屋根リフォームにはどんな種類がある? リフォーム費用は?

お家の屋根の状態を気にしたことはあるでしょうか?
一口に屋根と言っても洋風なものや、色のバリエーションのあるもの等、色々あります。この記事を読んで、屋根の知識を蓄えると共に、来るべき屋根工事の日までどのようなことに気を付けるべきか学習していきましょう。

目次

  1. 屋根の劣化はこんなことにつながる
  2. 屋根工事・屋根のリフォームの種類
  3. 屋根リフォームをする時
  4. 業者を選ぶ注意点

1.屋根の劣化はこんなことにつながる

屋根材の交換の時期は20年と言われていますが、5年ほどで塗装や瓦が劣化具合が見えてきます。
屋根の劣化を放置しておくと、室内にも被害が出てくると言います。

  • 天井にシミができる
  • 天井のクロスが破れてくる
  • 天井近くの壁が色あせている

天井だけに被害があるのではなく、放っておくと更なる被害になる可能性があります。

  • 水が天井から壁へ侵入し、胴縁が腐食する
  • 水が壁に侵入し、壁クロスのはがれやヒビが発生
  • シロアリが繁殖しやすい環境になる

このような状況にならないために、屋根の点検は5年ごとには受けることがおすすめです。

2.屋根工事・屋根のリフォームの種類

屋根塗装を含め、屋根のリフォームには、「塗り替え(塗装)」「重ねぶき(カバー工法)」「ふき替え」の3種類があります。
屋根の素材や塗料にもよるのですが、7~10年で「塗り替え」を行い、15から20年で「ふき替え」というのが大まかなリフォームのサイクルです。屋根の状況や劣化具合や、以前のリフォームからの年月を考慮し、最適な工法を選ぶようにしましょう。

屋根材には大きく分けて「粘度系」「セメント系」「金属系」「スレート系」と4種類あります。大まかに、屋根材ごとのリフォームのタイミングをまとめました。

日本瓦

5・10・15年目で点検、20・25・30年目で全面補修(必要に応じふき替え)

セメント瓦

5・15年目で点検、10年目で塗装、20・25年目で全面補修(ふき替え)、30年目で点検

化粧スレート

5・15年目で点検、10年目で塗装、20・25年目で全面補修(ふき替え)、30年で目点検

ガルバリウム

5・15年目で点検、10年目で塗装、20・25・30年目で全面補修(ふき替え)

2-1.屋根の塗装・塗り替え

塗り替え(塗装)は最も手軽にできるリフォームです。屋根の基礎部分であるところがそんなに傷んでいない時に有効な方法となります。塗り替えを行う屋根材は日本瓦以外となっており、日本瓦はご存知の通り塗り替えはありません。
塗料としてよく使われるのは「アクリル樹脂塗料」「ウレタン樹脂塗料」「シリコン樹脂塗料」「フッソ樹脂塗料」があり、一般的には「ウレタン樹脂塗料」「シリコン樹脂塗料」です。
実際の工事の料金は、塗布の料金以外に何回塗ったか、温度上昇を抑える「遮熱塗装」をするかしないか、冷房や暖房の効率性をよくする「断熱塗装」をするかしないか、等により変わってきます。

2-2.重ねぶき(カバー工法)

「重ねぶき(カバー工法)」は、元々あった屋根をはがすことなく、新しい屋根を古いものの上にかぶせる工法で、屋根の外側(表面部分)は傷んでいるけれども内側がさほど傷んでいない時によく使われます。ふき替えと比べると、工事にそんなに時間がかからず、廃材も出ないので費用を抑えることができるのです。

屋根が二重になるので、遮音性や断熱性がアップし、外から見た様子も一変するのがよい所です。しかし、屋根全体の重さが増しますので、軽めの屋根材を選んだり施工の前に、建物の強度や耐震性を確認することが、必要となってきます。

2-3.ふき替え

「ふき替え」とは屋根材、下地ともに新しいものに変えるリフォームのことです。古い屋根を全て撤去し新しい屋根に替え、防水加工もし直します。また、どんな屋根材にすることもできるので雰囲気をガラッと変えてしまうことや、天窓や換気扇を付けることもできるのです。建物の耐久性がアップするリフォームとなり、工事の日数もそれだけかかってきます。

「ふき替え」でポイントとなるのは、どんな屋根材を使うのか、ということです。屋根材の「粘土系」「セメント系」「スレート系」「金属系」という4種類では性能も外観も大きく異なるので、それぞれの特徴をまとめましょう。

金属屋根

金属屋根とはアルミニウムや亜鉛合金メッキ鋼板など金属で作られている屋根です。また、外壁などでよく使われているガルバリウム鋼板が用いられることもあります。

粘土系

天然の粘土を高温で焼き上げたものをいいます。日本で古くから使われてきた「粘土瓦」も高温多湿のこの国の気候に合った屋根材です。耐久性が高く50年から100年は塗り替えることなく使うことができます。

