いものから新しいものへと修繕する必要があるでしょう。

4-3.建物の全体を検査する

外壁が落下した部分だけでなく、ほかの箇所も落下寸前の状態になっている恐れがあります。そのため、外壁の落下が起きた際は、建物全体を検査してください。個人で外壁の状態を調べるのは非常に困難ですので、専門業者に外壁調査を依頼しましょう。ほかの外壁もしっかりと検査をしておくことで、外壁の落下を未然に防げます。また、劣化がひどくならない内に処置できるため、修繕費用も最小限に抑えることができるのです。

4-4.外壁工事業者選びも重要

最適な外壁補修を行うためには、外壁工事業者選びも大切なポイントです。外壁工事をしている業者の中には、不正を働く悪徳業者が存在しています。よくあるトラブルとしては、「工事後に高額な追加費用を請求された」などの金銭トラブルです。悪徳業者とのトラブルを未然に防ぐためにも、業者選びの際は以下のポイントに注目してください。

  • 外壁工事に長(た)けているか
  • 施工事例がホームページ等に掲載されているか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 無料見積もりや無料相談を受け付けているか
  • どのような質問にも分かりやすく答えてくれるか
  • 口コミや評判がいいか

なお、東京・大阪を中心に外壁工事をしているオフィスチャンプでは、無料相談を受け付けています。外壁の落下でお悩みの方はぜひ一度お問い合わせください。

5.外壁の落下に関してよくある質問

外壁の落下に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.外壁落下事故によって建物の所有者が担うリスクとは?
A.大きなリスクとしては、損害賠償にまで発展する恐れがあることです。外壁の落下によって死傷者が出た場合、建物の所有者として民事・刑事上の責任が問われることになります。実際に起きた訴訟では、遺族から1億円以上もの損害賠償を求められたケースもあるのです。また、外壁落下事故によって社会的制裁を受けたり、所有物件の資産価値が下がったりするリスクもあります。

Q.なぜ外壁落下事故が増えているのか?
A.大きな理由としては、維持・管理上の課題があります。マンションやビルといった大きめの建物になると、定期的なメンテナンス費用も高額になりがちです。大規模修繕工事は数千万円かかるケースが一般的ですので、建物の所有者にとっては負担が大きくなります。その負担の大きさが、劣化の放置につながり、外壁の落下事故に発展するというわけです。

Q.外壁タイルの補修でかかる費用はいくらぐらいか?
A.外壁の状態や範囲によって異なりますが、費用の相場は1㎡あたり1万~5万円程度となっています。タイルの種類によっても費用が変わるため、まずは無料見積もりや外壁調査を依頼したほうがいいでしょう。部分的な取り替えで済めば、1枚あたり500円程度で抑えることができます。

Q.修繕費用を抑えるコツは?
A.早めに修繕を行うのはもちろんのこと、足場代を節約する方法があります。足場の設置や撤去にかかる費用は、外壁工事全体費用の約3分の1を占めているといわれているほど高額です。つまり、足場代が節約できれば、全体費用の3分の1をカットできることになります。外壁工事業者の中には足場を使わない無足場工法を採用しているところもあるので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

Q.悪質な業者の特徴は?
A.スタッフの対応が悪かったり、見積書の内容が大ざっぱになっていたりする傾向があります。「今だけの割引です」「早く修繕しなければ危ない」など、煽り文句ばかり並べてくるような業者にも注意しておいたほうがいいでしょう。

まとめ

いかがでしたか? 外壁の落下は、歩行者にケガを負わせたり、最悪な場合は死亡事故を起こしたりしてしまうほど危険です。外壁落下の原因は、ほとんどが経年劣化ですので定期的なメンテナンスで修繕することが大切なポイントとなります。「修繕費用がかかるから……」と外壁工事を躊躇(ちゅうちょ)している方は、ぜひオフィスチャンプにご相談ください。オフィスチャンプでは足場をかけない無足場工法を採用しているため、足場代が丸々カットできます。

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