釉薬を塗った「陶器瓦」、渋い銀色の光沢が特徴的な「いぶし瓦」、自然な朱色が特徴「素焼瓦」などがあります。

粘土系の瓦は耐久性があるのですが、地震が起こった時の心配から、減少の傾向にあります。

セメント系

セメントと砂を原料にした瓦で「セメント瓦」「コンクリート瓦」とも言われ「モニエル瓦」という種類も含まれます。「日本瓦」のように厚みがあるのですが、「日本瓦」と違う点は上に色を重ねて塗ることができます。そのため、カラーバリエーションが豊富にあり、建物のデザインや雰囲気に合わせて屋根の色を変えることができるのです。

スレート系

薄い板状の素材でできており「天然スレート」と「人造スレート」の二種類があります。家庭用でよく使われるのは、セメントに繊維を混ぜて強化した薄い板状の「人造スレート」「カラーベスト」「コロニアル」「フルベスト」といった屋根材です。耐久性があり軽量で使いやすいので、重ねぶきでも利用されています。色やデザインが豊富にあり、耐熱性も優れているのがよい所です。

3.屋根のリフォームをする時

3-1.屋根点検の依頼をする

無料の点検や見積りを行っている業者が多いので、まずは点検・見積りをお願いします。
訪問販売で営業されることがよくあると思いますが、勢いに負けてしまいその場で契約してしまわず、他の業者と比較検討をしてじっくり決めましょう。

3-2.屋根リフォームの注意点

屋根材ごとに適切な勾配が決まっている

屋根をふき替える時に、今までとイメージを変えたくて、屋根材を変えたいこともあるでしょう。しかし元々の屋根の設計により、違う屋根材に変更ができないことがあります。屋根の傾きの角度(屋根勾配)によって使える屋根材が決まってくるのです。
屋根の勾配は「○寸勾配」と表しますが、これは三角形の屋根の底辺にたいして頂点までの高さの比率を寸で表したものになります。
例えば4寸勾配は底辺が10のときに高さは4にです。屋根材ごとに必要な勾配は金属葺きで1寸勾配以上、スレート葺きで3寸勾配以上、瓦ぶきで4寸勾配以上必要です。

なぜ屋根材ごとに必要な勾配が変わってくるのかと言いますと、屋根自体の吸水率が異なってくるからです。
瓦の吸水率は20%、化粧スレートは9%、トタンなら0%。瓦は、他の屋根材より水を吸収しやすいので、勾配を大きくしないといけないと雨が流ないのです。

また、5寸以上の屋根は塗り替える時、屋根自体に足場をかけて工事をする必要があります。足場の工事代がかかることを覚えておきましょう。

建物の強度を確認する

金属屋根などの軽い屋根の場合は、家自体の柱の強さや壁の強度を元々小さ目に設定してあることがあります。このような家で金属屋根から瓦に変える場合は、重さのある屋根に変わるので、柱の太さや壁の強度を確認しておきます。逆に瓦から金属屋根に替える場合は強度の確認は不要です。

4.業者を選ぶ注意点

屋根工事を偽った悪徳訪問販売のパターンがあります。二点ご紹介しましょう。

4-1.無料点検商法

無料の点検と言い家に入り込み、不安をあおるような事を言います。屋根の様子を見ると上り、屋根の状態をビデオで撮影すると言い出すのです。今撮影したかのように違うお宅のデータを見せ、「補修の必要がある」「今なら割引がある」と強引に高額な工事につなげようとします。

4-2.モデル工事商法(担当地区商法)

嘘のキャンペーンや格安を打ち出して工事を販売する方法を言います。とくに、高齢者がターゲットになりやすいです。しつこく執拗に迫るので注意してください。

4-3.トラブルに巻き込まれないために

  • 身分のわからない営業マンを家に入れないようにする。(名刺がないなど)
  • 業者の説明をうのみにしない
  • 複数社見積りを取ってきめる
  • 契約時には工程表などの書面を確認する

まとめ

いかがでしょうか。

今回は以下のポイントについて解説しました。

  1. 屋根の劣化はこんなことにつながる
  2. 屋根工事・屋根のリフォームの種類
  3. 屋根点検の依頼をする
  4. 屋根リフォームの注意点
  5. 者を選ぶ注意点
  6. トラブルに巻き込まれないために

屋根リフォームの基礎知識について学習していたでしょうか。

すぐに明日必要というわけではないかもしれませんが、今後の屋根リフォームの参考にしてください。前もって知っておくことで、スムーズに屋根をリフォームできるはずです。

工事費の大半を占めていた足場代をカット!工事費の大半を占めていた足場代をカット!